非常に多くの方から・・・甘いブルーベリーが出来ない!
そういうご相談を頂きます。
なぜ糖度の高いブルーベリーが出来ないのか。
答えは簡単です。
「木を見て山を見ない」・・・からです
これまでのブルーベリー栽培に大きな誤りがあるからです。
ブルーベリーの根圏にキノコが生えないからです。
日本の畑では十分な光合成が出来ないからです。
ブルーベリーを甘くするのは・・・澱粉です。
この澱粉は・・葉の光合成で作られます。
光合成が十分行われない場合は・・・ブルーベリーの全体が・・・健康状態ではない。
日本の平地の畑は、ブルーベリーが喜んで生きられる状態ではない。
日本におけるブルーベリーが、糖度不足なる三要素は、
温度が高すぎる。
枯れ落ち葉が堆積していない。
枯れ落ち葉を分解する木材腐朽菌がいない。
一生懸命手入れしていても、糖度の高いブルーベリーが出来ない原因である。
これまでの本を、どんなに読んで作っても、立派な樹にならない。糖度が無い・・・原因である。
現在の畑で、糖度の高いブルーベリーを生産するには・・・・
1 株元の周囲に自生地同じように毎年枯れ落ち葉をまく。(晩秋から春までの期間内に)
2 木材腐朽菌が生きている「ペレポスト オーロラ1号」をまく。
3 木材腐朽菌を繁殖させるために、木材腐朽菌のエサとして「生油粕」を与える。
4 衰弱している樹には「オーロラ源液」を1000倍に薄めたものを、
夕立のように葉の上から与える。
この仕事を毎年繰りかえすことで、スノキ属の自生地を再現できる。
ブルーベリーが頑張って光合成しても、絶対量の澱粉が足りない。
この足りない分の澱粉を補完できる技術が・・・これまで無かった。
根に砂糖水を与えても・・・根が吸えないために・・・不足分を補充出来ない。
葉にぶどう糖を散布しても・・・ブルーベリーの葉はぶどう糖をよく吸収しないために、
全然効果が無かった。
しかし、「ペレポスト オーロラ1号」を与えると。ペレットのリグニン、セルロースを、
木材腐朽菌が分解して、低分子の糖を作り、この糖を木材腐朽菌の菌糸が、
ブルーベリーの根に供給することが解ってきた。
このことは、ラン栽培で実証され、多年草植物のほとんどは、このシステムで、
悪条件の年でも生き延びてきた。
つまり、悪条件という言葉は、光合成が十分できない条件である。
澱粉が十分作れない。
この状態が長く継続すれば・・・枯死に至るが、こういう状態のブルーベリー畑も多くなった。
こういう状態のとき、自生地では木材腐朽菌から糖の供給を受けて、
光合成を補完して、どうにか生き延びてきたのである。
「ペレポスト オーロラ1号」は、自生地を再現できる唯一の資材である。
糖を根から吸収させることが出来る唯一のものである。
株元に、枯れ落ち葉のように「ペレポスト オーロラ1号」をパラパラ撒くだけ。
これで自生地を再現出来る。
糖度の高い「オーロラ ブルーベリー」を生産できる。
ブルーベリー栽培法には大きな「盲点」がある。
つまり、これまでの栽培法はブルーベリーは「独立栄養植物」としての栽培が構築されている。
ブルーベリーが菌根植物であることが削除されている。
なぜ、ブルーベリーが現在も菌根を捨てないで生きているのか。
そういうブルーベリーの原理原則、自然の法則が栽培法から削除されている。
「枯れ落ち葉」「木材腐朽菌」が削除された栽培法が流布したからである。
ブルーベリーが日本に導入されてから今日まで、枯れ落ち葉、木材腐朽菌など・・・・
全然・・重要視されたことはない。
つまり・・・自生地の・・・どこを先輩たちは見てきたのか????
PH・・・・????
