有機肥料(固形、液肥)
  動物、魚の肉は蛋白質で作られている。
  この蛋白質はアミノ酸・・・アミノ酸には多量の窒素が含まれている。
  これを醗酵、腐敗させれば・・・アンモニア、硝酸ができる。
  このときの菌は嫌気性菌の乳酸菌などである。
  動物の尿には必ずアンモニアから尿素に変換して排出される。
  だから、動物、人間の糞尿は・・・肥料になる。
  ラン用の液肥に動物性由来の窒素を含んだものがある。
  だから効く!!
  だからナンプ病になる!
  こういう肥料がなぜラン用なのか????
  この肥料では、胚乳の持たないランの種子が発芽することは絶対にない。
  つまり、胚乳の代わりのエネルギー源になれない。


  植物の中にも蛋白質が多く含んだ組織をもつもの、種子が多くある。
  これに植物酵母、植物乳酸菌などの嫌気性菌を、
  空気の少ない状態で繁殖させれば、醗酵、腐敗してアンモニア、硝酸ができる。
  油粕を水に入れると、醗酵、腐敗して・・・・すごい悪臭を放つが・・・・
  この液を薄めてランに与えたものである。
  植物有機物由来の液肥である。


 腐敗には・・・・蛋白質の腐敗で動物性、植物性ともに悪臭がともなう。
 嫌気性菌の仕業である。


 
  SUGOI-ne栽培で生油粕を与えても、ほとんど悪臭はない。
  SUGOI-neのラン菌は好気性菌の材木腐朽菌だからである。
  生油粕にも窒素が約5%ほど含有しているから、
  空気の少ない水の中では、前記したように嫌気性菌が繁殖して腐敗するが、
  SUGOI-ne植えの鉢の上に与えた場合は、空気が多いから、
  ラン菌方が素早く大繁殖して生油粕の争奪戦では・・・ラン菌が勝ち組みになる。
  ラン菌は醗酵、腐敗する菌ではないから悪臭を出さない!

  この理由で、枯れ落ち葉が分厚く堆積している森林では悪臭はない。
  枯れ落ち葉は、地表に舞い落ちた状態だから・・・・材木腐朽菌が勝ち組みのエリアである。
  醗酵、腐敗の嫌気性菌が負け組みのエリアである。


 このことから、自然界の枯れ葉のあるところは、近頃のEM菌のエリアではない。
  汚水をキレイな???水にEM菌がするのは、水の中で繁殖出来る菌・・・嫌気性菌だからである
 ボカシを作るとき「米糠」を使用する場合が多いが、
 米糠は・・・・枯れ落ち葉ではない!
 
 したがって、EM農法というのは「炭素循環栽培」ではない。
  自然界は、枯れ落ち葉の世界である。
  
  
上記の説明の中で、もっとも重要なことは、
 自然界の森林における窒素循環で作られる窒素である。
 Tヘクタール当たり(3000坪)7〜11kgの窒素が補給されているのが自然界の自然である。
 これがなければ森林は継続できない。
 植物の生長には窒素は必ず必要である。
 DNA、酵素などは蛋白質で光合成の澱粉に窒素を加えて蛋白質を合成しなければならないからである。
 窒素が不足すると、植物の生長は抑制される。
 このことから農業では多収穫をするために窒素を肥料として与えている。
 しかし、田畑でない森林、原野では肥料を誰も与えない。
 植物死骸、枯れ落ち葉、雨、スコールに含まれる尿素、硝酸の窒素で賄われている。
 こういう場所にランは新参者、負け組みの植物として細々と生きている。
 ランの自生地では、この年間1ヘクタール当たり7〜11kgの窒素の争奪戦が行われている。
 ランに勝ち目はない。
 樹の上、岩の裂け目などには、極少量の窒素しかない。
 そういう不毛のエリアしかランに残されていなかった。
 
 こういうランに、作物に与える肥料を与えればどうなるか。
 窒素過剰の細胞が作られる。
 この結果・・・ナンプ病大発生である。
 ランの肥料が多種類販売されている。

 このれには、化学薬品の窒素化合物と、植物、動物を醗酵、腐敗させて、
 蛋白質かた作った窒素・・・有機物肥料がある。
 しかし、ランには肥料という言葉を使うのは適格はない。
 自然界の森林にあるのは、窒素循環による窒素である。

 材木腐朽菌が枯れ落ち葉などの植物死骸を分解したとき、
 糖と僅かな窒素が出る。
 更に菌の菌糸は蛋白質を多く含有している。
 窒素を多く含んでいる。
 つまり、植物、菌由来の窒素である。
 動物の蛋白質由来の窒素は少ない。
 最終的に無機の窒素になるから同じという理屈で、動物蛋白を腐敗させて作った有機液肥がある。
 更に・・ 最終的にはリービッヒの無機栄養説で無機の窒素イオンで植物に吸収されることから、
 窒素肥料には人間が合成した無機の化学肥料でも良いという発想が生まれた。
 しかし、動物を腐敗させた有機窒素の肥料は、確かに効くが、
 ナンプ病の発生を誘起する場合がある。
 炭素循環のない状態で、この動物由来の誘起窒素は、特に注意が必要である。
 この動物蛋白を腐敗させた菌が生きている固形肥料、液肥は、
 嫌気性菌であり、ラン菌の好気性菌とは全く異なる。
 ここに現在のラン栽培の大きな誤りと盲点がある。
 SUGOI-ne栽培では、こういう嫌気性菌が生きている固形肥料、液肥を使用しないことが望ましい。
 窒素が多い状態ではラン菌に勝ち目がないからである。
 これでは炭素循環ラン栽培法が無意味になるからである。
 ランの、植物の自生地では、窒素はバランスが取れている!
 ところが、ラン栽培では作物に見られるような「標準施肥量」がない。
 デタラメに与えている。
 
