温室はナンプ菌でいっぱい!

 無機化学肥料栽培の弊害

 全国の施設園芸のハウス内は、いよいよ病害が多発してきた。
 ランの温室も同じ。
 この最大の原因は何か。
 自生地における自然界の炭素循環がないからである。
 特にランは菌根植物。
 このことを削除した栽培であるから、温室に病気が蔓延すれば防げない。
 コチョウランのような高温多湿下で栽培される熱帯雨林に自生するランでは、
 短時間にナンプ菌は増殖蔓延する。
 そういうことで、株の保存はほとんど困難になる。
 当然、成熟、老化した株での切花栽培は不可能になった。
 バラよりも頻繁に消毒しなければならない。

 パフィオのブラキは、ナンプ病に弱いとされている。
 ブラキは原種である。
 ナンプ菌に弱い遺伝子ならば、誰も消毒しない自生地で生き残れない。
 ブラキは決してナンプ菌に弱くはないということである。
 炭素循環のないコンポストで作られたブラキの株はナンプ病に侵され易いのである。
 このことを間違ってはいけない。
 私達は、ランから見ればとんでもないコンポストで植えて、
 とんでもない肥料を与えて、自生地ではありえないひ弱な身体の株を作ってきたということである。
 こういう株に育てるからナンプ菌に侵されたのである。

 この問題は、どこかでイノベーションしない限り、解決出来ない。
 今までのコンポストで、今までの肥料で栽培する限り、
 今後も延々と続くことになる。
 ランを菌根植物であるという・・・原理原則、根本を削除した栽培で起こることだからである。
 このランを、何時の頃からか「礫」栽培するようになった。
 肥料を与える。
 この姿は、レタスなどの、戦後の進駐軍が行った礫耕栽培と同じである。
 これで、ランに病気がかからない方が不思議というものである。
 石灰岩のところに自生しているから、石灰岩が好き???
 土壌学的に見れば、そういう見方、理解の仕方になる。
 だが、この見方は、ランが菌根植物であるという、最も大切なところが見落とされている。
 ランは決して、石灰岩に根を侵入させ伸ばしているのではない。
 石灰岩の窪み、裂け目に枯れ落ち葉が吹き溜まりになって堆積している。
 この貧しいまでに少ない枯れ落ち葉にも、材木腐朽菌(ラン菌)の生活の営みがある。
 非常に貧しいながら炭素循環は構築されている。
 ここにパフィオの種子が落下し、ラン菌の力を借りて、
 枯れ落ち葉の炭素循環の糖、養分を吸収して、細々と遅々と生き続けている。
 この植物には、こういう場所しか残されていなかったのである。
 こういう場所なら、他の植物の葉がないから、光は充分ある。
 だから、こういう場所でも生きられるように進化した。
 菌根を備えて・・・。
 豊かな炭素循環は構築されているエリアは、
 生長の早い植物に占拠されているからである。


 植物分類学による分類では、細かく分けて、
 似たようなものを集めて整理するが、この分類の仕方では、
 栽培を行う場合、誤解が生まれることがある。
 同じ属だから、同じ性質を持つとは限らないからである。
 ラン栽培では、花の些細な違いに囚われるよりも、
 全てのランに共通するものを知ることである。
  
ランは菌根植物であること。
  ラン菌と共生して生きていること。
  ランの自生地には必ず枯れ落ち葉の炭素循環が構築されていること。

 この三つのファクターが絶対である。
 このことから、一般植物とラン科植物を分類すると、ラン栽培が見えてくる。
 パフィオは「離層」を持たないランである。
 エビネも持たない。
 カトレアもデンドロもシンビも、コチョウランも落葉する。
 枯れ葉は、本体から離れて・・・以上に舞い落ちる。
 カタクリもキンポーゲ科植物も・・・フキもタンポポも「離層」を持たない。
 本体の体に付いたまま枯れ葉は材木腐朽菌によって食べられる。
 つまり、炭素循環が、身体についたままで行われるということである。
 自生地では、この養分で生きているということである。
 そこには、枯れ葉に含まれた僅かな窒素と雨水に含まれた尿素の窒素があるだけである。
 これで生きられるようになっている。
 菌根植物のランは、根に菌まで飼っている。
 この根本の原理原則が、ラン栽培では削除されてきた。
 ラン菌(材木腐朽菌)のいないコンポストで植えるから、菌根にはなれない根。
 枯れ落ち葉がない、ラン菌がいないから炭素循環は当然ありえない。
 これに、早く大きくしたい、沢山花を咲かせたいために肥料を与える。
 その結果は・・・誰でも想像できる・・・病気である。
 カトレアが水ゴケでどうにか作れるのは、貧しい炭素循環の樹上で生きる植物だからに過ぎない。
 砂漠生きるラクダみたいなもの。
 粗食に耐えられる動物と同じである。
 ランは、花が美しいものが多いから、愛好家がいるが、花を除けば、取り得のない植物である。
 バニラは・・・花ではない特異なラン科植物である。
 
