カトレアは休眠するか?
植物には休眠するものと、休眠しないものがある。
四季あるエリア、寒帯エリア、高山のエリアでは、極低温になる期間、
葉による光合成が出来ないから、こういう場所に生息する植物は当然生育停止しなければならない。
もう一つの大きな条件は水である。
植物が海から陸上に上がった時点から今日まで、
植物が遭遇した過酷な条件は、水と紫外線である。
植物は紫外線の問題は、どうにか防御組織、回復機能で克服しているが、
水の問題は、生き物の絶対条件として、植物も動物も克服していない。
水がなければ・・・植物も人間も・・・地球上の生物はみな死ぬ。
このことを、不思議なことにラン栽培者が忘れるときがある。
着生ラン愛好家である。
カラカラ乾燥させても平気である。
中には、限界を越えるまで乾燥させる人もいる。
植物にとっての「水」の限界は、種類によって大きく異なるが、
この限界点に近くなれば、植物は光合成できなくなるので、生育はできなくなる。
生育停止である。
これを「休眠」と表現されることがある。
夏に葉を枯らす、チューリップ、福寿草、イチリンソウ、カタクリ・・・これはまさに休眠である。
ランのカトレアはどうであろうか???
葉を落とさない!
なぜ、チューリップのように葉を無くすことをしなかったのか?
葉からは毎日水分が蒸散する。
このことを考えれば、シャボンテンのように葉をトゲにぬるか、
葉を無くすのが合理的である。
それにもかかわらず、カトレアは葉を無くさなかった。
問題はここである。
1 葉を無くすまでする必要がない水条件である。
葉、バルブの備蓄水分で、次の雨期まで耐えられる。
それには
イ 乾期が短い。
ロ 夜間に夜露、夜霧が発生する (昼夜の温度較差による)
乾期における以上の二つの条件が考えられる。
水の限界点まで起こらない条件下にあると、葉を無くす必要はない。
2 極端に蒸散を抑える葉の組織、機能を具備する。
気孔蒸散とクチクラ蒸散の二つを抑制する。
カトレアの自生地というのは、1の条件の場所である。
そして、この乾期に耐える組織、機能を持つように進化した。
だからこそ、素焼き鉢に水ゴケ植えで、カラカラ乾燥にも耐えて生きられる。
問題は、この姿が本当にカトレアが望んでいるベストなことなのかということである。
こういう疑問をもった人もいたはずである。
しかし、この疑問で、日本の冬の期間潅水した人は・・・ことごとく「根腐れ」に見舞われた。
これでカトレアの栽培は、今日まで冬期間は「カラカラ」が常識化した。
SUGOI-neは、この常識のメスを入れるものである。
水ゴケのようにカラカラさせないでも根腐れが起きないコンポストである。
だから、冬の期間でも、十分な温度条件下では潅水できる。
その結果、「休眠」????
生育停止しないことが判明した。
つまり、自生地において、カトレアのプロトコームは生長し続け、
続けられるだけの「湿度」が・・・自生地にあったということである。
だから、プロトコームが生き続けることが出来る湿度で栽培しなければならないランである。
そういうことだったのである。
SUGOI-ne栽培では、このプロトコームが行きつづけられる湿度の潅水を行なうことである。
この潅水を行った人は大成功の素晴らしい生育を見ることになった。
カトレアは休眠などしないランだったのである。
雨が降らないから、仕方なしに成育を停止したに過ぎない。
そういうことだったのである。
カトレアの自生地の雨の降り方に大きな変化があり、
これにあわせて、栄養生長と生殖生長が並行して行う系統がある。
こういう進化は、キウリ、ナス、トマト・・・など野菜にも見ることが出来る。
こういう植物は、常に一定の湿度と温度があれば、栄養生長を続ける。
SUGOI-ne栽培では、温度が十分であれば、水ゴケ栽培のように乾燥させることは厳禁となる。
カトレア パープラタのような夏咲き種は、生長を停止させるような乾燥は厳禁である。
春咲きのような、栄養生長と、生殖生長が明瞭なものは、秋から冬の期間はペクチン潅水法で行う。
こういうものであっても、花芽は生長し続けているから、厳密にいえば生長を止めて、休眠しているのではない。
ここが非常に重要なところで、生長している部位が異なるだけである。
しかし、冬も雨期のような、栄養生長期のような潅水を行なうべきではない。
そこには、少しの変化が必要である。
温度が充分でない場合が多い。
短日条件である。
当然光合成が衰えるから、水の要求も衰えるからである。
「ペクチン潅水法」を行なうべきである。
カトレアの潅水は、
5月から9月は・・・雨の降らない日は、ほとんど毎日夕方に行う。
雨期には、日本より何倍もの雨が降る。
SUGOI-neであれば、この潅水が出来る。
ところが、水ゴケでは・・・毎日の潅水は出来なかった。
出来なかったという・・欠陥を水ゴケは持っていた!
そういうことである。
10から4月の期間は「ペクチン潅水法」で行う。
これで、ポリ鉢、プラ鉢植えなら「無造作」に栽培出来る。
熱帯エリアのランを・・・北緯45度の寒帯に近いイギリスで栽培した。
その無謀なエリアでの栽培。
そこで考えられた潅水技術、コンポストが、
未だに綿々と日本のラン栽培に継承され続け、
これを改革したものがいないまま、21世紀になっている。
SUGOI-neの開発。
自生地再現は、枯れ落ち葉の炭素循環システムだけではない。
プロトコームが生きられる水再現のコンポストでもある。
この水こそ、自生地におけるラン菌の炭素循環の根本である。
なぜなら、この水がなければ、ラン菌も・・・生き続けることが出来ないからである!
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kouza13