SUGOI-ne栽培。C,パープラタ
 適度な潅水をすると、根は空中に
 伸びることはない。
 ラン菌に養分、水分の吸収を委託丸投げ。
 根の伸長に使うエネルギーを節約する。
 このズルイ性質がランである。

 新参者が生きるということは、
 こういうシタタカサを持たなければ、
 生きてこれなかった!!
 自生地はランにとっては、戦場である。
 

 森の支配者、喬木がこぼした光を
 拾い生きているエビネ。
   だから葉を広くした。

 
CAM型植物の葉に注目
 雨水、霧の水をためる機能を備えている


  「リービッヒの最少律」

 ランの生育を停止、あるいは休眠に追い込む条件は、
 これまで説明してきたように多種類の条件があるが、その中に一つでも悪い条件があると、
 他の条件は良くても、その一つの悪い条件に支配されるというもの。
 
  ある現象において、その現象をもたらす不可欠な要因が複数存在する場合、
  必ずリービッヒの法則が成立つ。
  ラン栽培も例外ではない。
  それが、極端に現れた時「生育停止」「生育抑制」「生育阻害」となる。
  その条件を説明してきた。

 ランの生育関係するいくつかの条件を、全て最適にすればランは素晴らしい生育する。
 このことから、現在のラン栽培を見てみると、
 最も最少の悪い条件が「ラン菌」削除のコンポスト栽培による「炭素連鎖」削除である。
 自生地と最も異なる条件がラン菌共生を削除した栽培である。
 その他の条件が、これほど多くの人が研究してきても、尚ラン栽培は難しい。
 ラン菌削除の条件に支配されて、他の努力は水泡に帰している。


 リービッヒ
   Justus von Liebig (1803年〜1873年) ドイツの化学者。
   1840年、植物が三大無機栄養素、窒素、燐酸、カリで生育することを突き止め、
   この理論を元に人工肥料を造りだした。
   彼は「植物の生育には様々な微量元素が必要だが、これらの栄養素の中の
   最も少ない栄養素が生育を支配する」ことを発見しました。

  これがリービッヒの最少律 Liebig’s Law of the Minimum です。

  
 
  植物の10大要素
    炭素、酸素、水素、窒素、イオウ、リン、カリウム、マグねシューム、
    カルシューム、鉄。



   ここまで記してきたが、現在のランの本に書かれている「肥料」の問題は、
   150年前に天才農芸化学者リービッヒが発見した植物の10大要素を元にかかれている。
   その後、ナドソンは、菌根菌を研究して10大要素の中の炭素の地球上における循環、
   炭素連鎖がラン菌と深い関わりのあることを突き止め、
   培養基の中に炭素化合物の「糖」を添加した。
   要素としての「炭素」では、ランは発芽できなかったのである。
   炭素化合物。
   炭素化合物の砂糖は肥料ではない。

   現在のラン用の肥料と言っても、他の一般植物の肥料と全然異なることはない。
   厳密にいえば「ラン用」ではない!!
   ランも植物の一種だから・・・・という原点がある。
   それを「ラン用」とするところに大きな誤りがある。
   「炭素連鎖」が組み込まれていない!!

   アレコレ細かい枝葉末節のような成分が添加された肥料。
   本当にランに効くのか?
   その源流に、養液栽培で使われている肥料をランに与えても、
   ランが素晴らしい生育を野菜のようにしないという問題がある。
   だから、アミノ酸とか・・・・考えられた。
   しかし、ランの根本はラン菌である。
   ラン菌削除の鉢に、与えても本当に効くのか?
   そういうことを、宇井清太は疑問に思ってきた。
   鉢でランの種子が発芽できないコンポスト。
   鉢でランの種子が発芽できない肥料。
     そう言うものがコンポストと言えるか?
     そういうものをランの肥料といえるのか?
  
  ラン菌の研究は・・・この100年全然進まなかった。
    あまりにリービッヒの植物の10大要素が、植物の肥料の全てに当てはまっていたからである。
    事実、イネも、野菜も、果物も、牧草も・・・・肥料で栽培できた。
    養液栽培も可能だからである。
    ラン菌など必要ない!!
    それで・・・・今日まで・・・・どうにか栽培してきた。
    しかし、世界の蘭園の盛衰を見れば、重大な事実がある。
    世界の蘭界に君臨した米国のDos Pueblos社。
    昭和48年、経営破たん。
    世界最先端の育種学、植物栽培学、農芸化学をランに取り入れ、
    最高のCymbidiumを欲しいままにしたDos社が、わずか20年で姿を消した。
    その原因はなにか。
    3倍体のCymbidiumの切花栽培である。
    メリクロンから数年は・・・肥料で作れた。
    しかし、株分けしなければならない時は必ず来る。
    このときである。
    株の衰弱を止める事は出来なかった。
    ラン菌削除のコンポストでは、葉のみの光合成によるエネルギーでは、
    巨大な3倍体の身体を維持できなかった。
    自生地なら・・・・
    もう一つのエネルギー供給源の・・・ラン菌が供給する「糖」のエネルギーがある。
    それが・・・・ない。
    株勢を持続できない。
    花は咲かない。
    収入はない。
    経営破たんである。

   このことを、日本ラン作りはほとんど知らない。
   日本で、カトレア、コチョウラン・・・・シンビで切花栽培失敗した理由である。
   趣味のヒトでも、大鉢つくりを継続出きる人いない。
   理由は同じである。
   ラン菌削除の水ゴケ、バーク、軽石では、どうがんばっても、ランの進化を無にすることは出来ない。
   宇井清太がいう「壁」というのは、このことである。
   あの世界の蘭界に君臨したDos社が、アッという間に消えたのは、目に見えないラン菌の問題だったのである。
   リービッヒの植物要素からの肥料では、ラン経営はできなかったのである。
   趣味のヒトが・・・・ランが難しいというのは至極当然過ぎることである。

