1Bから2Bの栽培法

高温栽培では冬も与え続けます。
低温栽培では4月頃から与えます。低温栽培では4月頃から新根を伸ばし始めますので、この生長開始に肥料をあわせることです。

非常に上手な栽培では6月頃花芽の分化を始めますので、秋から芽の伸びる品種では6月上旬で肥料は中止します。
春からめの伸びる品種では7月上旬で中止します。花芽の出る見込みのない鉢には9月中旬まで与えます。
 肥料
Cymbidiumは春から芽の伸びる系統が主流を占めています。小型の原種の多くは葉の枚数が少なく、9月までの5ケ月の栄養生長期間で花芽分化可能な葉の枚数になりますが、大型の品種の中には5ケ月の期間では足りなく止め葉がでない状態で冬、乾期を迎える品種も多いです。このところが葉1−2枚のカトレアを異なるところで、シンビ栽培を極めて難しくしています。カトレアの進化は雨期、乾期に合わせて葉の枚数を少なくして生存出来るようにしましたが、モンスーン気候の雨期は、ブラジルの雨期とことなり、春と雨期の到来がダブっており、シンビは温度の上昇と雨期の到来を待って新芽を伸ばします。
栽培では、この性質に合わせて潅水、肥料、植え替え、など全ての管理作業を行います。
芽かきは秋に伸びるシンビと同じです。

4−6月咲きのシンビは前記の高温多湿栽培は出来ません。自生地の条件で作るようにします。前記の普通栽培の温度で冬を越した場合は、3−5月頃から新芽を伸ばし始めます。

 春から芽の伸びる品種
Cymbidiumがバルブを肥大させるのは、前記したようにやがて来るきびしい乾期に備えるためです。
この厳しさにも「差」が有り、どの程度がCymbidiumに最適な「厳しさ」なのか。自生地がベストでは無いはずです。自然というのはギリギリの過酷な年もあるからです。品種によってもこの「厳しさ」に耐えられる能力が異なります。
このことから、プロの鉢物栽培ではCP-1B時代と同じように高温栽培を行っています。このようにすると、春に新芽の伸びる品種も秋から新芽が伸びはじめ、1年早く市場出荷出来るからです。
  高温栽培  最低温度 15℃以上
  普通栽培  最低温度  5−8℃
 冬の最低温度
 2ケの中位のバルブが出来る
 1ケの大きいバルブが出来る
新芽
新芽
新バルブ
1本残す
芽かき
 新芽2本を残した場合
 新芽1本残した場合
Cymbidiumには自然に栽培しても秋に芽を伸ばす品種がありますが、芽かきする時期が重要になります。
9月15日を基準にします。それ以前に伸びた芽はカキトリます。9月15日にカキトリすると約1ケ月後の10月中旬に次の芽が伸びだします。10月から伸びだした芽が丁度翌年の6月までに本葉10枚程度に成長して止め葉が分化します。例えば、秋の芽かきを11月にすると、次の芽が伸びだすのは12月になり、翌年の6月まで6−8枚になり、大きいバルブを形成しなくなります。
つまり、秋に新芽を伸ばす品種は、6月に止め葉が出るので新芽の伸びる時期が遅くなるほどはの枚数が少なくなります。
 秋の芽かき
シンビジュウムは9月頃にバルブを形成しますが、この時期は新しい根の発生時期でもあります。この時期に一回り大きい鉢に鉢上げして年内中に新しい鉢に根付いた状態にすると、よく年の春からの生長が順調になります。秋の鉢上げは前記の高温栽培では遅くなっても良いのですが、低温栽培では朝の最低温度15℃に下がる頃までに終るようにします。
 鉢上げ
戻る
TOP
Cymbidiumはバルブを形成するとシンビになる。CP−1Bのところで記したように、バルブを形成する以前はバンダ、胡蝶蘭などと同じ熱帯のランであり、広い意味での熱帯植物としてのランです。
Cybidiumはバルブを持つことによってきびしい乾期に耐えられる植物になった。シャボテンはきびしい砂漠の乾燥条件で生きるために葉をトゲにしたが、半年雨期で雨の降るシンビの自生地では、シャボテンのようにトゲにするわけには行かない。一般の植物のように葉を持ちながら半年の乾期に耐えなければならない。低温で乾期の間葉を落とさないで生き続けるにはどうするか・・・・。それには養分、水分を蓄えるバルブを持てば良い。進化はこのようにして現在のシンビになった。
Cymbidium

1B