SUGOI-neに炭素循環を作る

  ランの自生地 (植物の)における炭素循環は、
  植物が陸上に上陸した数億年前から脈々と繰り返されている微生物の営みである。
  新しくは、火山、地殻変動、地震などの山崩れ、更に人間による自然破壊である。
  火山活動では火山弾、火山灰が堆積すれば、それまでの炭素循環は壊滅する。
  近頃では三宅島・・・・。
  やがて、そこには炭素循環を必要としない「コマクサ」などが生息するようになる。
  その枯れ葉で・・次第に炭素循環のエリアが広がってゆく。
  人間が表土を剥ぎ取る土木工事現場。
  当然炭素循環は遮断される。
  この場所にも草が生え、枯れ落ち葉が舞い落ちると、炭素循環が行われて、
  何年か後には、以前と同じようになってゆく。
  以上のように、砂漠化が進行しない場所では、徐々に炭素循環が進んでゆく。

  最も大きく炭素循環が破壊されるのは・・・
  原生林を農地に変える場合である。
  ランの自生地であるアマゾン、ブラジルの熱帯雨林の農地化。
  インドネシア・・・木材伐採・・・農地化。
  農地になれば、そこには枯れ落ち葉の炭素循環はない。
  土壌からの収奪が行われるから・・・・「肥料」を与えることが必要になる。

  姿は異なるが、ラン栽培において、水ゴケ、バーク、軽石、ヤシ繊維、杉皮を使用すると言うことは、
  熱帯雨林の表土を剥して、炭素循環のない土に植えるようなもの。
  だから農業の作物栽培のように「肥料」を与えなければならなくなる。
  現在、軽石、鹿沼などの採取現場では、炭素循環の行われている表土を、
  ブルで剥して、太古からの不毛の炭素循環のない軽石、鹿沼を掘って、
  園芸用土として販売する。
  この用土でランを植えてきた。
  菌根植物栽培に、こういう用土で植えてきた。
  根本的に「おかしい」のである。
  水ゴケにもほとんど炭素循環はない。
  水ゴケに多量の養分が含んでいれば、材木腐朽菌が繁殖し短時間で腐植が進み、
  ラン栽培には使用不可能になる。
  英国の人は研究したものである。
  以上のように、養分があるものは材木腐朽菌が繁殖する。
  腐植化が急激に進む・・・・目つまり・・・排水不良・・・・根腐れ。
  これがランのコンポストにあってはならない絶対の条件である。
  このことから、材木腐朽菌が繁殖しない植物素材、
  それに置き換えることのできる岩石系素材が探索されてきた。
  この理由で、ラン栽培から炭素循環は削除された。
  これが今日まで・・・ラン栽培の常識、定跡となってきた。
  全て「根腐れ」に悩んだ末に・・・考えられたことである。
  しかし、炭素循環のないコンポストでは、どうしても越えられない「壁」がある。
  ランは、作れば作るほど難しくなってゆく・・・・。
  栽培技術では、どうにもならない問題出てくる。
  花を咲かせて嬉しがっている時代が過ぎると・・・・悩みの多い場面が訪れる。
  それ以上の栽培が出来なくなる!

  このことをSUGOI-neは一挙に破壊した。
  こういう革命的なものが出ると、一時的に混乱が起きる。
  材木腐朽菌を排除した常識。
  SUGOI-ne栽培では・・・この材木腐朽菌を主役に抜擢した。
  このコペルニクス的大転換。