  DOS社がコンポストの問題で夢が破れたのが昭和48年。
  第一次石油ショックの年である。
  日本洋蘭界がメリクロン普及でようやく産業としての歩を始めたときである。
  若し、このDOS社の破綻の原因を知っていれば・・・・・
  ウチョウランの、エビネの、野性らんの・・・・これほどの乱獲と、絶種が起こらなかったかもしれない。
  「ラン菌」のいない軽石、鹿沼・・・で植える暴挙はなかったかもしれない。
  洋蘭界も同じ。
  「原種」ブームは・・・である。
  ラン菌のいないコンポスト植えている限り、いづれランは衰弱する!!
  永年の保存がほとんど不可能に近い。
  ラン菌の研究がない中での原種ブームは、即、おびただしい株の死を意味している。
  だが、原種の本は、この現実を掲載することはなかった。
  世界のクワガタ、カブトムシを集め、飼うのと同じレベルのラン本の編集である。
  「○○原種保存会」。
  ラン菌削除のコンポストで栽培する限り、この高邁な理念は砂上の楼閣である。
  「○○原種絶種会」となってしまう!!
  30年前、DOS社が破綻した前例を再現するだけである。
  DOS社は昭和20年代の後半、世界中からCymbidiumの交配親を集めて交配し、
  おびただしい名品を作出したが、世界の頂点を極めるのも早かったが、
  わずか20年で歴史を閉じた。
  このきびしい現実がラン栽培である。
  
  今、平成19年。
  平成になってから20年。
  日本全国に特定のランの倶楽部が出来て約20年である。
  特定のクラブの最初の道を拓いたの宇井清太の「全日本Cymbidiumブリーダースクラブ」である。
  このクラブの理念はラン作りは「サラブレッド」の育種である!!
  「原種」は、育種の「素材」。
  育種をしない人が、原種そのものを愛好するということは、カブトムシの珍種を、
  飼うというのと全く同じレベルになる。
  ランの場合はラン菌削除のコンポストしかなかったから、保存などほとんど出来ない。
  これが現在の日本のランの現状である。
  原種を保存するのであれば、ラン菌を勉強しなければならない。
  自生地に行っても・・・プロトコームを観察したヒトなどいない。
  オーキットハンター、オーキッド フライ・・・でしかない。
  こういうラン栽培は19世紀で終っている!!
  新種の発見は・・・植物分類学のもの。
  ラン菌のいないコンポストでの新種の栽培は、無謀であるし、身勝手な愛好に過ぎない。
  この現実を考えれば、SUGOI-neを今も否定する考えの人がいるというのは、
  ランの将来、己のラン人生の行く末を想定出来ない哀れな人としかいいようがない。
  そういう人は、これまで通りのコンポストで栽培していれば良いこと。
  DOS社の破綻の原因、事実をしらないから、SUGOI-neを否定しているが、
  やがて・・・同じ運命が訪れることになる。
  DOS社が破綻した後、宇井清太が師と仰いだアメリカの、オーストラリア、イギリスの
  有名、巨大蘭園は次々に閉鎖に追い込まれ、現在存続しているところは極めて希である。
  それから30年、ラン界に見るべき進歩はなかった。
  バブルと、破綻の流れの中で・・・・。
  ラン展は何処にゆく・・・。

 DOS社が破綻した時、秘蔵の交配親は宇井清太が引き取った!!
 この交配親を使って8000品種を作った!!
 だから・・・・宇井清太独特のCymbidiumが花開いた。
 そういうことである。
 夢を継ぐというのは・・・・こういうこと。
 育種は己一代では到達しない。
 だから、原種を継続するには・・・・シブリングかプライマリーになるが・・・・。
 蘭界の中には、己の技量も知らずに「山堀株」を崇拝している者もいる。
 山堀株崇拝なら、自生地のラン菌を同時に崇拝しなければならない。
 そういうことである。
 それが本当の崇拝である。
 ほれた女はイイが・・・・
 その女の腸に生息しているビフィズス菌は削除では・・・・なんともならない!!
 愛というのは、そんなものではないだろう。

 宇井清太は昭和40年代下記のラン会に所属した
  AOS、 CSA,  RHS、 NSW。
  その当時のメンバーを見ると、日本人のメンバーは極めて少ない。
  その会報に掲載されている「広告」を見れば、ラン業界の浮沈、栄枯盛衰、
  ブームの行く先が・・・・見える。
  さて、日本の蘭会はこの先・・・・どうなる?
  SUGOI-neは見届けるだろう。
 
  なぜこんなことを書いたかというと、
  ランの発展にも「リーブッヒの最少律」の法則が当てはまるからである。
  宇井清太がSUGOI-neを開発しても、それが充分な効果が得られない場合は、
  そこには別な最少にする要因あるということ。
    


以上のことから・・・
  ランが生育が悪いということは、これまで記したような条件の中に、
  どこか非常に悪い条件があるということになります。
  紫外線かもしれない。
  直光かもしれない。
  葉の高温かもしれない。
  水が足りないかもしれない。
  ・・・・・・・
  ・・・・・・・
  一つ一つ検討しなければならない。
  そして、最後に残るのは「コンポスト」の問題になる。
  ラン菌のいないコンポストでは解決しない。
  それが、現在のラン栽培の「壁」である。


  SUGOI−neがなぜスゴイのか?
  SUGOI−neが・・・なぜ「革命的」なのか?
    これまで誰もコンポストに自生地のラン菌共生を再現できなかった。
    このことを、世界で初めて出来たからである


 SUGOI−neの開発で、ラン栽培上の最大の壁が取り除かれた!!
 ラン栽培は、今後飛躍的に素晴らしい生育を実感するだろう。

   朝、ランを見てスゴイネ。
     夕方、ランを見てスゴイネ。

 ランが枯れることはなくなる。
 現在日本にある原種の株で充分である。
 それを増殖させて・・・充分・・・需要を賄い切れる!!
 ランの世界が一新することになる。

 何時までも・・・・よその国から・・・・拉致する時代ではない。
 このSUGOI−neの理念には、一部の抵抗勢力もあろう。
 だが、SUGOI−neは目先のアレコレで開発したものではない。
 ラン界の「あるべき姿」。
 それを実現するために開発した。