そんな単純な観察と技術で・・・未だ作物になっていない原種に近いブルーベリーを畑で・・・
農業の一部門の果樹として栽培できるのか・・・・。
趣味の園芸の延長線上で・・・・大面積作っても・・・砂上の楼閣みたい。
その結果として・・・糖度の高いブルーベリーを作れない。
甘いブルーベリーが出来ない主な要因は上記の三つである。
スノキ属植物は、本来寒冷地に生息してきた植物で、夏、高温になる日本では
ブルーベリーは・・・宇井 清太は未だ他の作物・・・イネ、トマト、キュウリ、リンゴ、サクランボ、・・・のように、
「作物」まで改良が進んでいない・・・山の植物であると思っています。
山の、原野の植物が作物にまでなるには、少なくとも数百年、何十代も交配を繰り返される。
ブルーベリーが・・・アメリカで最初に交配されてから・・・100年も経っていないのです。
したがって・・・日本に自生しているスノキ属植物の浅間ベリー、クロウスゴ、ナツハゼ、ツルコケモモと、
大きな差異はない・・未だ山の多年草植物です。
これを畑に植えて農業として「栽培」するというのは、本当に難しいことです。
どこが難しいかといえば、自生地の地表には植物遷移の中で、長い年月をかけて地球が創り上げた、
「枯れ落ち葉」が堆積した微生物「生態系」のネっワークが構築されているからです。
この状態を、水田転作地、これまで野菜を栽培していた畑に、短時間に人為的に作ることは、
ほとんど不可能に近い事です。
例えば、スノキ属植物が自生している近くに「カタクリ」も自生しているが、
これまで「カタクリ畑」を作れた人は・・・全然いない。
里山に群落をつくるカタクリを・・畑で栽培できない。
土壌のPHを調べて土壌を作っても・・・カタクリは3年で「絶種」する。
つまり、宇井 清太の実験では・・・「カタクリ」増殖するような土壌では、ブルーベリーは無造作に出来る。
カタクリの自生地には「枯れ落ち葉」が10㎝以上も堆積している。
この状態が日本原産のスノキ属植物の自生地でも見られる。
この枯れ落ち葉の堆積しているエリアにブルーベリーの根も、スノキ属植物19種の根も張っている。
ブルーベリーの根は土壌の浅いところに張ると表現される場合が多いが、
自生地では・・・枯れ落ち葉が堆積、または分解した場所に根を張っている。
なぜ、地表近く浅いところに張っているのか。
答えは簡単である。
枯れ落ち葉も、これを分解する木材腐朽菌は好気性でだから、この菌が作る「低分子の糖」が欲しいからである。
この場所のPHを測定すれば・・・ほとんどPH5,5から6,0ほどである。
ブルーベリーが良く生育する自生地のPHというのは、永年枯れ落ち葉が堆積し、
それに雨が降って、木材腐朽菌が繁殖し、枯れ落ち葉を分解して出来上がったPHである。
前年まで水田だったところ、野菜畑だったところを・・・このPHを測定して、人為的にピートモス、
硫黄、クエン酸でPH調整して、さーーーーブルーベリー諸君・・・良く生育しろ!
そういうことやっても、よく生育しないのは当然のことである。
人間というのは身勝手。100年、200年かかって作り上げた自生地の土壌を、
ピートモス、硫黄を入れてPH調整。
その他の条件、要素は・・・ほとんど削除。
PHよりもっと大切な要素が枯れ落ち葉とこれを分解する木材腐朽菌である。
だから北欧のブルーベリーの森は「キノコの宝庫」である!
キノコの生えない畑ではブルーベリーは良く育たない!
そういうことである。
ブルーベリーを素晴らしい生育させたいなら、キノコの生える畑にしてから植えることである。
ここまで書けば…なぜブルーベリーが「思わしい生育」しない原因が理解できよう。
これまでのブルーベリー栽培法に・・・キノコのことが記載されていない!
不思議でならない。
北欧の生活といえば…秋は「キノコ狩り」と「ブルーベリー狩り」である。
これが市民に定着した生活文化である。
だから、フィンランドの法律には、キノコ狩り、ブルーベリー狩りで他人の土地に入っても、
罪にはならない…となっている。
つまり、同じ森に「ブルーベリー」も「キノコ」も生存しているということである。
これがブルーベリーの森である。
日本のブルーベリー園で、ブルーベリー摘み、キノコ狩り出来るところが一か所でもあるのか????