  
 SUGOI-ne栽培。
 この栽培法のポイントは、鉢内にラン自生地における「炭素循環」を構築することである。
 この炭素循環はラン菌が行う。
 これが絶対の条件である。
 したがって、ラン菌の発見がなければ、この栽培法は出来ない。
 宇井清太のラン菌発見、ラン入りのSUGOI-neの開発で、初めて可能になった栽培法である。
 この栽培法を行うには、ラン自生地における枯れ落ち葉、ラン菌による分解の過程を知る必要がある。
 ランの原種は南極大陸、砂漠など以外の、枯れ落ち葉が存在する全世界のエリアに自生する。
 1 北極圏のタイガー、ツンドラ地帯 高山。
   ここにもチドリ、クマガイソウなどの寒冷地ランが自生する。
   このエリアは、材木腐朽菌が繁殖するに必要な温度の期間は短い。
   分解速度も期間も短い。しかし、そこにも炭素循環は存在する。
   高山植物は、この少ない養分で生きる植物である。
   高山植物と分類されているランにチドリ類がある。
   深い霧が地表をしばしば覆う。
   SUGOI-ne栽培ではこの湿度を再現する。
 2 四季の変化のある温帯の低山、森林、草原。
   ここには雑木林・広葉樹の豊かな枯れ落ち葉が毎年秋に地上に舞い落ちる。
   材木腐朽菌の種類も多く、キノコの宝庫である。
   針葉樹の枯れ葉も・・・堆積する。
   この枯れ葉は、四季の温度変化の中で、春の温度上昇で材木腐朽菌が繁殖し、
   分解してランの養分になる。
   この分解には数年を要する場合もある。
   雑木林、ブナ林には、数年以上に亘る枯れ落ち葉が堆積している。
   赤松林の枯れ葉なども、数年に亘って徐々に分解されてゆく。
   ここで重要なことは、毎年「新しい」枯れ落ち葉が生産されているということである。
   これが材木腐朽菌のエサになる!
   この枯れ落ち葉こそ、炭素循環の絶対的条件である。
   この中で、ランは誕生した。
   このエリアには温帯性のランが多く自生する。
   ヒマラヤに自生するランは、この四季の温度変化で落葉する枯れ葉の炭素循環で生きている。
   更にヒマラヤの温帯では、四季の温度変化のほかに雨期、乾期の変化もある。
   ここに生息する材木腐朽菌は、この温度の変化と雨期乾期の水分変化の、
   サイクルとリズムで生きている。
   したがって、このエリアに自生するランをSUGOI-neで栽培する場合は、
   このサイクル、リズムにあわせた潅水をおこなう。
   しかし、この水分はランのプロトコームが生きられる湿度が絶対の湿度である。
   
 3 乾期、雨期のある熱帯林、草原。
    このエリアに自生する植物は、雨期に栄養生長を行い、乾期で水欠乏から落葉、枯死する。
    ここにも「枯れ落ち葉」が乾期に生産される。
    この乾期の水分が少ない条件では材木腐朽菌も活動できないから、
    この枯れ落ち葉が分解するのは、次に来る雨期になる。
    雨がくるまでこのエリアの材木腐朽菌は活動休止する。
    この材木腐朽菌の活動休止とカトレアの活動休止のサイクル、リズムは一致する。
    このことをSUGOI-ne栽培に取り入れる。
   温度が充分にあるのに、水分が欠乏するから落葉、生育停止する。
   しかし、この場合も、最低限の水分としてランのプロトコームが生きられる湿度はある。
   これがラン自生地の絶対的な水分条件である。
   SUGOI-ne栽培では、この水分を維持する潅水を行なう。

 4 熱帯雨林
    乾期、雨期のないエリア。
    この年中充分な水分、温度、光おある条件下でも、植物は新陳代謝のために、
    光合成の効率の低下した葉を落葉させる。
    当然「枯れ落ち葉」が大量に生産される。

   しかし、熱帯の昼夜の温度と多湿で材木腐朽菌は大繁殖できるから、
   枯れ落ち葉は短時間で分解される。
   したがって枯れ落ち葉はブナ林のように厚く堆積することはない。
   ラン栽培で、熱帯雨林に自生するランを栽培する場合、
   高温温室で熱帯雨林を再現するために、高温多湿栽培が行われる。
   SUGOI-ne栽培は、このランを栽培する場合、年中多湿にする必要がある。


 以上のように、ランの自生地には変化があっても、
 絶対的条件として
 1  枯れ落ち葉があること。
 2  材木腐朽菌が生息していること。
 3  温度が材木腐朽菌が生育出来るものであること。
 4  材木腐朽菌が生育できる水分が充分あること。
 この4点が必要である。
 この条件こそランが生きる上でも必要な条件である。