  このことから、現在の化学肥料を与えるラン栽培は、
 ラン菌削除の手抜き工事のような栽培法である。
 
 ランが「菌根植物」であるという植物進化の意味を、
 全然考えないラン栽培である。
 人間であれば・・・・
  胃にビフィズス菌、消化細菌もいない「無菌人間」ということ。
  地球上に無菌人間など存在しない。
 

 ランの無菌培養はナドソンが1922年に、
 この森林の中における微生物による窒素循環と炭素循環システムを、
 フラスコ内に再現したものである。
 この理由で、ラン菌削除の無菌でランは発芽する。

 しかし、無菌のフラスコ内だからこそ可能なことで、
 栽培現場は無菌でないから、この培養基をコンポストでは栽培できない。
 培養基の砂糖に酵母菌が繁殖すれば・・・アルコール発酵するからである。
 自生地再現というのは、ラン菌がなければ不可能なことで、
 宇井清太のラン菌発見で、世界で初めて可能になった。
 これから、ラン界ばかりでなく、園芸、農業をもこの炭素循環栽培法が普及する。
 炭素循環農法である。
 SUGOI-neの開発で、ようやく自生地の森林を、鉢内に再現可能になった。
 SUGOI-ne栽培では、森林における窒素循環を行う必要がある。
 この理由で、SUGOI-neには「生油粕」がよい。
 生油粕には、枯れ落ち葉と同じように、4%程度の窒素が含んでいるからである。
 これで、窒素循環が再生できるからである。
 これに尿素(CH
4N2O)を5000倍に薄めて雨水の成分にして与える。
 これがSUGOI-neの炭素循環、窒素循環栽培法である。

 

 
引用 文献  ヤッフー百科   吉田精一
ランの自生地には炭素循環と窒素循環がある。
  これまでのランの肥料、窒素肥料を与えるのは、
  自然界の窒素循環を応用したものである。
  ランの無菌播種、メリクロンの培養基にも、
  化学薬品としての窒素が添加されている。

  この化学薬品としての窒素は、尿素の合成、アンモニアの合成、というように
  19世紀、20世紀の化学者によって開発された。
  食料増産の目的である。窒素を与えると植物は生育促進効果が認められ、
  収穫が少し多くなるからである。
  窒素は危険な元素である。
  適量より多く与えた場合は、病害虫の多発で致命的な状況になる。
 

  しかし自然界には、生物が地球に誕生する前から、
  稲妻、オーロラによって空中の窒素ガスから「尿素」が合成されていたのである。
  この空中窒素ガスによる尿素は、現在もランの自生地の雨に含んで降る。
  ランの根は葉は、この雨の中に含む尿素を吸収して生きる。
  ラン菌の菌糸もこの尿素由来の窒素を栄養源のとして生きる。
  枯れ落ち葉由来の窒素と雨水の尿素由来の窒素。
  ランには、この微量な窒素が必要である。
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kouza 17

窒素循環(ちっそじゅんかん)

 







自然界における窒素は、大気中の分子状窒素をはじめ、硝酸などの無機窒素化合物タンパク質核酸などの有機窒素化合物など、多種多様な物質として存在する。窒素は、これらの異なった物質に形を変えながら、大気中、生体内、あるいは土壌や水中を循環しているわけであり、この現象を窒素循環という。

窒素は化学的に安定な元素で、分子状の窒素ガスとして空気の約80%を占めている。窒素ガスを直接窒素源として利用できる生物は、ごく限られた種類の細菌、根粒菌、放線菌、藍藻(らんそう)類などにすぎないが、これらは、安定な分子状窒素を他の窒素化合物に変える重要な役割を果たしている。大気中には、少量ではあるが硝酸などの無機窒素化合物が存在し、降雨や塵(ちり)とともに地上に運ばれる。この大部分は地上から放出されたものであるが、一部は大気中で放電や紫外線の作用によって形成されたものである。

窒素が生物界に取り込まれるおもな入口は緑色植物である。土壌中の硝酸塩アンモニウム塩のような無機窒素化合物は、植物の根から吸収され、アミノ酸タンパク質に合成される。植物群落が吸収する無機窒素の量は、群落の種類や環境条件などで異なるが、年間1ヘクタール当り、広葉樹でおおよそ55キログラム、針葉樹で35〜45キログラム、耕地で50〜90キログラムと推定されている。植物によって同化された窒素の大部分は、枯死体として直接土壌に戻されるが、一部は食物として動物に摂取され、身体の構成や栄養に役だってから、尿素尿酸などの排出物として、あるいは遺体となって土壌に戻される。この量は、森林では吸収される窒素量の80%、耕地では約25%に達するのが普通である。

土壌に戻された遺体や排出物は、腐敗細菌などの微生物によって次々と段階的に分解され、最終的にはアンモニア硝酸などの無機物となる。したがって、森林では年間1ヘクタール当り7〜11キログラムほどの窒素が窒素固定菌や降雨などによって補給されれば、群落における窒素の平衡が維持される。いわゆる安定な森林とは、この状態をいうわけである。これに対して耕地の場合は、高い生産を維持するために、かなり多量の窒素肥料を補給する必要がある。

土壌中でのアンモニアは、好気的条件で硝化細菌によって硝酸にまで酸化されるが、嫌気的条件では、硝酸は硝酸呼吸によって還元され、さらに脱窒素細菌によって分子状の窒素に還元されて大気に戻される。

[執筆者:吉田精一]