                                              NEXT   BACK
 
 CAM型ランの色々な新芽の状態を写真で示した。
  これを見ても解かるように、スコールが葉の芯及び葉柄のところに留水する。
  なぜ、このように進化したのか。
  ランの中には、このような形に進化しなかったものも多い。
  このような形はCAM型ランに多く見られる。
  夕方のスコールを貯水するためのものではないか?
  当然この水には「尿素」が入っている。
  夜に行なう光合成。
  気孔を開く・・・・。
  夜なら気化熱で葉を冷やすことより、葉の周囲の適当な湿気の下で炭酸ガスを取り入れた方が、
  ランにとっては良いのではないか。
  乾いた炭酸ガス。
  ランはそれを望んではいないのかも。
  CAM型のランの自生地の雨は、ほとんど「夕立」である。
  夜、気孔が開いた時、空気が乾燥していたのではCAM型への進化の意味はない。
  こういうランの自生地は昼夜の温度較差が大きいから、夜霧、夜露が朝まで発生する。
  ところが、日本の平地の熱帯夜は、温度較差が5,6℃。
  自生地のように夜霧は発生しない。
  夜露も見られない。
  こういう場所で、夕方潅水しない場合は、夜、気孔を開いた時、どうなる?
  夜にも根は乾燥するから、根には午前中にペクチンが出た状態になる。
  この状態では、午前中の働き時に水がないので光合成は中止になる。

  CAM型植物に進化した理由を考える。
  なぜCAM型の植物が生まれたか。
  日中気孔を開いて炭酸ガスを吸収するとき、同時に気孔から大切な水分が蒸発してしまうからである。
  そうであるなら、夜間にCAM型ランは気孔を開くから、夜間に空気が乾燥していてはならない。
  ランの自生地の多くは、昼夜の温度較差が大きいから、
  夜間には空気が多湿になっている。
  ランは安心して気孔を開くことができるということ。
  日本でラン栽培するとき、この夜間の空気の湿度を出来る限り高くすること。
  夕方、潅水するとき、理想なら、500坪の邸宅に住んでいるなら500坪全体に潅水すること。
  当然宅地内の木にも。
  自生地のスコールは山全体に降る!!
  夜霧は山全体である!!
  ランの鉢にのみ降る雨などない!!
  葉を濡らさない雨などない!!
  写真の葉の形状を見れば、葉の芯に、葉柄の所に水を貯めるように出来ている。
  パフィオなどは・・・その典型である。
  ここに水が溜まると・・・・病気が出る?
  そんなことで病気が出るなら、自生地でパフィオは生きて行けない。
  別なところに根本的な問題がある。欠陥栽培がある。
  
  
 菌根植物の根の養分吸収
  ランは菌根植物である。
  菌根植物の特徴として
   1 根毛がない。
       ラン、赤松、ブルーベリーなどには、一般の植物が養分吸収する根毛がない。
   2 太い
   3 根の数が少ない。
      ラン菌に養分、水分の吸収を委託、丸投げする。

  ラン菌にいないコンポストでランを植えた場合、当然「菌根」にはならない。
  菌根にならないからといって、一般の植物のように「根毛」が発生しない。
  欠陥根になる。
  このようなランの養分吸収はもっぱら根の柔組織から中心柱への浸透圧によってのみ行なわれる。
  ラン菌による養分、水分は完全に削除される。
  ここに現在のラン栽培の、肥料の最大の問題があるのではないか。
  植物の肥料を考える場合、一般の植物では、土壌から養分、水分を吸収している。
  この場合、土壌とはなに?
  水耕栽培できることから、植物にとって土壌は重要なのではない。
  この典型がラン栽培におけるコンポストである。
  水ゴケ、バーク、軽石・・・・使用されるコンポストから、ランが養分を吸う事など、
  栽培者は最初から想定しない。
  「詰め物」として利用しているに過ぎない。
  そこにはランが菌根菌植物であること。
  コンポストにラン菌が生息し、ラン菌の食べ物があるコンポストなど想定外である。
  人為的に「肥料」を与えれば・・・ランは作れるという考えである。
  ランの進化を・・・ほとんど削除した考え方である。
  このことが、現在のラン栽培の最大の「壁」なのではないか?
  SUGOI-neは、このことに問題提起している。
  ランの進化はそんなに単純なことだったのか?
   
  

 上の写真は強光を当てたCymbidiumの葉。
 直光、紫外線を当てると発生する。
 これは病気ではない。
 紫外線カット、散光にすると全然発生しない。


 
 強い光による 葉の温度上昇で
 葉の周囲が乾燥し葉をよじって
 苦しむ。
 この状態になるとハダニが大発生する。
 3 木の葉による木漏れ日。
  多くのランは林床で喬木の葉陰、木漏れ日で生きている。
  木が密集している場所では、昼も暗く、日照不足で種類は少なくなる。

  ランの種類によって最適な照度は大きく異なるが、
   日本の夏の晴天は60000ルックスにもなる。
   ほとんどの植物の光合成にとって30000ルックス以上は阻害要因になる。
   このことから、光に耐えるランで40%遮光が一般的であるが、
   ほとんどのランで、この照度は強すぎる。
   ダイオネット、市松模様のものでは、40%遮光というのは、
   隙間から60%の紫外線、赤外線が葉に直光となって当たる。
   これは、自生地の「木漏れ日」を再現したものであるが、
   自生地とは大きく異なっている。


  ランの自生地には「山霧」「夕霧」「夜霧」「朝霧」がある。
  この「霧」が午前中の何時まであるのか。
  この時間が非常に重要である。
  日本の平地では、この山霧、朝霧がほとんどない場所が多い。
  霧のないところで、市松模様のダイオネットでは、朝から紫外線、赤外線が、
  
隙間から葉に直射することになる。
 自生地における葉温の上昇速度と、日本における葉温の上昇速度に
 大きな違いが出てくる。
 CAM型のランにおいては、気孔が閉じているから、この温度上昇速度は速い。
 呼吸作用が激しくなるからエネルギーの消耗は大きくなる。
 