 パフィオ ブラキがナンプ病に弱いのではない。
 これまでのコンポスト、栽培法が、ナンプに弱いブラキを作ったのである。
 これを改めれば、自生地のブラキの体になるのである。
 それには、自生地における炭素循環栽培法をすることである。
 SUGOI-ne。
 世界で初めて自生地の炭素循環を鉢に再現出来るコンポストである。
 実際に栽培した結果が全国から寄せられているが、
 SUGOI-neで素晴らしい生育になる・・・という。
 
 ブラキの栽培家の中には、何を勘違いしているのか解からないが、
 ブラキをSUGOI-neで・・・病気が怖いから植えられないという。
 こういう間違った考え方が蔓延している。
 どこで、こういう固定観念が生まれ植えられたのか。
 本か・・・。
 講習会か・・・・。
 今は、情報の伝達が早い。
 間違った栽培法も、全国に短時間で広がる!
 パフィオも、エビネも・・・・。

 一度植えられた固定観念というのは、なかなか捨てられない。
 SUGOI-neを否定する人は、自生地の炭素循環を知らない人である。
 


 全国のラン栽培温室はナンプ病菌で汚染されている。
 この菌は硝酸態窒素のあるところ、どこにでも生息できる。
 ラン栽培は、多くの蘭園から鉢を買い集めるから、当然・・・病菌蔓延する。
 更に、水ゴケ、バーク、軽石、杉皮・・・栽培には、
 ラン菌が生息しないから、これに化学肥料、有機質肥料を与えるから、
 短時間に繁殖し蔓延する。
 近代農業の無機化学工業で生産されている化学薬品である「肥料」。
 ランはこの肥料の犠牲者である!
 ラン菌が枯れ落ち葉を分解して、最後の過程で無機のイオン形態の分子で吸収されているから、
 無機化学合成で作った薬品でも結果は同じである・・・という理屈。
 この理屈で水耕栽培が生まれた。
 この考え方がランに、山野草にも導入されてきた。
 結果・・・現在の悩み、問題である。
 貴重な種が絶種してゆく・・・。
 ランは菌根植物。
 本当に無機化学薬品の施与でいいのか。
 
 初めてラン栽培して、新しい温室の場合は、数年病気の発生は少ない。
 ところが、パフィオ、コチョウランのように、年中湿度が必要なランでは・・・
 特に短時間に蔓延する。
 永年栽培していると、病気の悩みは深刻になる。
 コチョウランでは・・・この病気のために、切花栽培は不可能になった。
 苗から育て全部鉢で出荷する。
 温室をカラにする。

 プロはこういう栽培を行うことになるが、趣味では・・・・
 パフィオのようなランでは・・・・永年栽培することになるから、悩みは深刻である。
 ランを肥料で作る!
 こういうラン栽培が日本で流行し、これが当たり前になっている。
 肥料漬けのラン栽培。
 一年でも早く大きくして出荷したい。
 一年でも早く・・・沢山の花を見たい。
 それで・・・多量の肥料を与える。
 硝酸態窒素。
 菌根になっていないランの根に、この化学薬品がストレートに入る。
 濃い肥料なら・・・
 ラン菌が枯れ落ち葉を少しづつ分解した僅かな窒素なら、健康な細胞である。
 これに人間の欲で・・・肥料を与える。
 メタボ・・・ランの誕生である!
 成人病予備軍のラン。
 自生地では、誰も肥料など与えないのに・・・・。
 植物の糖尿病が「ナンプ病」である。
 消毒ではナンプ病は防げない。
 

 これから逃れるにはどうするか。
 これまでの栽培を根本から変える必要がある。
 これまでは・・・変えようとしても変えることは出来なかった!
 ラン菌入のコンポストが無かったからである。
 SUGOI-neの開発で、これが可能になった。
 温室内にラン菌を繁殖させれば、温室を自生地に変えることができる。
 ラン菌を勝ち組みにすればよいのである。

 ここで問題になるのが、ナンプ菌は株の体内に潜伏していることである。
 この細胞内に潜むナンプ菌を殺菌することが・・・これまで出来なかった。
 それができるようになった。
 「ナノ銀粒子溶液」である。
   ナノ銀ヘルパーA・・・で消毒してSUGOI-neで植える。
 小面積なら、これが一番良い。
 大面積では、これが出来ないから、SUGOI-neで植える。
 病気に汚染されている株は助からないが、数年経てば・・・ラン菌が勝ち組みになるから、
 生き残った株は助かる。
 時間はかかるが・・・こういうことをすれば、温室を自生地のようにラン菌主役の条件に出来る。

 

 日本の園芸は、肥料メーカーが広告に一番多くカネを使ってきた。
 どの本見ても肥料の広告である。
 よって・・植物栽培イコール肥料・・・というマインドコントロール。
 この中にランも巻き込まれている。
 より立派に咲かせたい。
 この向上心は・・・・即・・・肥料を与える・・・短絡的思考になる。
 結果・・・ナンプ病大発生。


 日本中の温室に、栽培場に・・・SUGOI-ne栽培で・・・
 宇井清太が発見したランが繁殖生息したとき、
 日本のラン界は大隆盛する。
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kouza54