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        6月17日




         
              春は二重に巻いた帯・・・・
                  三重に巻いても・・・余る秋・・・・







                      
                          キヨコ プロムナード 花径 13㎝



                 一重(ひとへ)のみ (いも)(むす)びし (おび)をすら 三重(みえ)()ふべく ()()はなりぬ」
                                                                 万葉集 大友家持

                    この歌は大伴家持が結婚前の坂上大嬢に送った歌の一つですが「一重に巻いていた帯が、あなたを恋しく想って、
                   三重に巻くぐらい痩せた」。・・・遠距離恋愛の・・・究極の男の恋情である。
                   最寄りの「夜の街」などには・・・ゆかない!
                   女は・・・自分を恋思って・・・男が激ヤセするなら・・・これ以上の喜びはない。
                   女の奥底に潜む・・・進化の中で獲得したヒヤリとした微笑みを隠している。
                   ・・・・
                   

                      作詞家  星野哲郎は、この大友家持の歌から、
                      美空ひばり 「乱れ髪」の・・・
                        「春は二重に巻いた帯、三重に巻いてもも余る秋」を作った。




                      シンビには、恋人を想い焦がれて・・・激ヤセするまでの情念を宿す花がある。
                      イギリスの美学「真円」が洋蘭界の育種の目標であるが・・・
                      宇井 清太から見れば・・・全ての蘭が満月。
                      実につまらない育種世界である。
                      ・・・・・
                      日本には・・・この万葉集の恋歌のように・・・痩せた「三日月」を美しい・・・と思う美学がある。
                      宇井 清太のシンビには・・・・
                      男から捨てられても・・・「憎い・・・あいたい・・・憎い・・・あいたい」・・・女の情念と・・
                      女を北の酒場まで追い探す・・・男の慚愧と恋慕の花がある。




                              

                                           キヨコ プロムナード  宇井 清太は、この花を「名花」だと想う。
                                                石川 さゆり 「天城越え」・・・名歌である。
                                                男なら・・このような女と・・・一夜でいいから・・・・
                                                何日もでは・・・身がモタナイ・・・。

                        髪の乱れに手をやれば・・・・
                            赤いけだしが・・・・風に舞う・・・・
                                 憎や恋しや・・・・塩屋の岬・・・。