 
以上のことからSUGOI-neに炭素循環を構築するためには
  8℃以上の温度。
  充分な水分。
 この二つがあればよいことになる。

  

  しかし、これまでのラン栽培は1と2を削除してきた。
  炭素循環削除おラン栽培を行ってきた。
  このために、カラカラ乾燥を行ってきた。
 
 
これまでのラン栽培とSUGOI-ne栽培の最も大きな違いは 水分である。
  湿度である。

  カラカラ乾燥させないことである。
  SUGOI-ne栽培で最も多い失敗は、9月からの秋の湿度である。
  乾期に入るから・・・潅水を少なくする・・・という栽培を行うと失敗する。
  9月、10月、11月の外でも、材木腐朽菌は生育できる。
  生育するから水分を吸収しなければならない。
  こういう状態の時SUGOI-neを乾燥させると、
  ラン菌は、この乾燥したSUGOI-neからも水分を奪う。
  ランの根からも水分を奪う。
  大失敗になる。

  
SUGOI-ne栽培では最低温度7度より高い時期、温室では、
  オシボリより多湿にする。

  この水分があればラン菌がSUGOI-neを分解して養分をランに供給することになる。
  このSUGOI-ne栽培の炭素循環は、SUGOI-neに植えて約30後から始まる。
  この期間は、SUGOI-neに含んだ養分が水に溶けて、ランを元気にする。
  その後、徐々ラン菌がSUGOI-neを分解し、この養分でランは元気になる。

  このラン菌が大繁殖する約30日の期間が問題である。
  SUGOI-neから窒素をラン菌が吸収するからである。
  一時的な窒素飢餓が鉢内に出現する!
  この理由で、尿素、生油粕を与えて、この窒素飢餓を防ぐ必要がある。
  外に出して雨水であれば、この窒素飢餓を防ぐことができる。
  水道水の潅水では、尿素3000倍、生油粕を与える。
  これは、ランへの肥料ではない!
  ラン菌のエサとして与える!
  これで、SUGOI-neの炭素循環は完成である。
  
 
  SUGOI-ne2号
   SUGOI-neの開発当初、耐久性のことから「杉皮」を原料にした。
   しかし、耐久性があるということは、ラン菌が繁殖分解できないということでもある。
   ラン菌が杉皮を分解して、その養分をランに供給出来ない。
   これでは、軽石と同じである。
   炭素循環を鉢に構築できない。
   2年後、3年後になると・・・・無肥料栽培では・・・やはり栄養失調になった!
   炭素循環が構築出来なかった。

 それで赤松、カラマツの樹皮を原料にしたSUGOI-ne2号ゴールドを開発した。
 同じ針葉樹でも、杉皮と松皮、カラマツ皮では、全然異なる。
 松皮には分厚い形成層がある。
 この形成層には豊富な養分が蓄えられている。
 更に、外皮は耐久性がある。
 この外皮と形成層をミックスすれば、炭素循環と耐久性を同時つくることができる。
 SUGOI-ne2号ゴールドは、以上のように完璧なコンポストである。
 この狙いは的中した。
 ほとんどのランは、素晴らしい生育が実証された。
 
 SUGOI-ne1号
  ナラ、コナラ、ブナの樹皮。
  栄養が豊富だから・・・キノコに菌床に使われる。
  これで作るからラン菌にも絶好である。
  最適ということは・・・直ぐにラン菌から分解されるということでもある。
  約2年でラン菌から食べられてしまう。
  それで耐久性は2年である。
  急激にラン菌で生産される枯れ落ち葉からの養分。
  温室栽培では温度が高いから分解が早い。多くの糖が出来る。
  枯れ落ち葉の炭素循環を完璧に再現出来るから、
  山野草栽培に軽石、赤玉の約30%ミックスで素晴らしい生育になる。
  庭の草木には枯れ落ち葉の代わりに2cm位マルチすると良い。
  庭に自生地の炭素循環を構築できる。

  この理由で、弱った株、根腐れした株、バック吹かしに使用した場合、
  素晴らしい勢いで回復する。
  
  以上のような特性の違いがある。
  
 
  
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