著作権所有者 宇井清太
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1 SUGOI-neで植えると約7日から100日間に素晴らしい根張りになる。
この根張りのすごさは、SUGOI-ne植えでほとんどの人が観察体験する。
他のコンポストからSUGOI-neに切り替えた時、短時間で根が発生し、
この根張り素晴らしさは、他のコンポストでは見ることの出来ない。
初期の根の発生は、SUGOI-neに含んでいるオーキシンなどのホルモンの他に、
酵素補助成分等、生きた植物生体の成分によるものと考えられる。
根のない株、バックバルブで素晴らしい根が発生するのは、これらに成分が、
7から10日の毎日の潅水によってバルブの表面から吸収され、発根を促すと考えられる。
したがって、SUGOI-ne植では、植付け直後の毎日の潅水は絶対の条件である。
水ゴケさいばでは、植付け直後は潅水を止めるのであるが、全く逆の管理が必要な理由は、
上記の根のみでなく、バルブからの吸収による養分の吸収が行われるためである。
2 ラン菌との共生関係の確立
SUGOI-neのラン菌は8℃以上の温度で急激な繁殖を行う。
このことは、新根が発生すると同時に、この根の柔組織にラン菌の菌糸が伸長することになる。
新根が2から数cmに伸長した状態を観察すると、既に「菌根」の太い根になっている。
新根の発生本数、伸長を観察すると、これまでのコンポストで発生した菌根でない根の本数、
長さとは関係なしに、SUGOI-ne植では、新に地上部の大きさに比例するまで、本数を殖やし、
伸長する。
つまり、新たな地上部と根のバランスを築く根張りになる。
古い菌根でない根は・・・・棚上げして、菌根の世界を構築する。
この新たな菌根の世界を見て・・・・私達は「スゴイネ」という。
素晴らしい「根張り」という。
3 やがて新根の発生と伸長は止まる。
このことがSUGOI-neの特徴である。
充分に菌根になって、地上部と根のバランスが構築された段階で根の発生、伸長は止まる。
ランからすれば・・・・ラン菌の菌糸に「丸投げ」する状態になる。
余計な投資を伴う根の発生、伸長を抑えて、ラン菌に「下請け」させるという・・・
巧妙な生き方の姿を現す。
この段階で、このランの巧妙な生き方を知らない人は・・・・・
SUGOI-ne栽培で失敗、躓く・・・・事になる!!
ランの本には・・・もっと、もっと根を伸ばしたい時は、コンポストを乾燥させると書いてある。
だから、SUGOI-neを乾燥させれば・・・・もっと根を伸ばすと・・・考える。
この技術は、「ラン菌」のいないコンポストでは正しいが、
SUGOI-ne植では「誤り」である。
ランの根は・・・水が欲しくて根を伸ばす!!
この理論は、ラン菌のいないコンポストの場合で、普通の植物の場合である!!
ランの進化は、このように単純ではない。
なぜなら、自生地では新参者のの蘭が、根を伸ばせる空間など、
ほとんど他の植物の根に占領されていて、空き地など限られている。
そのわずかな狭い空間、他の植物が見捨てた不毛の地しかランには残されていない。
それが現実だからである。
着生ランでは・・・・風で落下することも考えなければならない。
付着するために最小限根を伸ばさなければならない。
それにもエネルギーを消費しなければならない。
SUGOI-ne栽培では、一定のバランスまでは根を発生伸長させるが、
やがて発生も伸長もしなくなる。
このとき今までは乾燥させ、もっと根を出させることを行ってきた。
このテクニックはSUGOI-neではダメである。
これまでSUGOI-neで調子良く出来なかった人の原因は、ほとんどこの問題である。
「ラン菌」の意味が働きが理解できないまま、これまでの水ゴケ栽培慣習を、
そのままSUGOI-neに行ったからである。
ランは巧妙だから、必要最小限の根しか出さない。
自生地におけるランの菌根の本数は非常に少ない。
このことがSUGOI-ne栽培で見ることになる。
自生地再現というのは、ランの根に最初に現れる。
どんな植物も枝葉の伸びている範囲と、地下の根の伸びている範囲は、
ほとんど同じである。これが高等植物の基本である。
どんな巨木も根の張っているエリアは、枝葉の範囲を大きく超えることはナイ。
ランの自生地におけるランの菌根というのは、非常に少ない!!
なぜか?