 強光が及ぼす影響と対策
  1 低温日焼け
      潅水の水滴がレンズになり直光が一点に焦点を結ぶと日焼けする。
      特に朝潅水した場合、コチョウランなどでは生長点に水が溜まり日焼けが起こる。
      ランの朝は午前7時まで。
      散光にすると、こういう日焼けはほとんど起こらない。      
      不織布の効果は抜群。霧の光ではこのようなことは絶対起こらない。
  
      温室から外に出して朝潅水した場合も、濡れた葉の角度に太陽の入射角度が直角に
      なると、激しく日焼けする。
      ランの葉が外の条件に順化するのに約3日程度必要。
      朝の横からの光でも起きる。
      不織布を張る場合、霧はエリア全体に立ち込めるから・・・・周囲、上にも張り巡らす。
      これで通気が悪くなることはない。
      この期間は潅水を止めるか、夕方行なう。
        植物は移動できない。
        これを外に出すという行為は、ランから見れば環境の激変である。
        温室の光、家の中の光と、外の光は大きく異なる。
        特に紫外線は極端に異なる。
        良かれと思って行なったことが、逆にランを泣かせることになる。


  2 日射による葉焼け
      気温は太陽からの赤外線の光で地面の温度が高くなり、
      その輻射で次第に高くなる。
      温室では、この顕熱による温度上昇より早い時刻から高くなる。
      気温、室内の温度とランの葉の温度は一致しない。
      このことが、これまでの栽培法の盲点である。
      温室の中に寒暖計をぶら下げても、ほとんど役に立たない。
      それどころか、この温度に頼っていると、とんでもない間違いが起こる。
      ラン栽培で重要なのは「葉温」である!!
      
      CAM型ランでは特に葉の温度上昇が激しい。
      熱による細胞の壊死は、100℃であれば短時間で起こる。
      60℃では何分か?
      50℃では何分か?
      カトレアに見られる「日焼け」。
      一般に遮光はこの日焼け防止のために行なうと・・・なっている。

      この日焼けは「散光」では起こらない。

  3 熱中症による葉の衰弱
     前記の1,2による葉の光、熱による損傷は物理的なもので、
     遮光などの光対策すれば直接的に防止できる。

     一番問題になるのが「熱中症」による、徐々に株が弱る衰弱である。
     パチンコの女性が車の中で「子供死亡」。
     これと同じ状態になる。
     特にCAM型ラン。
     強い紫外線にも耐えるクチクラ層を準備しているが、
     突然、とんでもないところで栽培されることになる。
     自生地では、熱がこもる・・・ということはない。
     気孔が閉じているも、大氣の対流があり、気韻生動がある!!
     当然この対流の顕熱の上昇速度は・・・緩慢である。
     「朝霧」がある。
     この朝霧の発生する場所では、当然日光を遮り、散光にするから、
     葉の温度上昇は、この気温の上昇速度より遅いのが自生地である。
     なぜなら「クチクラ蒸散」が行なわれている。

     強い光の害は、この葉の温度の急激な上昇の方が大きい。
     「クチクラ蒸散」では間に合わない。防ぎようがない状態になる。
     このとき扇風機を回して乾燥した風ガンガン葉に当てればどうなるか。
     このとき、若し根に充分な水がなければどうなるか。
     クチクラ蒸散が激しく行なわれるから、光合成は極端に阻害される。
     ランが望んでいるのは自然に起こる対流である。

     葉の温度が高くなると、葉の細胞の呼吸作用が多くなる。
     光合成は合成作用だから、一定の温度までは、温度が高くなるにしたがって、
     光合成は多くなる。
     ランの最高温度の適温である。
     これ以上温度が高くなっても、光合成は増大しない。
     葉の温度28度あたりが分岐点である。
     呼吸作用は分解だから、温度が高くなるににしたがって大きくなる。
     20℃、30℃、40℃、50℃・・・・上昇は止まらない。
     35℃あたりで光合成で作る澱粉は、同時に行なわれている呼吸作用でほとんど消費される。
     貯蓄率0になる。

     一般の植物は、このために気孔を日中開いて、気化熱の作用で葉を冷却している。
     大氣の顕熱では、葉の温度を30℃以下に保つことが出来ないからである。
     このとき風があれば、気化は増大するから・・・より気化熱作用で葉の温度は下がる。
        前記の扇風機ガンガン回すのはこの理論である。
        植物が望んでいるのは1/f 揺らぎである。
        常に一定方向からの風ではない。

    葉の温度が高温になると・・・・
    葉の周囲1から2cmの空間の湿度が葉の輻射熱により急激に下がる。
    「ランは気を好む」。
    まさに至言である!!
    この「気」とは・・・・通気の気である。
    対流のこと。
    気韻生動の「気」である。
    若し、温室が密閉状態で葉の温度が上がれば・・・・・葉の表面、裏面が輻射熱で乾く。
    室内の湿度計が示す湿度と、葉の周囲の湿度に大きな乖離が生じる!!
    こういう状態になるとランは、苦しんで葉をよじる。
    葉の周囲の空気が極端に乾燥状態になる。
    ランの葉はよほどの乾燥でなければ萎びないが、葉をよじる!!
    シャクナゲも・・・・

   ラン栽培では
     その地方の気象
     室内の気象
     葉の周辺の「微気象」
  この三つの気象を考えなければならない。
  本来室内の気象、つまりグリーンハウスというのは、
  自生地と異なる場所で植物を栽培するために隔絶した空間を作り、
  ヒトが自生地に近い環境条件を再現するためのものであるが、
  葉の周辺の「微気象」まで心配りしないと、このグリーンハウスというのは、
  逆に植物に悪い環境を作ってしまう。
  この危険性の最も高いのがランである。
  この原因が「葉の温度」が高温になることである。
  この葉の温度が、ランの本に書かれていない。
  自生地における一年にわたる葉の温度の調査は、全然行なわれたことはナイ。
  自生地の気温のデーターでは・・・・ほとんど意味をなさない。
  

