煩悶ーーーー
男に凭れることなど・・・・思いもしなかった。
待たなくとも、いつも、多くの男が足しげく通ってきた。
今は、追いかけても、姿が見えない・・・・
こころが−−−−見えなくなってしまった。
この歌を蕾、開花、落花の変化で表現するのは、どんな花でも出来る。
だが、春に咲くシンビに、咲きはじめから秋の色を宿す花は、どうやって創るか。
「しぐれ」に想う−−−色を宿していなければ、この歌にはならないからである。
それに加えて、過去の麗色を残していなければならない。
花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに 小野小町
シンビには春に咲く原種と、秋に咲く原種があるが、
この花Beauty Fanfareは−−−
春に咲く花と秋に咲く花を交配して出来た品種である。
♀のRed Beautyには、何代か前に秋咲きのerythrostylumが入っている。
一つの花に、春の盛りと、秋を宿せるのはこれ故である。
小町のかっての麗色と衰えたオータムカラーを・・・・
私は−−−−この花に掬った。
だが、蘭界で、このような花に眼を向ける人は少ない。
ラン創りなら、この花の前を無造作に通り過ぎてはいけない。
他の人が見過ごす花の中に、美を掬う目を持ちたい。
花びらに残るかすかな麗色に「希望」を「未来」を掬いたいとおもう。
来年、もし咲いてくれたら−−−−交配しよう。
宇井 清太
今はとてわが身しぐれにふりぬれば
言の葉さへに移ろひにけり
小野 小町 古今集
悶 Autumn Tide
Beauty Fanfare
MOG95−140
Beauty Fanfare
花径 12,5cm
1月咲き 大型種
悶 Autumn Tide
小野 小町
今はとてわが身しぐれにふりぬれば
言の葉さへに移ろひにけり
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