ラン菌から働いてもらうからである。
ラン菌の菌糸というのは、養分があれば、50mも100m先までも伸長する。
菌糸には制限がないのである。
高等植物と材木腐朽菌のような菌との違いは、根は伸長は制限されるが、
菌糸の伸長は制限されないというところである。
ある種の菌は1000m以上伸ばし、何ヘクタールを同じ菌糸で覆い尽くしたという例もあるという。
そういう世界にランは自生しているのである。
着生ランの空中の枝にも・・・・地上から何10mの高い枝まで菌糸は伸びている。
これをランは利用している。
だから熱帯雨林の何10mの高い枝にランの楽園を作れるのである!!
このことを良く理解すれば、SUGOI-neのラン菌の働きが理解出来よう。
もう一つ。
「アンダーグランド オーキット」の世界。
このランの種類には光合成する葉はない。
養分は全部ラン菌に「丸投げ」!!
ラン菌はセッセと養分をランに供給する。
「ヒモ」の生活である!!
この巧妙な「ずるさ」。
まさに・・・・人間の生き方を見るではないか!!
ランは・・・この菌糸の性質を利用した。
だから、何本かの菌根だけで生きてゆけるのである。
何mも先から養分、水分を・・・ラン菌はランに運び供給する。
SUGOI-ne1立方センチには合計すれば何100mの菌糸が張っている!!
自生地というのは微生物が「主役」の世界である。
その世界にランは「間借り」しているようなもの。新参者である。
着生ランは高層マンションで生活しているようなもの。
地上とつなぐものは階段とエレベータであるが・・・・それが菌糸。
生活するためのスーパーと勤め先とつながっている。
SUGOI-ne植で、根が化けて鉢外に出るという状態は、
潅水不足で、ラン菌が働けないから、ランは仕方なしに・・・・多くの根を発生させ、
伸ばし、養分、水分を求めている姿である。
この姿は、根の発生、伸長のために余計なエネルギーを消費した姿である。
程よい湿度の場合は、ランキンが働いて、ランに供給するので、
ランは根を伸ばす必要はない。
ランが根を発生、伸長させるには多大なエネルギーを必要とする。
ランの立場にすれば、極力エネルギーを使いたくない。
光合成で作るエネルギーを根にまわすよりは貯金したいところだ。
ラン菌に下請けさせれば・・・・よい。
何処かの会社と同じである。
以上の理由で、SUGOI-ne栽培で、鉢外、空中に根を伸ばした姿は、
決して望ましい姿ではない!!
潅水が足りないために、ランは苦し紛れに仕方なしに根を伸ばした姿である。
この状態の鉢に潅水を適確に行なえば、ラン菌が働くので、
それ以後は新たな根の発生は地上部とバランスが崩れるまで見られなくなる。
だから、高度な栽培テクニックは・・・・故意に乾燥させ、根を伸ばさせることが行われるが、
SUGOI-neは、そんなテクニックを使わないでも、ラン菌が働くので大丈夫である。
SUGOI-neにはオーバーポットはない!!
小さな鉢に植えて根を伸ばさせる必要はない。
バック吹かしも・・・・乾燥させる必要はない!!
ラン菌が生きているSUGOI-neは、これまでのラン栽培を根底から覆す。
自生地再現である。
SUGOI-ne栽培は、以上のようなラン菌とランの関係があるので、
中途半端な経験は、失敗の元になる。
もう一度、自然の法則を研究していただきたい。
これまでのコンポストは、単なる「詰め物」に過ぎない。
このことを認識していただきたい。
以上のことから、これまでは1号、2号を販売してきたが、
多くの皆様が、排水を考えて2号を使うが、
本当にランが喜ぶのは、2号よりも1号である。
宇井清太は全部1号で植えている。
2号よりは1号の方が・・・・ズート生育はよい。
2年栽培してみての結果である。
1号の方がラン菌の働きが良いからである。
本当はSUGOI-neに2号は必要ない!!
1号のみでよい。SUGOI-ne栽培に慣れると・・・・1号のみでよいのである。
植物栽培の根本は「根作り」である。
根が健全に発生、伸長しないようでは、植物栽培は成立たない。
ラン科植物は菌根というラン菌と共生する特殊な根を持つように進化してきた。
それには理由があるはずである。
だが、実際の栽培現場では、この悠久のランの進化、植物の進化を無視して、
ラン菌のいないコンポストで栽培されてきた。
SUGOI-neは世界で初めて「ラン菌」共生のコンポストである。
約2年、SUGOI-neで栽培してみると、新たなランの姿が見えてきたので記する。
ラン菌のいないコンポストでの根と比較すると、大きな違いがあるので、
実際の栽培現場では疑問に思うようなこともあるので参考にしていただきたい。
SUGOI-neの菌根とラン菌の関係
ランの根の発生と伸長について
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