  強光、特に強い紫外線は「ハダニ」の大発生を誘引する。
  この紫外線とハダニの関係は、このホームページを参照。

  強光が生育不良、停止の原因になるものに、葉のたんぱく質の「凝固」がある。
  葉にシミ「黒点」が出る。
  光合成に関係する「酵素」もたんぱく質。
  葉の高温では、この呼吸作用に働く酵素の働きが消耗が大きくなる。
  クチクラ層は貧弱になる。
  ナンプ病などにかかりやすくなる。
  根は伸長を停止。
  吸水機能は低下する。
  吸肥機能も低下する。
  夏負け。

    風邪は万病の元・・・・という。
    ラン栽培では「強光は・・・・」である。
  強光がもたらすものは・・・・・非常に広範囲なことに大きく影響する。
  ランという植物の特異性である。

 ただ、この強光は花芽分化に深く関係する。
   この理由は、強光の中には紫外線が含んでおり、この紫外線は株を老化させる。
   老化というのは死への一里塚である。
   植物は・・・・死ぬ前に「子孫」を残すことを考える。
   だから花芽を出す。
   このことをラン栽培では、光に当てると花が咲く・・・・と表現する。
   あげくに、Cymbidiumは光を・・・好む。
   そういう書き方になる。
   「死に花」。
   とんでもない栽培法が・・・・書かれている本が多く出回っている。
   そんな光のところで、プロトコームが生きられるわけはない!!

     光には可視光線、紫外線、赤外線、電磁波などが含まれているが、
     植物育成ランプは可視光線の中から光合成に大きく関係する光のみを出す。
     
     殺菌灯
      紫外線の三つの種類の中で最も強力なもの。
      この紫外線は地球には届かないから、地上にはこの紫外線はない。
      人工的に作った紫外線。
      この紫外線を10分も浴びれば、人間の目は「潰れる」。
      宇井清太も昭和42年にメリクロン研究している時、
      無知で・・・サングラスをかけないで採芽して、目を潰すところだった。
      無知というのはコワイ・・・・つくづくコワイと身体で知った。
      それと有機水銀による殺菌。
      フラスコにも手にも塗った。
      危うく・・・・水俣病だった。
      
   紫外線をカットした光と、カットしない光。
   この光の違いがラン栽培にはこれまで記されたことはない!!
   この最も重要なことが、蘭界で問題にされたことはない。
   
   19世紀。
   イギリスの温室。
   産業革命以後の石炭を燃やしたために、ロンドンの空はスモック。
   そんなところでも温室のガラスに石灰乳を塗った。
   自生地の「霧」を再現するためである。
   1853年から1910代まで、ランの実生は親鉢に播種。
   それで育種した。
   それで発芽したのは・・・・紫外線カットの「石灰乳」を塗ったからである。
   その光でなければ発芽させることは出来なかったということ。
   樺太と同じ北国の弱い光のイギリス。
   これは「遮光」ではない。
   葉焼けするから・・・・日除けするのでもない。
   紫外線カットと散光の問題である。
   光の量の問題ではなく、光の「質」の問題。

   この光のことを間違えれば、当然生育停止、生育が抑制される。阻害される。
   これがもっとも端的に現れるのはフラスコ出しの苗。
   「順化」の過程の「光」である。
   光を間違えれば全滅。

   それより以前に、交配しても、夏の期間に「流産」。
   これでは育種は出来ない。
   
    
     
     
  6 弱光による生育停止、生育阻害

      ランの自生地は地上は樹木が森林の支配者。
      地下は微生物が主役、支配者の世界。
      ランは新参者。
      ランは常に支配者からの侵略と競争に晒されている。
      特に「光」の争奪戦では・・・・常に負け組み。
      無数の種を撒き散らして新天地を探さなければ種族を保存できない。
      美しい花も、所詮・・・そのための微笑みである。


    ランの進化は多様である。
    光に対する進化は、自生地における光条件への適応である。
    しかし、自生地における光を巡る戦いは、樹木が多くの場合支配しているから、
    樹木が年々大きくなり、ランが得ることの出来る光が少なくなれば、
    そこの場所ではランは生きることは出来ない。
    エネルギー源の一つである光合成が出来ないからである。
    ランのもう一つのエネルギー源であるラン菌による炭素連鎖の「糖」では、
    ほとんどのランは生き残ることは出来ない。
    「腐生ラン」。
    このランは、最初から光の戦いでは勝ち目がないから・・・・
    それなら、ラン菌が供給する「糖」のみで生き残ることを考えたランである。
    より大きく・・・より多くという向上心を捨ててまで生き残ることを選んだランである。

   多かれ、少なかれ、ランには、ギリギリで生き残るというDNAがある。
   ヒトから見れば・・・それが・・・「けなげ」に見える。
   高山植物にも感じる・・・人間の生きる術とオーバーラップする・・・・感慨である。

   光合成によるエネルギーの合成が、どの程度必要かは、
   ランの種類によって大きく異なる。
   同じ属に大きくなるものから、小型化したものまで、その形態は多様である。
   好き好んで身体を小さくしたのではない。
   それには理由があるはず。

   大きな身体では、多くのエネルギーが必要。
    
     最大の実入り=光合成で作るエネルギー − 呼吸作用で消費するエネルギー
  ラン栽培で最高い成績を収めるには、以上の計算式になる。
  植物は最大の光合成の工場建設を行なうのが栄養生長期。
  なるべく葉緑素を多くしなければならない。
  葉の枚数を多くする。
  葉を広く大きくする。
  葉肉を厚くする。
  そのためには窒素が必要。

  そのためには丈夫な鉄筋を入れる必要がある。
  そのためには、カリも、燐酸も必要。

   この工場建設には、前年、前々年、3年前からの備蓄したエネルギーが必要。
   前年、備蓄がない株では、大きい工場建設は出来ない。
   それと、毎日の日銭稼ぎのものを加えて、工場建設の労賃に当てる。
   こうやって、ランは葉を作ってゆく。

   工場は出来た。
   Cymbidiumでは、全力で稼動するのが翌年からである。
   一年目の葉は試運転みたいなもの。
   最高の「製糖」効率を上げるには
     適当な「光」。
     適当な「炭酸ガス」。
     適当な「水」。
   これがあれば良いのだが、これが一番難しい。
   ランにとって「適当な炭酸ガス濃度」。
   現在の大氣の濃度では足りない。
   そこで、野菜でも「炭酸ガス施肥」なるものが考えられた。
   太古の昔、地球の大気の炭酸ガス濃度は今より高かったという意味。
   濃度が高くなると「地球温暖化」の問題であるが・・・。
   昔、セコイヤの木などは・・・・巨木。
   ヘゴなどのシダ類も・・・今のヘゴなどとは比較にならない大きさ。
   現在はどんな植物にも濃度は平等だから仕方ない。
   
   水は、ラン管理者の能力。
   これが一番問題。
   一年目は多すぎ。二年目は少なすぎ。3年目はようやく・・・・。
   しかし、SUGOI-neで植えた途端に「カツオブシ」。
   これでは、3年何を勉強してきたのかわからない。
   
前例では・・・SUGOI-neは作れない。ラン菌が生きている!!

