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6月18日 シンビジュームの「アルビノ」育種について
交配でアルビノを創ることが永い間のラン界の夢であった。
「純粋」、「素心」・・・「プピュア」。
純白は洋の東西を問わず・・・人のここを・・・無垢にする。
汚れの無い・・・
東洋ランの世界では「素心」という。
二心ない・・。
シュンラン、寒蘭の世界でも・・・何万株の中に一株という確率で咲く。
アントシアン色素の無い個体である。
今年の新花 花径 10㎝ ビア トランキーラ ♀を使用した。 カトレア C.
walkeriana var.alba ブラジルの原種
アメリカ ドス社の秘蔵の交配親を入手してから・・・
40年後、ようやく・・・カトレアのノビリの白花のイメージの花を創ることが出来た。
ビア トランキーラには、エリスロスティルムの遺伝子が入っている。
この遺跡の遺伝子を掘る交配を行なった。
宝くじより低い確率に挑戦した。
カトレアのワルケ、ノビリの純白花。 カトレア愛好家は熱狂してコレクションしたようである。
この個体は、人為的にメンデルの法則を使用して作出した。
シンビジュームのアルビノ個体は、自生地において稀に見られる他の色素を全て削除した花であることから、
珍品として垂涎の的になった。
しかし、このアルビノを人為的に作りだせるようになったのは30年から40年前のことである。
オーストラリアのアルビン ブライアント氏が嚆矢である。
メンデルの法則通り・・・アルビノが生まれることを発見した。
一年草なら・・・3年で・・・実証できるが・・、
シンビジュームは交配してから花が咲くまで約7年を要する。
アルビノ × 普通種 → 普通種 × アルビノ → アルビノと普通種が咲く。
つまり3回交配しなければならないので最短でも20年の歳月を費やして・・・
実証したのである。
これは君子蘭の「黄色花」でも同じである。
写真の花は系統的には「エリスロスティルム系」である。
このエリスロの遺伝子から・・・白花のアルビノを創るのは・・・至難中の至難でである。
ベトナムの原種
エリスロスティルム FCC/RHS
RHSでFCCになった個体。 アメリカのオークションで入手した。
昭和47年である。
このころは・・・宇井 清太も育種夢に燃えていた。交配親を集めに熱狂した。
夢を持続するのは難しい。
宇井 清太80歳。 今年は・・・交配する気持ちはコロナで・・起こらなかった!
エリスロの花を見て分かるように、リップの赤のバンドが非常に強い遺伝子である。
更に、ペタルが・・全開しない。
リカステと同じ・・・三角形の美である。
これを親にして・・・・上の新花を見ると、ペタルが全開、リップが純白である。
宇井 清太の交配に、エリスロ系のアルビノ純白花は・・2株のみである。
・・・・。
40年の歳月を費やして・・・ようやく咲いてくれた。