ピルビン酸葉面散布による光合成補完作用について
植物の茎葉は「好気条件」である。
ようやく、光合成不足をカバーする技術を開発することが出来た。
詳しく説明する。
生物の「解糖」システムを利用した画期的な世界初の技術である。
澱粉→グルコース(ブドウ糖)→ピルビン酸→ミトコンドリア→クエン酸回路→エネルギー
植物が光合成で作った澱粉は上記のように分解されエネルギーとなる。
光合成が充分に行われない場合は、一番最初の「澱粉」の量が少ないということ。
植物にとって地球の自然は・・・非常に厳しい・・・優しくない環境条件である。
植物が望むような澱粉を生産し蓄積できない過酷な星である。
それでも、植物は・・・多様な方法で・・・子孫を残すためのエネルギーを調達するシステムを構築している。
そのエネルギー調達の基本にピルビン酸がある。
これまで、農業現場で、このピルビン酸を削除、無視してきた。
ピルビン酸を利用して、光合成を補完する技術を開発してこなかった。
ピルビン酸の前段階のブドウ糖(グルコース)の葉面散布などが行なわれてきたが、
分子の大きいブドウ糖は根で、葉で吸収されないため、光合成を補完できなかった。
炭酸ガス施肥。
理論的には正しいけれども・・・露地栽培では行うことが出来ない。
夏負けを・・・ほとんど防止できない・・・。
澱粉からクエン酸回路に至る植物の解糖系は、好気条件下で行われる。
植物の葉は・・・常に呼吸作用を行っている。昼も夜も・・・。
酸素を調達するためである。
日中炭酸ガスを調達しているときも、同時の呼吸作用を行な、空気から酸素をえている。
なぜ・・・酸素が必要なのか。
澱粉からクエン酸回路に至る解糖系は、全て「酸化」であり燃やすことでエネルギーに変換している。
「静かな燃焼」である。
ブドウ糖の分子量約160。 この大きい分子では植物は吸収できない。
ピルビン酸の分子量約80。 この小さい分子は植物は吸収できる。
MOG-A1菌は澱粉、糖から・・・簡単にピルビン酸を産生する!
このピルビン酸を土壌に施与、葉に葉面散布すれば・・・
植物は数分で吸収を開始する。
このピルビン酸を呼吸作用で調達した酸素で・・・細胞内のミトコンドリアが、
クエン酸回路で燃やしエネルギーに変換する。
光合成で産生した澱粉と、人為的に投与したピルビン酸の二つのエネルギー源で、
植物は素晴らしい生育をする。
素晴らしい花、果実、塊根・・・を形成する。
暑さにも、寒さにも耐えられる。
充実した枝を作る・・・・。
肥料では環境悪化で起こる光合成不足をカバーすることは出来ない。
人為的なピルビン酸施与によって、人類は初めて光合成不足を補完する技術を手にした。
(国際特許出願済み)
## 植物の葉、茎は・・・「好気条件」である。
植物の茎葉細胞には常に気孔、細胞間隙を通して「空気」が供給されている。
ピルビン酸施与は、この空気を利用することで完成した。
動物の細胞との違いである。
## 根からピルビン酸を吸収させる技術理論は、別項目で説明する。
土壌には酵母菌が生息しているので、葉面散布の技術とは異なる技術が
必要である。
いづれにしても、解糖系を利用した光合成補完技術は、MOG-A1菌という稀有な特性を持った
菌の発見によって、世界の農業を一変させる新技術が生まれた。(国際特許出願済み)
世界には多様な農業資材、農法があるが、ほとんど病害虫の前に敗れている。
このため、農業では明解な「農業ビジネスモデル」を構築して、世界展開することは適わなかった。
安心、安全で安価な食糧、食品、加工食品、・・・薬草、漢方薬・・を生産できなかった。
密閉型の植物工場でも・・・・。
なぜ・・・出来なかったのか???