多分ないだろう・・・。
つまり、ブルーベリーの自生地観察で、最も大切なことが抜けて、PHなどに注目したからである。
つまりブルーベリーを研究するのであれば、同じ場所に生息している他の植物も、
同時に観察しなければならない。
ブルーベリーの属するスノキ属植物は、本来の姿は「陰樹」である。
喬木の林床で「木漏れ日」を拾って生きる植物である。
ブルーベリーの自生地の写真・・・右写真参照。
ここで問題になるのツツジ科植物は「エリコイド菌根菌」が共生しているという知見である。
ブルーベリーの菌根菌を調べると、必ず「エリコイド菌根菌」が出てくる。
これまでの「菌根菌」の研究というのは、病害菌を特定するように、一つ一つの菌を調査、分析する手法。
例えば「大腸菌」。
この大腸菌にも多くの種類があって、病気を起こさない菌が大部分であるが、
中には病気を起こす「病害菌」もある。
そういうことで、大腸菌に一つ一つ番号を付けて特定している。
有名なのが食中毒を起こす大腸菌0-157.
ノーベル賞大村先生の土壌微生物も・・・こういう手法で・・・一つの菌を見つけ出した。
この研究手法で植物の共生菌を特定して、この菌を植物に共生させても・・・
期待したような生育が見られないことがほとんどである。
このために、菌根菌の重要性が認知されていても、栽培現場では、効果が見えない資材は使用されない。
こういうことで、多くの菌根資材が市販されているが、普及は遅々として進まない。
そういうことで、菌根菌を必要ない菌として、菌根菌削除の水耕栽培も農業では考えられてきた。
そういうことで・・・菌根植物のブルーベリーを水耕栽培、植物工場で作ることまで考える人も出てくる。
ブルーベリーの森は同時に「キノコの森」であることを知らない人の発想である。
ブルーベリーが「菌根植物」であることを知らない人である。
ブルーベリーは未だ「作物」まで進化していない、いまだに自生地の植物である。
したがって、ブルーベリー栽培は自生地と同じ土壌で、地表条件で栽培すると大きな失敗はない。
「エリコイド菌根菌」を培養して、この菌を共生させたブルーベリーにしても、良い生育はしない。
この菌は、土壌中で分解しなかった有機物を分解して窒素を作り根に供給する菌である。
泥炭〈ピートモス)、湿地帯などの貧しい土壌に自生する植物は、
エリコイド菌と共生することで生き延びている。
したがって、ブルーベリーの自生地の土壌も一様ではなく、全てのブルーベリーに、
エリコイド菌根菌が共生しているわけではなく、同時に別な菌と共に共生している場合もある。
この菌の弱点は、地表に舞い落ちる「枯れ葉」のリグニン、セルロースを分解できない。
木材腐朽菌のように強力な分解能力は持たない。
地球の地表は枯れ落ち葉を分解する木材腐朽菌が支配している。
エリコイド菌根菌は、主役ではない。
ブルーベリー自生地における窒素は、「木材腐朽菌による炭素循環ブルーベリー栽培法」で記したように、
オーロラと稲妻が空中窒素ガスから尿素を作り、このわずかな窒素である。
ブルーベリーが吸収する窒素は「硝酸態窒素」ではなく「アンモニア態窒素」である。
尿素をアンモニア菌が「アンモニア態窒素」にする。
この理由で、ブルーベリーは「尿素」の含んだ「雨」が大好きである。
夕立後、イネも元気になるのは、イネも「アンモニア態窒素」を吸収するからである。
