効く肥料は・・・危険
ランの自生地ではだれも肥料などやらない。
前記したように、枯れ落ち葉の炭素循環と、僅かな窒素循環が行われているところが自生地。
しかし、ランの栽培現場では、
上記の二つの循環が行われないコンポストで栽培されてきた。
肥料で養分を与える栽培。
この栽培の大きな、重大な欠陥は炭素循環がないことである。
葉の光合成で突然遮断されていることである。
根圏内に枯れ落ち葉分解由来の糖も、ラン菌も存在しないことである。
販売されている肥料の中には、農業用に開発された肥料も多い。
これをラン栽培に使うと、非常に効くものがある。
肥料というのは、植物にとって「毒にも薬」にもなる。
効く・・・ものほど・・・危険である。
ラン科植物は、その進化の中で、
より早く、より大きく・・・という向上心を捨てて、分をわきまえて生きる道を選んだ植物である。
分相応という・・・・そういう理念で生きる植物である。
森林を支配、主役になる配役を演じる植物ではない。
森の巨木とは異なる生き方の植物である。
だから「年輪」を持たない。
1株が占める面積は、非常に狭隘である。
100年生きた株でも・・・・。
そういうランに、人間がラン栽培を行うと・・・・
オリンピックのように・・・・
より早く、より高く、より大きく・・・・より多く・・・という栽培が出てくる。
ラン展で賞にか輝くのは、そのような鉢である。
多くの花が咲いた鉢は、素晴らしい・・・・。
人間のDNAには・・・この向上心を達成した姿を・・・素晴らしいと評価するものがある。
向上心のないものはダメというDNAがある。
ラン栽培では、運動選手が禁断のホルモン剤、興奮剤を使うように・・・
禁断の肥料を与える。
無造作に色々な肥料を与える。
植物栽培で、肥料抜きの栽培などありえない状況である。
先に前記したように・・・肥料というのは、あくまでも作物の世界である。
土地から収奪した成分を補うためのものである。
しかし、ラン栽培では、究極の痩せた用土で栽培する。
肥料なしでは栽培できない究極の欠陥用土で栽培する。
いまや、ラン栽培は肥料漬け。
漬物栽培である。
乾期には乾燥ということで、カラカラに乾燥させる。
鉢内は、サハラ砂漠にもないような極限の砂漠状態。
砂漠には、塩砂漠がある。
ランの鉢内は・・・硝酸塩の・・・塩砂漠が出現する。
効く肥料には、多くのアンモニア、硝酸を含む。
栄養生長の潅水が多いときは、効くが・・・・・乾燥させたとき、
鉢内には・・・突如として塩砂漠が出現する。
枯れ落ち葉、ラン菌のない塩砂漠。
ラン鉢内には、枯れ落ち葉の炭素循環はない。
死の砂漠。
こういう場所がランの自生地にはない。
SUGOI-ne栽培では
生油粕、尿素、木灰・・・この三つしかいらない。
これで自生地の炭素循環と窒素循環と、ミネラル・・・微量要素だ。
こういうSUGOI-ne栽培が普及すると、
現在市販されている肥料は必要なくなる。売れなくなる!
こういうことを危惧する園芸店の経営者もいる。
でも、ランがそれで健康に育つなら、それがベストでないか。
それがSUGOI-ne栽培理念である。
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