ランに肥料は必要か
ランに肥料が必要かと考える前に・・・
ランの種子を肥料では発芽させることは出来ない!
このことをどう理解、解釈するかである。
なるほど、ランの無菌播種、メリクロンの培養基には植物の必須元素を添加する。
この場合の考え方は、あくまでも植物の必須元素という意味である。
多くの化学薬品を用いる。化学肥料ではない。
糖も精製した化学薬品としての糖である。
これでは、アミノ酸などが不足するのではないかということから、
不純物のペクトン、トリプトン、バナナ、ココナッツミルクなどを添加する。
あえて、不純物の有機物を添加している。
しかし、この培養基を、水ゴケ、バーク、軽石などの鉢に、
ランの種子を蒔いても発芽することはない!
市販されている液肥のほとんどで実験したが、
それで発芽は一つも見られなかった!
これがラン栽培の現実である。
ラン菌がいないところでは、どんな肥料を与えても、発芽できないのである。
こういう肥料を与える栽培というのは、本当に正しいのか?
本当にランが喜ぶものなのかという疑問である。
たしかに肥料を与えれば、ランでも生育は促進する。
肥料というのは、その程度のもので、それ以上でも、以下でもない。
しかし、作物栽培では、10%。20%増収なら、お金になるから・・・オンの字である。
ここに肥料が大きなウエイトを占める栽培になる。
肥料を上手くコントロールすることが、栽培上手ということになる。
しかし、忘れてはならないことは・・・
ランは交配種であっても最も交配が進んだ品種でも、
原種から数えて11代、12代目である。
この程度では「作物」にはなっていない。
未だに山の草である。
山では、草に肥料をやらない。
人跡未踏の秘境にもランは自生する。
ランは人間など必要ないのである。
ランに必要なパートナーはラン菌なのである!
人間が新種を発見して喜んでいるが・・・・・
新種????と思っているかも知れない。
前から・・・ここで生きてきたのよ!
変な名前を・・・勝手に付けないで・・・と言っているかも知れない。
ランに肥料を与える。
肥料なしでは作れないのか。
ランは肥料なしでは生きられないのか????
自生地では誰も肥料など与えない。
SUGOI-ne。
ラン菌による炭素循環ラン栽培法は、この疑問を解明した栽培法である。
そもそも、人間が肥料を与える、施すということはどういうことなのか。
それは、田畑に作物を作って産物を収穫、収奪するからである。
その収奪されたものには、土壌から吸収した成分、元素が含まれている。
収奪を繰り返せば、やがて土壌から少なくなる成分が出てくる。
これを人為的に補いために施すのが施肥である。
それが肥料の原理原則である。
土地が痩せているほど、この施肥の効果が見える。大きく現れる。
ここが問題になる点である。
ラン栽培用のコンポストを考えてみよう。
痩せた土壌なんていうものではない。
水ゴケ、軽石、バーク・・・・。
「作物」の植物なら、ほとんど収穫皆無という状態のものに植える。
コンポストには、ランが生き続けられる養分などほとんどない。
当然ラン菌は生息していない。
自生地の枯れ落ち葉は皆無である。
そういうことで、肥料を与えることになる。
前記した農業の肥料、施肥の概念と、ラン栽培の施肥には根本的な違いがある。
収奪され痩せた不足する成分を補うことと、
最初から養分のないものに施すことは、似て非なるものである。
どこかが間違っていると思いませんか。
問題の発端はランのコンポストにある。
自生地における枯れ落ち葉とラン菌が削除されているから、
こういう施肥ということが起こった。
自生地では誰も肥料などやらない。
人間の行為など不要な植物である。原種の植物は全部そうである。
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