パフィオは杉皮、石灰岩が好きか。
パフィオの性質がSUGOI-ne植えで見えてきた。
他のランよりも枯れ落ち葉の炭素循環の糖を要求していることが見えてきた。
腐生ランに近い性質を持つようである。
バルブの持たない、バルブを放棄したのには、それなりの理由がある。
パフィオの自生地には、バルブを具備して生き残ったランが多い。
同じ雨、同じ光・・・でバルブを持ったランと、パフィオのように持たなかったラン。
その分かれた理由は何か?
雨期、乾期では説明がつかない。
地生、着生でも説明はつかない。
Cymbidiumとパフィオの自生地は重なる。
だが、Cymbidiumはバルブを具備した。
しかし、Cymbidiumには腐生ランが一種ある。このランにはリゾームがあるがバルブはない。
パフィオと腐生ラン。
ここに共通するものがある。
「枯れ落ち葉」である。
パフィオは枯れ落ち葉の炭素循環の糖で生きてきたランである。
中国の石灰岩に自生しているパフィオ。
だから、この原種は石灰岩が好きだ!
そういう観察、理解の仕方。
本当にそうか?????
良く見れば、石灰岩になど自生していない。
石灰岩の窪み、裂け目に枯れ落ち葉が吹き溜まりとなり堆積している。
こんな石灰岩地帯の貧しい養分のところにも・・・、
枯れ落ち葉があれば、それに棲む材木腐朽菌が生きている。
そこにパフィオが自生している。
つまりラン菌になる材木腐朽菌が、アルカリの石灰岩地帯にも生息、繁殖
出来る菌なのである。
逆に、シベリア、フインランド、カナダなどのタイガー地帯。
ここは強酸性のピートモスの世界。
こんな強酸性地帯にもランは自生している。
つまり材木腐朽菌は、強酸性PH4,0の場所でも生きられる菌である。
ここに自生するランが強酸性を好きなのではない。
こんな場所でも生きて枯れ落ち葉を分解するラン菌が生きているから自生できる。
そこに枯れ落ち葉由来の糖があるからである。
このことは、SUGOI-neでブルーベリーを栽培してみてわかった。
これまでは、不毛のタイガー地帯に自生するピートモス地帯は、
PH4,0だから、ブルーベリーは酸性土壌が好きな植物といわれてきた。
それで、ブルーベリー用土はピートモスがよいとされてきた。
日本の畑に植えるときは硫黄まで撒いてきた。
ところが、SUGOI-neで植えてみると、PHなど関係なくよく育つ!
菌根菌の材木腐朽菌が生息して、枯れ落ち葉を分解すれば、
ブルーベリーはPHに関係なく素晴らしい生育になるのである。
ツツジ科のシャクナゲも同じ。
酸性土壌。
全然PHには関係なく、SUGOI-neでよく生育する。
シャクナゲの根。
枯れ落ち葉に自生する植物に共通する根と根圏を持つ。
好気性菌の材木腐朽菌が生息する深さに根は張る。
パフィオをSUGOI-ne2号ゴールドに植えて、
枯れ落ち葉の代わりに生油粕を置いて栽培すると一目瞭然である。
油粕に下に向って根は伸びる。
油粕を与えない場所には根を伸ばさない。
ナタネの種子粕をラン菌が分解して糖を作る。
この糖を求めて根を伸ばすのである。
先にも記したように、パフィオの葉には離層がない。
本体に付いたまま古い葉は枯れる。
これを掃除するのが材木腐朽菌である。
自生地では誰もハサミで古い葉を取り去ることはない。
福寿草も、ユキワリソウも、イチリンソウも、クリスマスローズも。
エビネも、オモトも、アツモリソウも、タンポポもフキも・・・
古い葉は、翌年の養分として利用される。
パフィオは僅かな養分で生きられるランである。
だから、以前は、日本産の水ゴケでは、
パフィオは無肥料でも健康に生きられた!!
だからこそ、全然養分のない杉皮、
全然炭素循環もない杉皮でも・・・・どうにか生きられるのである。
ところが、この栽培に肥料を与える。
葉は黒々とした緑。
やがてナンプ病多発の棚になる。
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kouza 11