イネでも野菜でも育苗鉢、育苗床からベアルート状態で、
 本田、本畑に植えても、簡単に根付く。
 つまり馴化が無造作に出来るが、ランの馴化は難しい。
 恐らく、園芸の技術の中で最も難しいだろう。
 環境条件を整えないと、ほとんど枯れる。
 こういう経験をほとんど人がしている。

 この理由が、腐生ランを作るのが、ほとんど困難と同じ理由である。
 なぜ、腐生ランは葉を持たないでも、生育し、やがて花を咲かせることが出来るのか。
 種子を稔らせることが出来るのか。
 腐生ランの自生地で肥料を施与したものなどいないにもかかわらず・・・・
 多大なエネルギーを消費する生殖活動を行なう。
 ラン栽培が、このことを忘れ、削除してきたのではないか。
 ランはラン菌と共生して生きる菌根植物であるということを・・・である。

 Cymbidiumメリクロンフラスコ。
  培養後3年経過したもの。
  約200日間は生育した。
  培養基内の砂糖分が約200日の培養で消費され、その後約800日は
  全然生育しない。

  光が充分ある状態の培養でも、他の養分があっても、砂糖分がなくなれば生育停止する。
  生育するのは、培養基に添加したエネルギー源である炭素・・・「糖」が
  有る期間である。

 上の写真は独立自養植物のダイコンをランと同じように無菌播種したものである。
 大きな違いは培養基から炭素源である砂糖を削除している。
 ダイコンの種子にはエネルギー源としての炭素化合物である胚乳が具備されている。
 写真左は、光の有る条件下で砂糖削除の無菌の培養基上で発芽したダイコン。
 写真右は約30日後の成育。
   砂糖削除の培養基でもダイコンは自らの光合成で生育を行い、このように生育した。


  この姿が独立自養植物の生長である。
   前記のランの生長とは大きな違いがある。


 この違いに腐生ラン、クマガイソウ、カキラン、アツモリの栽培上の問題が
  ラン菌削除のコンポスト栽培に残されていたのではないか。


   

 上の写真はCymbidiumのメリクロンフラスコである。
 この培養基に炭素源(エネルギー源)として培養基1Lに約30gの砂糖を添加する。
 3%という極めて高い濃度である。
 この砂糖はイオン融解しないから分子の状態で培養基内に解けている。
 
 この炭素循環栽培法の疑問はこの添加したエネルギー源の糖の問題である。
 暗黒状態で培養しても、この糖をCymbidiumのPLB、苗が消費つくすまでは増殖、
 及び生長を継続する。
 やがて、増殖、生長が停止するときが来る。
 培養基の糖を消費つくした時である。
 他のN,P,K・・・その他の要素が存在しても、この炭素源である糖がなくなれば、
 増殖、生育は停止する。
 この暗黒培養条件では、光がないから当然光合成で生長のエネルギーを作ることは出来ない。
 この増殖、生育の為のエネルギー源は、全て培養基い添加した砂糖で賄われている。

 光合成するに充分な光条件下での培養ではどうか。
 この条件下でも、前記の暗黒培養での増殖、生育と全く同じパターンである。
 光合成が充分行われるにもかかわらず、生育がとまり、
 フラスコ内の苗は「老化」現象を現わす。
 つまり、培養基ないの糖が有る間は、増殖、生育するが、消費され尽くすと停止するということである。
 ランが種子が発芽するときのみ、ラン菌が供給する炭素を必要とし、
 葉が発生すれば、自分で光合成を行ない、その糖分で生長するという・・・・
 独立自養植物の生長をしないということである。
 この時点では、培養基内には、充分なその他の養分は残量している。
 つまり肥料成分は充分残っている。
 しかし、フラスコ内での生育は、光がありながら生育はとまり、それ以後生育はしない。
 光があっても苗は老化の方向に進んでゆく・・・・。
 肥料を与えても、生長はほとんどしない。
 糖の含む培養基に移植すると、生長を開始する。
 この理屈で、ランの場合は、ある大きさになるまで新しいフラスコに移植を繰り返す。
 そして、鉢に植えられても生育できる大きさになるまで培養基上で育てる。
 しかし、それでも馴化は難しい・・・。
 鉢に植えたとたんに糖がない状態で生きることになるからである。
 光合成を行なっているのであれば・・・・砂糖が枯渇しても、生育するか、
 少なくとも老化には至らないのではないか。しかし、現実は老化する!
 この意味は、光合成で作る澱粉と、消費する澱粉が同じか、生産する澱粉が少ないかということである。
 消費する量が多ければ・・・老化の方向に進むことになる。
 栽培現場でも、株分け時には、これと同じことが起こり得る。
 バルブの養分が日に日に少なくなる。
 更に、新根を伸ばすエネルギーも必要。
 こういう状態になれば、容易に株は回復しないことになる。
 自然界では、この不足するエネルギー分を、ラン菌が供給しているのではないか?
 SUGOI-ne栽培では、株分け後作落ちしないのは、SUGOI-neのラン菌の活動によるものではないのか?
 ランは発芽以降も、大株も、ラン菌が供給する「糖」を必要とする植物なのではないか?
 このように考察すると、ラン栽培の作落ちの問題は、見事に説明できるのである。
 ラン栽培で説明がつかないところが、説明できるのである。


ランは光合成のみで生育できるのか

  株分け後の落ち込みはなぜ起こる???

