枯れ落ち葉と着生ラン
枯れ落ち葉というイメージは「地上」という観念がある。
枯れ落ち葉の炭素循環という説明を行うと、
ラン栽培者は必ず・・・・では着生ランは?????という質問、反論が返って来る。
着生ラン。
読んで字のごとく・・・・何かに「着生」しなければ生きられない植物、ランである。
着生ランは空中に浮遊して生きるランではない。
根は何かに着いているからこそ着生である。
それが、樹の幹だろうが、枝だろうが、岩だろうが、石だろうが、アリ塚だろうが・・・・。
そもそもランは最初から大株はありえない。
一粒の種子。
この種子にラン菌が菌糸を伸ばす・・・運命的な出会い・・・が必要である。
このラン菌材木腐朽菌が生息していなければランの自生地は存在しない。
ラン菌が生きているところは枯れ落ち葉、植物の死骸があるところである。
着生ランの種子が芽生え、プロトコームになった場所。
そこには枯れ落ち葉の炭素循環が必ず存在している。
地上のように豊富な状態ではないが・・・・
着生ランは地生きるランに比較すると貧しい養分の下で細々と生きるランである。
前記したように、枯れ落ち葉に含み窒素成分は極微量である。
この窒素のみでは足りない。
そこでスコールの雨水に含まれる「尿素」から窒素を獲得しなければならない。
空中に根を伸ばしてスコールを待つ。
好き好んで空中に根を伸ばしているいるのではない。
枯れ落ち葉から糖を得る根と、空中に根を伸ばし雨水から窒素を得る根。
着生ランは根に役割分担を与えている。
ところが、人間は、自生地における根の姿から・・・・
ラン菌のいない、枯れ落ち葉のない木枠でバンダを栽培している。
これに窒素の多く含んだ液肥を与える。
結果・・・ナンプ病多発。
硝酸態窒素を多く含んだ細胞は軟弱である。
細菌は好んでこの弱い細胞を冒す。
薬では止める事は出来ない。
パフィオの杉皮、礫栽培でも同じである。
なぜ、こういう誤った栽培が行なわれて来たかというと、
蘭界の誰もが自生地に行って花に目線が行き・・・・
枯れ落ち葉の中で生きるプロトコームに興味を抱かなかったからである。
プロトコームから芽生える姿。
これを自生地で観察し、それを永年にわたって、その生長を観察記録したものはいない。
この目線で言えば、オランウータン、チンパンジー、ゴリラなどの霊長類の研究では、
現地の共に寝起きしながら何年にも亘って観察している。
頭が下がる・・・・。
ラン界では・・・・プラントハンターである。
プロトコームなど眼中にない。
カネにならない!
枯れ落ち葉の中から株を採取し、
これを植えるとき、ラン菌も関係なく・・・水ゴケ、バーク、軽石・・・。
ラン菌も、枯れ落ち葉も、炭素循環も糖も完璧に削除。
HOME
kouza5