ランのフラスコ出しは難しい。
順化は難しい。
園芸で最も難しいのはランのフラスコ出し、そして順化である。
無菌播種培養でもメリクロンでも、プロトコームから発芽した小さな苗を、
フラスコから出し、培養基で育った苗を、水ゴケ、バーク、軽石に植えて活着させ、
健全な苗に育成するには「順化」が絶対の技術になる。
培養基には「糖」があった。
鉢に植えた途端、コンポストには糖がない。
小さな苗は小さな葉で行う光合成のエネルギーで生きることを余儀なくされる。
このショック。
人間なら生きることが不可能な位の環境変化である。
この順化お難しさを軽減する意味で何回も新しい培養基に移植して、
大きな苗にしてからフラスコから出すことが行われている。
つまり自分の葉で生きるために必要なエネルギーを得られる光合成が出来る大きさまで、
培養基の糖で生育させることが行われる。
このとき、培養基から糖を除いたものでは、生育が非常に悪くなる。
この事実を見てもわかるように、培養基は他の植物の種子の胚乳の役割をしているのである。
ランの自生地では・・・。
この時代のランは、ラン菌は枯れ落ち葉を分解し出来た糖を、菌糸が供給している。
この糖をエネルギーにして呼吸作用も、光合成も行なう。
実験1
無菌培養して発生したプロトコームをラン菌のいない水ゴケ、軽石、バークに植える。
1本も芽生えて葉を出すものはない。
やがてプロトコームは死滅する。
実験2
このプロトコームをSUGOI-neに植える。
ほとんどのプロトコームは発芽して葉を出す。
この実験からわかることは、糖のない水ゴケ、軽石、バークなどのコンポストでは
活き続けることが出来ないという事実である。
ラン菌の棲んでいるSUGOI-neに植えるとプロトコームはそのまま生育してやがて葉を出す。
この衝撃的な事実は、この無菌培養で形成されたプロトコームも、
ラン菌の菌糸の侵入を許し、ラン菌が供給する糖を吸収して発芽展葉する。
このことから、ラン菌による炭素循環の糖が、自生地において必要不可欠のものであることが実証された。
SUGOI-neを使用すれば、無菌培養で作ったプロトコームを種子を播くようにして発芽出来るということである。
このようなことが可能なコンポストは、これまで一つもなかった。
この実験によってこれまでラン菌といわれてこなかった材木腐朽菌が、
ラン菌になりえることが実証されたのである。
ランの種子が芽生えることが出来るコンポスト。
これが理想の究極のコンポストであることを否定するものはいないはずである。
だが、この実証があってもSUGOI-neに否定論者がいる。
世の中とは面白いものである。
人とは面白いものである。
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