この理由で、イネの追肥は硝酸態チッソではなく・・・アンモニア・・・硫酸アンモニアを施す。
オーロラと稲妻が作った僅かな尿素と・・・地中でエリコイド菌が未分解有機物を分化した、
ごく少量のアンモニア態チッソで・・・ブルーベリーは生き続けてきた。
この乏しい窒素をより多く吸収するためには、ブルーベリーの根の吸収力より、
更に強い菌糸の吸収力を利用して生き続ける進化をした。
多くに菌のネットワークシステムを利用することで、他の植物が生きることが不可能な劣悪な環境でも
生きられるようになった。
森林の負け組植物が、必死に生きる術を探した末に見つけた「発明」である。
3億年前に植物が見つけた「大発明」。
AM菌との共生である。
海から陸上に上がった時、植物は想定外の困難に遭遇した。
強烈な「紫外線」と「乾燥」と「リン酸不足」である。
この三つの問題を克服しなければ、陸上で生き続けることはできない。
(これは、現在のブルーベリー栽培に、そのまま当てはまる。)
植物の先祖は、AM菌と共生してリン酸を調達することを発明した。
同時にAM菌に菌糸は強力な水分の吸収力を持つことから、
植物が吸収できない乾燥土壌からも水分を集め、植物に供給できる。
紫外線に負けない葉を、組織を具備することで問題を解決した。
これによって、植物の先祖は紫外線、乾燥、リン酸欠乏を凌いできた。
「エリコイド菌根菌」「AV菌根菌」は、現在の地球の陸上に自生する多くの植物の根に共生しているのは、
現在の地球でも、常に紫外線、乾燥、リン酸欠乏が起こりうる環境だから、
3億年の植物進化で、共生菌をリストラできなかったのである。
地球というのは、植物にとって決して「優しい」・・・星ではない。
常に植物は耐え忍んで
生きているのである。
ブルーベリーも、人間から食べられたくて実っているのではない。
種族を保存するためには・・・つねに次世代の若い樹を準備しておかなければならないからである。
これまでのブルーベリー栽培は、
ブルーベリーは光合成の養分でのみ生きることが出来る「独立栄養植物」ということから構築されている。
菌根植物のブルーベリーが、本当に光合成の栄養だけで生きられるのか???
日本のブルーベリーは、独立栄養植物と同じように、畑に、水田に植えて、PHだけを調整して、
他の作物と同じように肥料を与えて栽培してきた。
ここで問題になるのが「エリコイド菌根菌」も「AV菌」も・・・エネルギーを作れる菌ではないということである。
糖を、炭素化合物を作れる菌ではない。
光合成が順調に行われることに関係する菌であるが・・・・
光合成の不足を「補完」する糖を作れる菌でない。
つまり、地球の地表にある「枯れ落ち葉」「植物死骸」を分解できない菌である。
光合成不足を補完できる菌は、枯れ落ち葉のリグニン、セルロースを分解できる木材腐朽菌である。
したがって、地球の地表を支配している菌は好気性菌である「木材腐朽菌」である。
なぜなら、植物が生きている場所には、必ず枯れ葉、植物死骸が地表にあるからである。
ブルーベリーは、木材腐朽菌が作る低分子の糖を得るために「地表」近くに根を張っている。
ブルーベリーの根毛を持たないヘアールートと呼ばれる細い根は、
木材腐朽菌の菌糸から糖を受け取るために・・・そのような形状をしている。
木材腐朽菌の菌糸は、枯れ落ち葉の中から水分を吸収して・・ブルーベリーに供給している!
