炭素循環もいろいろ。
最近「炭素循環農法」というものが提唱されている。
「現代農業」にたびたび掲載されているEM菌と関連した炭素循環農法とは全然異なるから注意して下さい。
なぜなら、菌根植物が欠落して、ランの種子発芽までの理論がないからである。
有機農法。
有名なのがEM菌農法。
家庭ゴミの爆発的な増大から、短時間に微生物で分解。
これが、家庭ゴミで悩む地方自治体などで導入されている。
この菌が繁殖分解できるのは純然たる「枯れ葉」ではない。
生野菜のような家庭ゴミである。
「緑肥」である。
これには窒素を多く含むから醗酵する。腐敗する。
短時間に腐植化する。
良く考察すると、それらは炭素循環ではなくて、菌の種類から考察すると窒素循環栽培である。
枯れ落ち葉、
菌根植物が欠落している。
植物で最も進化したランが削除されている。
つまり、ランに腐生ランがあり、その説明がない。
その農法では、絶対にランの種子を発芽させることは出来ない。
ランの自生地が醗酵型ではランの種子は発芽できないからである。
菌根植物と共生する菌のことが欠落している。
EM菌ではランの種子は発芽出来ない。
共生する菌が違うからである。
ランの発芽こそ究極の炭素循環システムのなかで行われる生命活動である。
ランは最も進化した植物である。
地球上の植物90%近くは枯れ落ち葉の中に自生する。
ここがキポイントである。
枯れ落ち葉を分解する菌。
これと共生して生きるのがランである。
そのエネルギー源は、枯れ落ち葉の窒素の少ない細胞のリグニン、セルロース由来の糖、糖質である。
このラン菌による炭素循環栽培法は、もっとも進化したランから構築した栽培法である。
有機農法で使われるのは「堆肥」である。
この有機農法と、このランの種子が芽生える菌を使用した炭素循環栽培は根本から異なる。
この堆肥の原料が、家庭生ゴミ、バーク、イナワラ、モミガラ、落ち葉・・・。
これだけでは窒素が少ないから堆肥化できない。
そこで窒素の多い米糠、鶏糞、牛糞、魚、肉・・・などをミックスする。
これに繁殖するのは・・・酵母、乳酸菌などである。
材木腐朽菌は窒素が多いから繁殖出来ない。
上記の菌が繁殖すれば・・・醗酵、腐敗が行われる。
一般の植物に醗酵、腐敗してない、熟成していないものを施すと、
大きな害があるために、熟成した堆肥を施さなければならない。
これも硝酸態窒素を与えることになるから・・・結果は化学肥料を与えた場合と同じになる。
ところが・・・ランでは、杉皮、ヤシ繊維のように、他の植物の根に害がでるもので栽培する。
本当にラン菌がいない状態で、害がないのか???
2,3年後に作落ちがでてくる。
これを肥料でカバーしているが、それでランは喜んでいるのか????
SUGOI-neも生の樹皮である。
だが、大きな違いはSUGOI-neにはラン菌が生きているということである!
SUGOI-neを「枯れ落ち葉」にしているのである。
ここがSUGOI-neが革命である理由である。
根本はどんなランにも適合するラン菌の発見である。
家庭生ゴミが大きな社会問題になっている。
この家庭生ゴミを数日で堆肥化する装置、微生物が多く販売されている。
これは野菜クズ、バーク、イナワラ、モミガラ、落ち葉などのリグニン、セルロースを、
分解するから・・・これも炭素循環であるが、これらの菌は窒素が多くないと分解できない。
だから、炭素循環というより、窒素循環である。
純粋な意味で糖が醗酵すればアルコールになり、植物は吸収することができない。
炭素循環栽培では醗酵する菌ではなく、リグニン、セルロースを酵素で分解する菌である。
この低分子化された糖、糖質を植物が必要とする。
これが、ラン菌による炭素循環栽培法である。
この低分子化された糖も更に分解され炭酸ガスとなって空中に放出される。
問題は、材木腐朽菌によってリグニンが低分子化された糖の存在。
この糖が、これまでの農業、園芸、ラン界で削除されてきた。
根圏に棲息する微生物のなかに、植物と共存している菌の研究が遅れに遅れている。
糖、糖質の吸収が未解明のまま削除されている。
しかし、ランには、この枯れ落ち葉分解由来の糖、糖質で・・葉を持たないで生きる腐生ランがある。
このことを、説明できない栽培法では、植物を説明したことにはならない。
EM菌では、絶対に栽培できない。ランを栽培できない。
醗酵には・・・「アルコール発酵」「乳酸菌醗酵」「メタノール醗酵」があるが、
腐敗には
生物の遺骸(いがい)(死んだ個体や組織)や排出物など窒素を含む有機物質が、嫌気的細菌の働きによって不完全分解する現象をいう。タンパク質は、 細菌の生産する加水分解酵素により分解されてアミノ酸となる。アミノ酸からは脱アミノ反応によって低級脂肪酸やアンモニアが生じ、脱カルボキシル反 応によってアミンが生じる。また、硫黄(いおう)原子を含む含硫アミノ酸からは含硫化合物が生じる。脂肪も不完全分解によって低級脂肪酸を生ずる。糖 は発酵してエタノール(エチルアルコール)やブタノールなどのアルコール類のほか、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸、アセトインやジアセ チルなどの低分子ケトン類を生ずる。これらの過程では二酸化炭素、水素、メタンなどのガスも発生する。有機物の嫌気的分解によって生じるこれらの物 質の多くは悪臭を発するが、これがいわゆる腐敗臭である。腐敗をおこす細菌は多種あり、とくに枯草(こそう)菌、クロストリジウム、シュドモナス(プソイド モナス)などがよく知られている。大腸菌は哺乳(ほにゅう)類の腸内に普通にみられる細菌で、個体が生きている間は消化を助ける働きをしているが、死 ぬとその腐敗に重要な役割を果たす。
腐敗は不快な現象であるが、自然界においてはきわめてたいせつで、生体で利用されていた複雑な有機窒素化合物を、簡単な有機窒素化合物や無機 窒素化合物に変化させ、これによって生物が窒素を循環利用できる仕組みが形成されている。
引用 ヤフー百科辞典 [ 執筆者:嶋田 拓]
以上のように現代農業記載の炭素循環農法に使用されている廃菌床による栽培は、
廃菌床は畑に入れられると死ぬから菌糸は腐敗する。腐敗菌による窒素循環である。
菌床作製には窒素を多く含む米糠をミックスすることが多いからである。
その記事には、リグニンの分解、そしてできる糖、糖質についての記述がない。
菌根植物、共生菌の記述がない。
EM菌からスタートする栽培は、炭素循環農法ではないのではないか????
枯れ落ち葉の材木腐朽菌による炭素循環とは全然異なる分解である。
「腐生ラン」のラン。
これで使用される「腐生」というのは、適確な用語ではない。
腐った枯れ落ち葉ではないからである。
「腐葉土」ではないからである。
前にも記したが、「枯れ落ち葉」と「腐葉土」は全く異なるものである。
ラン栽培で・・・
EM菌で作った「ぼかし」は、非常に危険である。
筆者のラン園でも大失敗した経験がある。
EM菌は絶対にラン菌にはなれない菌類である。
菌根植物。菌根菌。
この研究は始まったばかりである。
ランには、上記の家庭生ゴミを急速に醗酵、腐敗させて分解する菌を使ってはならない。
ほとんど嫌気性菌で、ラン菌の好気性菌とは生きる環境が全然異なる。
SUGOI-ne栽培に、醗酵バーク堆肥を使用することは危険である。
ランは共生しないからである。