   炭酸ガス、水、温度があっても、工場は動かない。
   「光」が適当でなければ動かない。
   光は、工場を動かす「電気」みたいなもの。
   
   弱い光条件というのは、時々「停電」するようなもの。
   強過ぎる光も困るが、弱すぎるのも、ランにとっては致命的である。


  日照時間が少なかった!!
   農業では不作の時、よく聞く言葉である。
   この日照時間をラン栽培に取り入れると、とんでもない間違いになる。
   紫外線、直光の問題になる。
   ランの本には、日照時間の長い県は・・・・長野県という。
   一般の植物なら、日照時間が長ければ、前記の停電がないから・・・・
   「糖製造量」は多くなる理屈だが、ランは・・・そう単純ではない。
   葉が高温になる日照では、逆にマイナスである。

  徒長気味。
   
 常識として、曇りの日が多く、日照不足になると「徒長」する。    
    この常識がランに強い光を当てると良い・・・・という栽培法が出来上がる。
    光に当てれば、株は丈夫になる。
    日陰の、深窓麗人は病弱。
    この常識を払拭するのに大変である。
    数年は強い光で失敗。
    その後はそれでコリゴリで遮光しすぎて失敗。クチクラ層の脆弱な葉。
    花は咲いてくれない!!
    この年月の間に、多種多様なランを買い込む。
    名品、珍品も・・・・
    ナンプ病・・・・
    消毒、薬の勉強。
    アチラコチラの蘭園見学。
    でも・・・・・
    植物の葉の温度のことなど、ほとんどの植物の本には書いていない。
    ランは葉陰植物である。
    前記したように、林の木々が更に大きくなって、林床に光が届かない状態になると、
    徒長した程度では光を拾えないから絶滅する。
    最適な光。
    これが、相当間違って本に書かれている。

   ランと最適な光のこと、量と質を原点から考える必要がある。
    遮光の問題は、非常に悩ましい。
    
   自生地では、光が弱くなった場所では、ラン菌が、セッセと「糖」を供給する。
   それで、何年かは凌げる。
   水ゴケ、バーク、軽石・・・などのラン菌のいないコンポストでは、
   弱い光では、極端に徒長気味になりる。
   SUGOI−neにはラン菌がいるから、自生地のように耐えることが出来る。
   限度というものがあるが・・・・
   SUGOI−ne栽培では、どんな悪条件でも、少しの緩衝がある。
   ラン栽培は、常にベストで管理など出来はしない。
   管理者が病気する時もある。
   家を留守にしなければならない時も出てくる。
   何十年栽培している中に必ずそういう事態に遭遇する!!
   問題は、その時である!!
   強い光を当てて花を咲かせようする人は、ここで大きく株をいためる!!
   弱い光でやれば病気。

  だから、紫外線カット、散光。
  
  メリクロン、無菌播種の時は「暗黒」でもランは生きて生長、増殖できる。
  これは、前記の炭素連鎖の培養基に「砂糖」を入れているから。
  このステージでは、ランはラン菌が供給する「糖」のみで発芽、生長できるDNAを持っている。
  この段階を過ぎると、葉も必要なランと、腐生ランに分かれてゆく・・・。
  ここにランの光条件の難しさがある。
  ただ単に日照時間が長い場所が「適地」とは言えなくなる。
  間違った理解をすると、永い分「葉温」が高い状態が続くことにもなる。

  植物が光合成を始める照度は5ルックスあたりから始まる。
  黎明の光である。
  それから日の出と共に照度が上昇し、日本の夏の晴天では60000ルックス以上になる。
  植物の光合成には30000ルックス以上は必要ないと言われる。
  東京のビルの地下で、発光ダイオード照明で「イネ」を栽培。
  その光で収穫。
  トマトなどの植物工場も発光ダイオード照明。
  最適な光条件は、他の一部の植物では究明されつつある。
  ラン栽培も・・・・発光ダイオード照明の時代が来るのか?
  メリクロン、無菌播種も一つの植物工場とすれば、ランが・・・・最も進んでいる?
  

 7 肥料、微量要素、養分不足による生育停止、生育阻害。

    この問題が、SUGOI−ne開発につながった。
    ランにとって肥料とは何か。
            微量要素とは何か。
            養分とはないか。
     前記の光合成に直接的に関係するもの。
     直接ではないが、葉、根、茎、花芽分化などの組織、生理作用に関係するもの。

     これまでのラン栽培では、
      ランが菌根植物であるという特殊性を削除した中で、
      一般の植物、作物の理論で考えられてきた。
      菌根植物は、作物の中では極めて少数の、ほとんど見られないことから、
      ランの実際の栽培現場では、ラン菌と炭素連鎖はほとんど削除、無視されてきた。
      現在、市販されているラン用の肥料、活性剤・・・などに、この最も重要な
      「炭素連鎖」が削除されている。
      ほとんど「窒素連鎖」の中のアミノ酸関係、他の植物からそのまま移行した
      微量要素、カリ、燐酸、ミネラル・・・・である。
     

    本当にラン菌削除のコンポストで、現在の肥料の与え方で、
    これからもラン栽培は安泰なのか?
    それで完成された栽培法なのか?
       なぜランが元気がなくなる?
       なぜ病気がかかる ?
       なぜ消毒で止められない?
       なぜ株分けした時 激しく株が衰弱する?
       なぜ・・・・?
         本当に一部のパフィオは石灰岩をすきなのか?