地球の悠久の年月が作り上げた微生物生態系と大きく乖離した栽培を行ってきたからである。
地球のほとんど全ての生物は、前記したクエン酸回路でエネルギーを調達しているが、
ここに関わる微生物の問題である。
自然界における植物のクエン酸回路の主役菌は、リグニン、セルロースを分解出来る・・・
白色木材腐朽菌であるが、これまで・・・農業は無機栽培か、有機栽培では醗酵腐敗菌を使用してきた。
畜産排泄物・・・。
自然界における有機物からピルビン酸→クエン酸回路までに関係する菌は、
好気性菌であり、嫌気性菌の醗酵腐敗菌ではない。
つまり、醗酵腐敗菌の細菌は・・・菌根菌になれない。つまり植物がパートナーに選ばなかった菌である。
菌根菌であるMOG-A1菌によるピルビン酸の産生の発見で、
植物が・・・なぜ菌根菌木材腐朽菌と共生するように進化したのかの謎が解けたようである。
光合成補完の共生菌は・・・ピルビン酸を産生する木材腐朽菌が主役菌である。
これまで・・・農業はこの菌を無視、削除してきた。
農学は・・・・テーアとリービッヒとパスツールに支配されてきたようである。
クエン酸回路(クエンさんかいろ)とは好気的代謝に関する最も重要な生化学反応回路であり、
酸素呼吸を行う生物全般に見られる。1937年にドイツの化学者ハンス・クレブスが発見し、
この功績により1953年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。
根によるピルビン酸吸収について
これまでの植物科学の知見では、土壌に糖を施与しても、植物の根は糖を吸収することが出来ないとしてきた。
事実、土壌に糖を投与しても、光合成減少を補完できなかった。
しかし、MOG-A1菌による澱粉、白砂糖、グルコース、マンニトール、果糖から産生したピルビン酸を、
土壌に施与した場合、非常に効果があることが示唆されている。
これまでの科学先行知見を一変させる結果が出てきた。
この糖投与技術は、国際特許を出願した。
出願したことで、少し詳しく・・・この根によるピルビン酸吸収について記する4.
なぜ、これまで土壌に糖を施与することが出来なかったのか???
土壌に「酵母菌」が生息しているからである。
嫌気状態の土壌に糖を投与すれば・・・アルコール醗酵してしまうからである。
土壌の酵母菌を根絶すれば・・・糖→グルコース→ホスホエノールピルビン酸→ピルビン酸に解糖が起こらない.。
分子の大きい糖は、根毛では吸収できない。
酵母が生きていても、酵母がいない圃場でも・・・糖を投与できない。
ところが、MOG-A1菌は「酵母菌」を不活性化する・・・能力を持っている。
このMOG-A1菌が生息している土壌なら「糖」を施与することが可能になった。
MOG-A1菌が糖からピルビン酸を無操作に産生する。
更に、MOG-A1菌は「菌根菌」である。
ピルビン酸を菌根菌の菌糸が吸収し→植物の根に供給する。
植物の根は根毛からピルビン酸を吸収するのではなく、菌根菌の菌糸から調達する。
前項の葉面散布によるピルビン酸吸収とは異なった吸収システムである。
調達されたピルビン酸は、植物の各部位に運ばれ、細胞のミトコンドリアに入り、
クエン酸回路によってエネルギーに変換される。
この変換されたエネルギーは、光合成によって産生された澱粉とあわされて、植物は生育する。
人為的に光合成補完できる技術が世界で初めて開発された。
これまでは・・・多様な光合成関係の資材は・・・
光合成を活性化させるものである。
だから・・・効果が見えない!
酵母菌が・・・障害菌となっていたからである。
乳酸菌も障害菌になるからである。
枯れ落ち葉を分解出来る菌根菌MOG-A1菌が・・・枯れ落ち葉からピルビン酸まで解糖を、
行ない・・・根に糖を供給する。
この発見は,光合成の減少による作物の生育不良、収穫減少をサポートする技術になる。
植物は「独立栄養生物」で、生きるための全てのエネルギーは自身で生産できる。
この科学的知見は正しい。
しかし、大自然の中の植物は、前記したような菌根菌木材腐朽菌と共生して生きている。
この理由は・・・ピルビン酸による光合成補完である。
ピルビン酸が根から吸収されることが実証されたことで、
人為的に植物の光合成不足を補完する技術が完成した。
活性剤、炭酸ガスで弱った植物に・・・もっと多く光合成やれ!・・・とするのではなく、
ピルビン酸を補給して・・植物を元気にする技術である。
この技術によれば、現在市販されている「植物活性剤」「光合成関連資材」は、
ほとんど過去のものとなる。