だから、枯れ落ち葉のない、木材腐朽菌がいないブルーベリー畑では、
乾燥すると・・・直ぐに枯れてしまうことになる。
ここで非常に重要なことは、ブルーベリーの自生地には、
この菌のみ生きているのではなく、非常に多くの菌が生息している。
木材腐朽菌の種類も非常に多い。
北欧のブルーベリーの森には非常に多くのキノコが生える・・・まさにキノコの宝庫である。
地表の枯れ落ち葉の中は好気性菌のキノコが支配し、地中30㎝より深いところでは、
「エリコイド菌根菌」「AV菌」などの嫌気性菌が支配している。
地表から地中のエリアには、微生物ネットワークが構築されている。
このネットワークということが、農業、園芸、植物栽培になかったのである。
病害菌を特定するには、この菌を一つ一つ調べれば・・・特定できるのであるが、
この手法では・・・ブルーベリーを、植物を元気にさせる菌を特定できない。
元気にさせる菌は・・・一つではないからである。
菌根菌の研究が・・・なかなか進まないのは・・・一つ一つ調べて、植物に共生させても、
実際に栽培してみると・・・全然生育改善が見られない。
そういうことで顕微鏡で見れば・・・根に「エリコイド菌根菌」「AV菌」が共生している観察で終わっている。
栽培の実証例があまりにも少ない。
恐らく、宇井 清太のラン栽培における「ペレポスト栽培」が、最も大きく深い実証例であろう。
有機栽培が・・・曖昧糢糊というのは・・・・全部、嫌気性菌であり、
好気性菌の木材腐朽菌が・・・有機農法、有機栽培に使用されたことはない。
つまり、これまで、多年草の株元、林床に堆積している「枯れ落ち葉」に、
注目した人がいなかった。
これまでは・・・全部「腐葉土」である。
「枯れ落ち葉」と「腐葉土」は異なる。
山の林床には「腐葉土」はない。
腐葉土というのは、「枯れ落ち葉」に鶏糞、牛糞、米ぬかなどの窒素を添加し、
嫌気性菌で発酵、腐敗させて作るもの。
ブルーベリーの自生地に・・・そのような窒素を多量に含む「腐葉土」はない。
こういうものを与えれば・・・ブルーベリーの菌根は死ぬ。
中には、EM菌のボカシを与えている人もいるが、大きな勘違いで・・・
オーロラの北欧、カナダのブルーベリーの自生地に・・・そのような菌は生息していない。
地表には・・・。
そういう菌を与えれば・・・キノコが生えない畑になる!
木材腐朽菌が台無しになる!
ブルーベリーは・・・未だ・・・森の樹木。
誰も肥料など与えない。
ブルーベリーは・・・故郷の土壌、枯れ落ち葉、木材腐朽菌を忘れてはいないからである。
ブルーベリーは「菌根植物」。
菌根になっていないブルーベリーというのは・・・ブルーベリーの姿をしていても、
本当のブルーベリーではない。
だから・・・糖度低いブルーベリーになってしまう。
健康な身体、葉になっていないから、光合成を多く行うことが出来ない。
それでも・・・生きるためには「呼吸」しなければならない。
乏しい「澱粉」を呼吸作用で消費するから・・・果実に澱粉が行かない。
果実の外側は立派でも…中身のないブルーベリーになる。
糖度の低い果実は、サクランボでも、リンゴでも、桃でも・・・重量が無い。
男も、女も・・・見かけ倒し。
中身がないと・・・。
糖度の高いブルーベリーは・・・どうすれば出来るか。
前記したように、日本のブルーベリー産地はほとんど不適地。
光合成が満足に出来るような日本の畑ではない。
出来ない!
そういってしまえば身も蓋もない事になるから、少しでも甘いブルーベリー、イチゴを作るにはどうするか。
何回も書くが・・・・
木材腐朽菌の力を借りることである!
この木材腐朽菌の力を借りなければ・・・ほとんど不可能である。
糖度が低いのは・・・樹が「夏負け」しているからである。
夏負けしない樹にするにはどうするか。
畑に木材腐朽菌のネットワークを自生地のように構築することである。
地球は、自然は・・・植物にとって「優しい」ことはない。
非常に過酷な条件に満ちている。
猛暑、乾燥、豪雨、強風・・・熱帯夜、無風、多湿・・・・
更に、皆さんの畑にはブルーベリーに適合しない微生物。肥料過多土壌、排水不良、保湿不良。
根元は丸裸の状態、枯れ落ち葉は無し・・。土壌は高温。
こうい条件下では光合成を十分行うことはできない。
植物は、こういう条件下でも、必死になって生き続けている!
ブルーベリーが花咲くのも、果実を実らせるのも・・・人間のためではない。
子孫を残すために・・・行っている。
誤解してはならない!
これまで、植物は光合成で作る澱粉で生きていると・・・学校で教わってきた。
この理論で水耕栽培、植物工場が行われている。
本当に・・・そうなのか?????
つまり、植物工場では「カタクリ」も屋久島の「縄文杉」も作れない!
ブルーベリーの属するツツジ科植物の中には、葉を持たない・・・光合成しない植物「腐生植物」がある。
ラン科植物にも多くの植物がある。
こういう植物は・・・どこからエネルギー源の「糖」を調達しているのか???