      
    SUGOI−ne栽培では、尿素と生油粕で素晴らしい生育をする。
     これは・・・・どうしてなのか?

    SUGOI−neが自生地再現・・・炭素連鎖を再現しているからではないのか?
    ラン菌の力ではないのか?


   世界の植物、園芸、作物栽培、農業で最も送れている分野が、
   この菌根菌の問題である。
   多肥栽培、多農薬栽培の農業が世界的に横行し、
   それが世界の人口増加と、飢餓を防いできた。
   その多肥栽培の流れが、思考がラン栽培にも取り入れられてきた。
   その最も激しいのがCymbidiumの鉢物栽培である。
   一年でも早く出荷。
   ブロイラー、アヒル・・・・。
   Cymbidiumの軽石栽培では、3倍体品種では5号鉢に一握りの油粕。
   コチョウランではロングを山盛り。
   
   農業における肥料の概念は、
   土壌から野菜も、果物も、穀物も収奪するから・・・・
   その主な成分は窒素化合物だから、窒素肥料を補充する意味である。
   収奪と補充。
   ランではどうか?
   収奪は作物ほど行なわない。
   イネとか、果物とか、穀物栽培あんる、面積あたりの標準施肥量というのは大体ある。
   ランでは、今もって、栽培者の感である。
   敏感なヒト、鈍感なヒト。
   日光が強くて葉が黄色になったのと、肥料が少なくて黄色になったのと見分けがつかない。
   そういう人もいる。
 
   肥料を栄養生長期にやりすぎて、冬の乾期に、塩類蓄積で大失敗ということも出てくる。
   雨期と乾期。
   乾期に・・・・「塩」が噴出す・・・・。
   無機質肥料というけれども。一口に言えば「化学薬品」である。
   ほとんどプラスイオンとマイナスイオンの「塩」。
   本当にランは「塩」を舐めたいのか


  自生地では、誰も肥料など与えない!!
  それでも生きられるように進化したラン。
  ラン菌が行っている窒素連鎖と炭素連鎖。
  これを削除したラン栽培というのは、本とのラン栽培と言えるのか。
  ヒトの腸にもビフィズス菌も大腸菌もいる。
  水ゴケにどんな微生物がいる?
  バークにどんな・・・。
  軽石に・・・・?


   窒素
     アミノ酸を作り、たんぱく質を合成するのに必要とされる。
     たんぱく質は細胞の原形質の主要成分。
     この理由で、植物が細胞増殖して生長する時、
     絶対必要な成分となる。
     窒素が不足すると、葉が広くならない。
     N過剰では葉は濃い緑色になる。
      日本の消費者は、葉は緑が濃いと元気が良いと思っている。
      それで、生産者はマグアンプ、ロングなど過剰に施して黒々と見える
      葉にして出荷している。「糖尿病」である。
      このように作ると、株分けしたときびしい衰弱に見舞われ、回復しない場合が出て来る。
      ランは山の「草」である。
      過剰な与え方をしてはならない。
      人間の向上心が・・・・逆にランを弱らせからすことになる。

   
燐酸
    核酸、リン脂質(細胞膜の構成成分)。
     植物が細胞増殖する時に絶対に必要な成分。
     リンを多く含む水では、藻類、クロレラなど増殖が大になる。
     この原始植物のDNAが継承されている。

    ランのような菌根植物は燐酸を菌根菌から供給され吸収している。
    SUGOI-ne栽培では、燐酸を与える必要がないのは、この理由による。

   カリ
    光合成で作られた糖の移動蓄積に役立つ。
     細胞内にカリはイオンとして存在し、細胞の水分調整を行なっている。

   
   ラン栽培現場では、燐酸とカリの効果が見えにくい。
    なぜだ?

   自生地では燐酸はラン菌が供給したものをランが吸収している。
    水溶液の燐酸が・・・本とに吸収されるのか。
    バットグアノの燐酸が・・・・・。

   

  腐生ランの養分吸収
   植物の死骸をラン菌が分解。
   リグニン、ペクチン、セルロースなどから可吸態の「糖」をランに供給。
   その他の肥料分、ミネラルなども供給。


  地生ランの養分吸収
   根からの吸収は腐生ランと同じ。
   土壌から直接への柔組織に浸透し、ラン菌が関与し根に吸収される。
   どのように関与しているか未知である。
   葉からの葉面吸収。
   雨水などに含まれる「尿素」を吸収。

 
 着生ランの養分吸収 
   根からの吸収は自生地の条件からすると限られる。
   気根が吸い取る雨水、霧などの水滴に含まれる「尿素」を吸収。
   空中で静電気が放電すると空中窒素が尿素に変化する。
   この尿素をラン菌もランも吸収。
   ラン菌の菌糸は、相当広範囲から水、養分等を吸収してランに供給。
   着生ランが過酷な条件下で生存出来るのは、この菌糸の広範囲からの
   水分、養分収集能力が関与していると考えられる。
   着生ランが空中の伸ばす気根。
   本当に空気が好きだからか?
   泣き泣きなのか?
     SUGOI−neで適度に潅水した場合、空中にはほとんど根を伸ばさない。

   

  ランの種類による窒素形態について。
   窒素には
     尿素態窒素、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素がある。
     植物の種類によって吸う窒素が異なる。
     ランにおいても、種類によって異なる。
     
     ラン菌のいないコンポストとSUGOI−neの肥料が少し異なるのは、
     SUGOI−neの場合、窒素の原点である「尿素態窒素」を与え、
     SUGOI−neのラン菌、窒素バクテリアに分解を丸投げして、
     それぞれのランが好む形態の窒素になった時、吸収すればよいという
     考え方である。

    例えば、イネでは出穂前の晩期追肥では「アンモニア」でなければ効果がない。
    亜硝酸、硝酸態窒素ではイネは吸収しないからである。
    ハイポネックスではイネには効かない。
    
    葉面散布剤は「尿素」が主体。
    この理論は前記の雨は葉を濡らす。
    その雨水に含まれているのは「尿素」だからである。
    自然を真似て作ったのが葉面散布肥料である。

   
   SUGOI−neには「生油粕」
    SUGOI−neのラン菌が生油粕を「落ち葉」と認識する。
    ラン菌の勘違いを巧に利用すれば「生油粕」となる。
    種は養分の塊。
    種から油を絞りとった粕は「粕」ではない。
    ラン菌の格好な「食べ物」となる。美味に違いない・・・・枯れ落ち葉よりも・・・・。

   自生地では、パフィオのように葉に「離層」のないランは、
   己の枯れた葉をラン菌に食べさせる。
   それほどきびしい場所に自生している。
   他の植物との養分収奪戦では、ランの根に勝ち目はナイ!!
   だからラン菌との共生を考えた。
   敵の敵は味方である!!
   何も、政党政治の選挙戦だけではない。
   この考え方は!!



