炭素循環、窒素循環とナンプ病

   ラン栽培で近年「ナンプ病」の問題が大きくなってきた。
   このナンプ病の問題は、薬では解決出来ない。
   栽培病だからである。
   
   ランの自生地でナンプ病が多発したなら、簡単に絶種である。
   そういうことが自生地では起こらない。
   ラン菌が勝ち組みのエリアがランの自生地だからである。
   そこは、ほとんどナンプ菌が大繁殖出来ない。
   なぜなら、ナンプ菌が大繁殖するためには「硝酸態窒素」が多量にある条件が必要だからである。
   ランの自生地は、前記したように炭素循環が枯れ落ち葉dによって構築されている。
   そこにはナンプ菌が大繁殖に必要な「窒素」は多量に存在しない。
    
   ナンプ病は本来ランの病気ではない。
   ランの体内細胞に硝酸態窒素が少ない場合は、ナンプ菌はラン株を侵すことはない。
   ナンプ菌は野菜の病気である。
   「玉葱」。
   タマネギを栽培してみるとわかる。

   タマネギに窒素肥料を多く与えると、貯蔵中にナンプ病が大発生して全滅することすらある。
   硝酸態窒素の含有率を調べれば、この窒素とナンプ菌の関係が深いことが一目瞭然である。
   貯蔵中にナンプ病に犯されないようにするには、
   細胞の中の硝酸態窒素を「糖」に変えることである。
   糖ではナンプ菌が繁殖出来ない。

   ラン栽培においても、秋までに細胞内の硝酸態窒素を「糖」に変換すればよい。
   ランは糖から蛋白質を作ることも出来るが、
   蛋白質から糖にすることも出来るからである。
   これを、パフィオも常に行っている。
   しかし、この活動を超えて、人が窒素肥料を多く与えれば、
   細胞内に硝酸態窒素が蓄積されつづける。
     
   ランのナンプ病を勉強するにはタマネギを勉強すればよい。
   ところが、ラン栽培者は、他の植物など興味がない。

  ランのみ勉強しても、大成しないのである。

 なぜラン栽培においてナンプ病が発生するか。
   水ゴケ、バーク、軽石・・・などに枯れ落ち葉の炭素循環がないからである。
   ランにランが要求する以上の硝酸態窒素を与えるからである。
   生育停止期、休眠期にも窒素が残るほど多量の肥料を与えるからである。
  
   現在のラン菌削除、肥料で栽培する限り、
   ナンプ病は大繁殖する。
   SUGOI-ne栽培で、炭素循環ラン栽培法では、このナンプ病の大発生はない。

   しかし、SUGOI-neで植えたらナンプ病が一度に発生したという場合がある。
   これは、SUGOI-neで植えたからではない。
   その株の体内に前年、ナンプ菌が侵入していて、それが出てきたに過ぎない。
   SUGOI-ne栽培では、植付け後に10日ほど毎日潅水するからである。
   この潅水で病気が表面に出てくる。
   前年罹病していたものをSUGOI-neでは防ぐことは出来ない。
   炭素循環のシステムを鉢内に構築するには、最低3年が必要だからである。
   ランの自生地における炭素循環は、長い年月をかけて構築したものだからである!
   
  以上のことから
    エビネの杉皮栽培。
    パフィオの礫栽培、杉皮栽培。
   この二つにナンプ病多発の原因が理解出来よう。
   杉皮栽培、礫栽培には炭素循環がないからである。
   肥料を与えると、葉が濃い緑になるから元気良いと・・・錯覚してしまう。
   それで、涼しくなった9月に窒素肥料を与える。
   栄養生長が衰える時期に与えれば、消化できないので細胞に蓄積する。
   これが主な原因である。

   どうして、パフィオ栽培に、礫、杉皮が用いられているのか不思議でならない。
   自生地の炭素循環が削除された栽培。
   ところが、エビネ、パフィオ栽培者にSUGOI-ne否定者が多いのは、
   なんとも残念でことである。
   最も、栽培歴も・・・・農業を行ったことない人が、このラン栽培者に多いが・・・。
    農業を行ったことない人が、農業で使う肥料を与える。
    こういうことが、ナンプ病多発を誘引している。

    ナンプ菌から見れば、ランも植物の一つに過ぎない。
    タマネギも、ダイコンも、白菜、キャベツも・・・同じ。
    硝酸態窒素を多く含む細胞に過ぎないのである。
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kouza 19