この謎が・・・解けてきた!
地球上の多くの植物が、光合成の他に、別なエネルギー調達ルートを具備していたということである。
そのルートとはどういうものなのか。
それは、地球上の枯れ落ち葉のあるところで行なわれている木材腐朽菌による炭素循環である。
空中の炭酸ガスから光合成の澱粉を原料として全ての組織を作る。
葉も、幹も、根も、花も、果実も、種子も・・・澱粉の変化したもの。
植物があるところには・・・必ず植物死骸、枯れ葉が生まれる。
これは・・・火をつければ燃えることでも解るように「炭素化合物」である。
これを激しい「燃焼」と呼ぶ。
自然界では野火で燃え上がる場合もあるが、ほとんどの死骸、落ち葉は木材腐朽菌によって分解され、
低分子の糖が生まれ、この糖が微生物だ更に分解され炭酸ガスとなって空中に放散する。
この炭酸ガスを・・植物は吸収して・・・澱粉を作る・・・そして・・・。
これが木材腐朽菌による炭素循環である。
枯れ葉、植物死骸を木材腐朽菌が分解するのを「静かな燃焼」と呼ぶ。
だから「炎」を発生しない。
この静かな燃焼で生まれる「低分子の糖」を・・・植物は吸収していたのである。
木材腐朽菌、そのほかの共生菌の菌糸が、この低分子の糖を吸収して、
植物の、ブルーベリーの根に供給していたのである。
気象条件は毎年変化する。
ブルーベリーにとって、とんでもない悪条件の年もある。
その条件でも生き延びてきたのが「多年草植物」である。
光合成が少ない年は・・・共生菌の助けを借りていきのびてきた。
そうだったのか!
地球上の植物で、最も貧しい場所に生きている植物の一つが「ラン科植物」「ツツジ科植物」である。
こういう植物にとって地球は・・・本当に生きるに辛いところである。
満足できる光合成が行えた年など一度もない。
常に「養分」不足状態。飢餓状態。
だから・・・稼いでくれる菌と共生して生き延びることを選んだ。
つまり・・・人間で言えば稼いでくれる嫁さんと結婚した男が・・・ブルーベリーである。
日本のブルーベリー畑には・・・稼いでくれる嫁さん・・・木材腐朽菌がいない。枯れ葉もない。
親からの相続財産もない。
自分が働いた分のカネしかない!
そういう状態が日本のブルーベリー。
1015年の猛暑の年は、当然十分な光合成が出来ないから、甘いブルーベリーなど出来るわけはない!
暑くて熱中症になって・・・ろくに働くことできない夏だった。
こういう場合、体の丈夫な嫁さんがいて、パートでもいいから働いてくくれば、少しは・・・。
ここまで書けば、甘いブルーベリーを作るには、何が必要か理解できよう。
〇 木材腐朽菌。
〇 枯れ落ち葉
これがあれば・・・あなたの畑も・・・自生地のブルーベリーになる!
その樹に実ったブルーベリーは・・・少なくとも、これまでより糖度の高い、甘ーいブルーベリーになる!
観光ブルーベリーは大繁盛になる。
ようやく、世界で初めて、ブルーベリーの自生地を作れるようになった。
「ペレポスト オーロラ1号」。
ブルーベリー栽培の「革命」である。
以上、アレコレ書いたが、こういう知見は、これまでの本には書かれたことはない。
ブルーベリー栽培の本は、非常に少ない。
なぜ・・・少ないのか????
「菌根植物」のこと解らないから・・・・「根」のこと、詳し書ける人いないからである。
品種のこと、品種の違いは書ける。
しかし、品種間で多少の違いがあるから説明できるが、根は・・ほとんど同じ!
根を立派に育てるのは枯れ落ち葉と木材腐朽菌である。
PH、PH・・・酸性・・・酸性土壌。
いくら、酸性土壌にしても・・・ブルーベリーは喜んではいない。
それ証拠に・・・生育不良、樹勢を維持できない・・・枯れる。
この原因が・・・これまでわからなかった。
次へ