  ランの水分吸収と肥料吸収
    一般に植物は水の吸収と肥料の吸収は主に浸透圧の作用で行なわれている。
    しかし、条件のきびしい植物、ラン科植物において、
    根の吸収のみでは生きられない場合がある。
    シャボテンの刺に付着する霧の水滴。
    無駄には絶対出来ない。
    アナナス。
    葉の間、葉組みの中心に水を溜め込む。
    そういうところに水をためても・・・・病気にかからないように出来ている。
    食虫植物のネペンテス。
    袋の中に水を入れても、袋は腐らない。
    ランはどうか?


   コチョウランの葉の芯はどうか?
   パフィオの葉の芯はどうか?
   シンビも、デンドロも、ミルトにアも、オドントも・・・
   バンダの葉の付け根はどうか?
   みなスコールの水が溜まるように出来ている。


   ラン栽培現場では、この葉の芯の中に水が入るのを嫌う!!
    病気が出る!!
    パフィオなどでは・・・・潅水後・・・この水を吸い取り乾かすことまで行なう。
    ナンプ病が出る!!

   本当にそうか?
   問題は別なところにあるのではないか?
   自生地では、夕方天からスコールが降ってくる。
   葉の芯に水がたまらないスコールなどない。

  シンビもパフィオもバンダの葉も・・・・滋雨を受け取る「ロート」、漏斗である。
  葉の芯の中に雨水が入るように出来ている。


















 


































    
SUGOI-ne1号単用Cymbidium播種 発芽

 SUGOI-neで発芽に成功したが、
 2年間自生地の光条件を再現した。
 紫外線カットフィルム3重、40%ダイオネット、
 不織布による散光。
モンスーン気候の雨期
 分厚い雨雲の弱い光の中でプロトコームは芽生える。


 この小さな株に強い光を当てれば、直ぐに生育停止になる。
 強光による生育不良はランで最も多い。

 紫外線

   
不思議なことに、これまで蘭界において「紫外線」が問題視されたことはない。
   何故なのか?
   女性の肌も・・・木漏れ日を拾うランの柔肌も・・・・細胞である。
   日傘。
   前記したように植物の進化の歴史は紫外線との戦いの歴史であった。
   紫外線には三種類ある。
   雪山登山ではサングラス。
   雪の中でのリンゴの剪定作業もサングラス。
   鼻の頭は紫外線で真っ黒に・・・ひび割れも生じる。
   日焼け・・・・
   外気温0度から5℃での剪定作業でも日焼けする。
   熱で焼けるのではない。
   紫外線で焼ける。

   
雪国の人なら・・・「雪目」の涙を知っている。
   紫外線で目がやられて、夜・・・目が痛くて眠れない。・・・・雪目。

   ランの葉も・・・丁度「雪目」と同じ状態になる。

     紫外線は別に詳しく説明

  ランのとって最適な光。
   前記したようにランと光の関係は自生地の光条件が大きく異なるから、
   自生地を研究する必要が出てくる。
   同じ温室で、同じ光条件で多くの種類のランを栽培することは出来ない。
   
  ラン栽培の絶対の光条件。
   ランが進化の過程で身につけたラン科植物の特異な「発生形態」であるプロトコーム。
   光条件を考える時、このプロトコームが生きられる光であることが絶対条件である。
   なぜなら自生地におけるランの種子発芽はラン菌との共生で発芽し、
   プロトコームを形成する。
   このとき、プロトコームは地中深くあるのではない。
   ほとんど地表に露出、半露出状態である。
   コケ、樹皮の間隙、腐葉土等の間隙で強い光、紫外線の弱いところである。
   更に霧の「散光」、木漏れ日・・・・。
   以上のような光条件で芽生える。
   小さな株が、生育の極端に遅いランが生きるには、強い光、紫外線の強い場所では、
   絶対に生存することは出来ない。


  
 自生地において強い光を遮るもの
   1 オゾン層
      植物進化の鍵を握るオゾン、O

      35億年前、海の中で生命が誕生した時「オゾン層」はなかった。
      強烈な紫外線が地球に降り注いだ。
      昆布の類が陸上に上がるには約30億年を要した。
      海の中の海藻が光合成で吐き出す酸素。
      その一部がオゾンとなって、成層圏、地上35〜45kmに密度の高いオゾン層が出来るまで、
      それだけの年数を要した。
      そして、最後の植物、ラン。
      ランはオゾン層から護られている。
      自生地と異なる異郷の地日本、そこで原種を栽培するとき、
      日本の紫外線は、弱った身体に一段ときびしく感じられる。
      ランの立場に立てば。
     
   2 雲、霧、靄、雨等
      このような気象の減少は「対流圏」の地表から約10kmの高さの範囲内で起こる。
      太陽光で温められた地面は大氣の温度を上昇させ対流が発生し、
      地球全体に様々な気象の変化を起こす。
      約地表から高さ10km以上では毎日「快晴」となる。
      「雲上快晴」。
      この快晴の光では植物は生きられない。
      ランは自生地では雲、霧、靄、雨などによる「遮光」条件下で生きつづけてきた。
      「散光」。
      それらは、光の量を少なくすると同時に「光質」を変える。
      霧の粒子に光が当たると、光は散らばる。
 

      
HOME

konnposuto 1035