 ランは独立自養植物なのか???
 最も基本になる疑問点である。
 現在のラン栽培は、葉で光合成したもので生長し、生命を維持継続し子孫を残せる・・
 という見解から行われている。
 ランは菌根植物。
 本当に独立自養植物なのか・・という疑問である。
 ランは真に発芽するときだけラン菌を必要とするのか。
 違うのではないか。

 













































































































 なぜランとダイコンで、このようなことが起こるのだろうか・・・????
 ここにランが菌根植物であることが大きく関係しているのではないか????
 ランは葉を持つようになってからも、腐生ランと同じようにラン菌に依存しているのではないか????
 このラン菌による炭素循環栽培法は、この疑問から生まれた栽培法である。
 ランには一般の植物と違って、肥料では解決出来ないことがある。
 
この栽培法は、大株になっても、ある場面ではラン菌の支えが必要という
 仮説から導かれた栽培法である。
 ランも植物である。
 何時も元気であるとことはありえない。
 弱ったとき、己の葉で行う光合成は当然減少する。
 自生地では株分けはない。
 ところが、ラン栽培では、この弱った株ほど、植え替え、株分けの手術で、
 起死回生を試みる。
 この人為的な技術。
 この場面で・・・激しく株は衰弱する。
 当然この株は、ラン菌のいない状態では・・・細々と光合成を行なう。
 他からのエネルギー補給はない。

 ランは・・・この場面で「支え」が必要なのではないか????
 「公的資金の投入」である。
 大きい会社、銀行に・・・・政府は注入している!
 瀕死の会社を・・・蘇らせる!
 人間だって体が弱るときがある。
 食べられないほど弱るときも有る。
 その時、どうするか?
 ブドウ糖注射、点滴を行う。
 「糖」である。
 植物も動物も活動に必要なエネルギーは「糖」「糖質」である。
 窒素ではない。
 窒素は生長を促進する要素であるがエネルギー源ではない。
 株分けの衰弱した株。
 これを、これまでのラン栽培では、イジメテ根を出させ、肥料を与えた。
 これまでのラン栽培では肥料が公的資金と考えてきた。
 根本的に間違っているのではないか?
 自分が病気したとき、こんな治療されたら・・・死んでしまうのではないか?
 そういう視点で考えれば、とんでもない栽培法が行われているということになる。
 ましてや、他国から異郷の地につれてきて、拉致してきて、
 水ゴケ、バーK、軽石で植えられるランの身になって考えれば、
 健康な体を維持することなどほとんど出来ない・・・。
 この状態に・・頑張れ、頑張れ、頑張れと窒素を与えれば・・・どうなる!
 硝酸態窒素の過剰吸収が行われ、病気になってくれ・・・という身体を作ることになる。
 自生地では誰も肥料などやらない。
 枯れ落ち葉の分解した養分で生きてきた。
 それで充分・・・・というつつましい生き方をしてきたのである・・・ランは。

 ラン菌による炭素循環ラン栽培法では・・・
 ラン菌が政府で公的資金アは・・・糖である。
 支え・・・バックアップする・・・・これが必要である。
 それがラン菌である。
 人間も弱ったとき、手術後は・・・・ブドウ糖点滴、注射である。
 植物も同じ。

 これまでのラン栽培は、手術した人に、水も与えない、栄養与えないで、
 回復せよ・・・・というようなものである。
 どこか・・・おかしいと思いませんか???
 この疑問から出発した新理論、新栽培法である。


 ランな菌根植物。
 なぜ菌と共生関係を結ぶ必要があるのか。
 こういう疑問が湧く。
 赤松はどうか。
 ツツジ科植物はどうか。
 
 確かに赤松もツツジ科植物も葉の光合成で生長できる。
 鉢に植えた場合もランほど難しくはない。
 しかし、オーストラリアの赤松移植の例にも見られるように、
 本当の無菌培養土では生育出来ないか、極端に生育不良になる。
 軽石、赤玉、鹿沼の土には菌根菌が棲んでいる。
 又は栽培中に空中から胞子などが落下する。
 普遍的に日本全土に分布している菌なら・・・オーストラリアのような問題は起こらない。

 ラン菌は前項で記したように発芽のときだけ必要な菌なのか。
 この疑問を持つ。
 なぜなら、ランは確かに元気が良いときは、どんなコンポストでも良く出来る。
 しかし、一度衰弱、株の勢いが衰えれば、それを回復させるのが至難になる。
 やがて屍・・・累々という惨状になる。
 こういう状態になって経営破たんした著名な蘭園は数多くある。
 数多くあるというより・・・切花栽培の大ラン園は・・・ほとんど消滅した。
 株の勢いを継続できないための破綻である。
 現在のランの切花経営は、数年で株を更新して経営を維持している。
 次々と次世代の苗をメリクロンで育成して経営せざるを得ない。
 
 なぜ、自生地では何十年、何百年も生き続けてきたランが、
 栽培では簡単に衰弱するのか・・・・。
 ラン菌削除、不在のコンポストで栽培する限り、この問題は解決できない。
 ラン栽培の最も大きな問題である。
 この問題があるからこそ、エビネも、クマガイソウも、アツモリも絶種した。
 人間が栽培するランは、いづれ枯れる運命にある。
 これまでのラン栽培は、株分けの株の衰弱を防止できなかった。
 ベテランほど、ラン作りが下手になる現実。
 なぜだ・・・!!!


 ところがSUGOI-neで植えると、劇的に回復する。
 この回復は何が関係しているのか。
 この元気回復の基は何なのか????

 

 この疑問を解く栽培が
  ラン菌による炭素循環ラン栽培法である。



       次のページにSUGOI-ne栽培の劇的な株回復の写真を掲載する
 
 
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kouza7