ランは・・・
「独立自養植物」ではない。
「独立自養植物」というのは自分が行う光合成のエネルギーのみで生長、いきつづける
ことが出来る植物をいう。
ランは栽培で、これまで、蘭もフラスコから出せば「独立自養植物」であるという考えから、
ラン菌のいないコンポストでも、他の植物のように肥料を与えれば作れるという認識で、
栽培大系が構築されてきた。
宇井清太は、これに疑問をもってきた。
フラスコ時代に「糖」を必要とした蘭が、フラスコから出した途端に 「独立自養植物」になるという
奇跡的な大変身できる植物なのか・・・という疑問である。
自生地におけるラン菌による植物の死骸の炭素循環による「糖」。
この糖のことを考えれば、糖のないコンポスト水ゴケ、軽石、バークによるラン栽培というのは、
とんでもない間違いを行っているのではないか・・・・?????
腐生ランは・・・・・
葉がない。
光合成が出来ない。
それでも生きてきた。
なぜか?????
ラン菌の炭素循環の「糖」をエネルギーにしている。
腐生植物はほとんどこのような進化をしてきた。
蘭に腐生ランが存在するということは、葉のあるランでも・・・・この糖を要求する場合がある。
こういう考察を行えば・・・・SUGOI-neの素晴らしい生育の説明がつく。
理論的に破綻しない栽培法が構築できるのである。
ランに使用されている有機質肥料には・・・・
「腐敗」による肥料製造
有機物のたんぱく質を腐敗細菌、真菌、酵母
などによって分解し、肥料を造る。
油粕、魚などを腐敗させて液肥の窒素分にする
場合が多い。以前は、自家用にランの肥料として
作った。
「醗酵」による肥料製造
醗酵油粕に代表される。
醗酵とは腐敗の一種で、人間に有用なよい物質が
生じる場合「醗酵」と呼ぶ。
醗酵油粕は「酵母」で醗酵される場合が多い。
窒素肥料が得られる。
以上のように腐敗による有機物の分解は、
主にたんぱく質である。これを窒素連鎖とよぶ。
ランの場合は、この肥料のほかに炭素連鎖の「糖」が
ラン菌との共生の主役であるが、これまで、
ラン栽培では一般の植物栽培と同じように
窒素連鎖の腐敗、醗酵の窒素・・・肥料の栽培が
行われ、炭素連鎖は考えられてこなかった。
炭素循環は、たんぱく質を分解するのではなく、
植物のセルロース、ペクチン、リグニンを
可吸態の糖に分解してエネルギーとして植物に
供給するものであるが、この糖を供給できるのは
菌根菌などの「共生菌」である。
ランは菌根菌植物であるから、この炭素循環の糖を
ラン菌から供給されて生き続けて来た。
したがって、これまでのコンポストと肥料での栽培は、
自生地無視の栽培ということが出来る。
これからは、肥料と共に「糖」を重要視しなければならない。
SUGOI−neの開発で、ようやく自生地再生のラン
栽培という新天地が拓かれたことになる。
ラン栽培は進歩したか?
各ラン展を見ると・・・全然進歩していないのではないか・・・と想う。
30年前と比べると・・・原種がアレコレ日本に入ってきたが、
肝心かなめの栽培技術は、むしろ後退しているのではないか。
ランの人口も大幅に増えたから、レベルに巾が出てきたのは理解出来るが、
ベテランが進歩しているかと言えば、行ったり来りの足踏み。
三歩進んで4歩下がる!!
これは、これまでのコンポストでは、どう努力しても、良くならないという証明である。
ランの切花をやっている人なら、このことよーく解かるはずである。
ほとんどの人が夢破れた。
これは日本だけの問題ではない。
アメリカの世界の蘭界に君臨したDos Pueblos
Orchid Co,が、
1987年にRHSに最後の交配種を登録して姿を消した。
この原因は、株の老化を防ぐことが出来なかったからである。
コンポストの問題である。
鉢数が膨大になるほど、手のつけようがなくなる。
ラン菌の発見、導入がない状態での巨大蘭園は砂上の楼閣、老化で破綻する!!
自生地の炭素循環の糖のエネルギーがないからである。
巨大な蘭園が、世界中で姿を消してゆく・・・。
さながら恐竜が・・・巨体を維持できない姿と重なる。
トカゲが生き残った!!
ランという植物は、この生物の法則を前例として進化した。
小さいから生き残れる。
少ないエネルギーで生き残れる。
大きい蘭園が絶滅して、小さな蘭園が生き残る!!
世の中面白いものである。
パフィオなどは・・・そういう蘭園、商売のものであろうか。
目が届かないほど大きい面積の蘭園はない。
だから、どうにか株を持続できる。
でも、ラン菌のいないコンポストで植えて、アレコレ・・・色々な肥料、
活性剤を与えても、根本的なものではない。
気休め。
事実、20年前、30年前の個体など、ほとんど残っていない。
よほどの技術がないと充分な光合成が出来る葉を作らないと、
坂道を転がるように衰弱してゆく・・・。
病気に侵される
更に、管理者も永年にわたって「健康」でなければ、株を維持できない。
管理者の病気。
これでランもダメになる。
ラン作りは極めて難しい・・・・というのは・・・・この場面である。
人生の足跡をランに残せないまま、蘭界から去らなければならない。
世界の蘭界に己の足跡を残す。
これがなかなか難しい。
プラントハンターになって「新種」を発見する。
交配して新品種を作りRHSに登録する。
この二つしかない。
もう一つ生き残る道があった。
ヒトの山から株を掘ってきて売る商売の蘭園である。
これなら大きい面積はいらない。
右から左・・・温室には100日も生き残っていればイイ。
そういう人にとっては、コンポストなど問題ではない。
水ゴケで充分間に合う。
SUGOI-neなど・・・面白くもない!!
そういうエリアも日本のラン界の中に存在する。
だが、それでは、ランの普及どころか、普及抵抗勢力であろう。
原種は一巡した。
そう次々と珍種などないではないか?
美しい花を見たければ、原種に求めるのではなく、自分で作ったら?
それが創作というもの。
原種、原種というのは・・・・
カリマンタン島のキナバル山山麓で、クワガタの珍種を探すのと・・・・全然変わりない。
クワガタが毎年死ぬから商売が成立つ?
これまでは業者主導で進んできたが・・・・なんか道がずれてきたみたい。
ラン栽培の目標が・・・珍品。
それを持つことが優越感、プライド。
でも、炭素循環のナイ・・・コンポストでは・・・優越感を持続できない!!
ゆがんだプライドが時代の流れを見えなくする。
SUGOI-neを否定したくもなる。
SUGOI-neでドンドン増殖されては・・・困るという按配である。
だが、栽培家というのは、ランが元気で育ってくれなくては面白くはない。
楽しくはない・・・。
枯れて嬉しいヒトなどいない。
SUGOI-neの炭素循環の糖エネルギーは、日本のラン界のエネルギーである。
これから活性化するだろう。
ソウでなくては・・・10年後、20年後・・・どうなっているか解からない。
株も老化するが、人間も老化する。
ラン栽培者も近頃・・・世代交代している。
蘭園の当主も2代目になったところも多い。
若いのに・・・・「老化」しているところもある。
これからどうする?
原種では・・・先が見えてきた。
SUGOI-neを使いこなせなくて・・・これからどうする?
SUGOI-neこそ、これからのラン普及の切り札である。
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