木材腐朽菌のエネルギー生産と、ブルーベリーによるエネルギー吸収調達の考察
  
  1 植え替え後、枝の貯蔵エネルギーで伸びた新枝と葉。非常にひ弱な葉。温室内で管理。
  2 霜の心配が無くなった5月上旬に屋外に出す。日よけなし。
    新梢が伸び切り生長停止の状態。光合成がどの程度出来るかわからないような葉。
  3 強い紫外線に反応してアントシアン色素が発色した葉。 
    新梢が伸びだしてきた。 エネルギーがあるような感じ。新根は未だ伸びていない!
  4 葉が次第に厚くなって新枝も強くなっている。
    この組織の充実に使ったエネルギー、澱粉は・・・葉の光合成で作ったものとは考えられない。
  5 葉のアントシアン色素が無くなり、葉肉は厚くなり、非常に硬くなる。
    問題は、このエネルギーをどこから調達したのか?
    
  6 葉に光沢が出て、ツバキの葉と同じような「照葉」になっている。
    ブルーベリーに見られないような光沢である。
    手で持った1本の枝が「ツバキ」の枝。


 考察
   早春に展葉した葉が、8月中旬までに写真のように変化した。
   高温になるにしたがって、弱るどころか逆に…活力漲る葉に変貌した。
   早春に展開した葉の光合成で、ここまで充実した葉と枝に変貌できるのか???
   本当にブルーベリーは独立栄養植物なのか???
   この丈夫な葉を光合成の澱粉で作ったのか?  
   木材腐朽菌の生息しないブルーベリー培養土栽培では、
   温度が高くなる夏に向けて、だんだん夏負けしてかぶが弱るが、
   この株では、逆に元気になっている!
   このことを、これまでの栽培法では説明できない。
   光合成理論では説明できない。

   ブルーベリーを「部分的菌従属植物」とすると、無造作に・・・この変貌を説明できる!
   弱い葉が光合成で作った澱粉、エネルギーに、
   菌根が木材腐朽菌の菌糸からエネルギーを調達し、この二つのエネルギーで、
   活力漲る葉と枝を作り上げた・・・・。
   ・・・・・説明が付く。
   ラン科植物の無胚乳種子のように発芽時の「絶対的菌従属」ではなく、
   葉を持つブルーベリーは、光合成が減少したとき、足りない分のエネルギーを、
   木材腐朽菌の菌糸から調達する「部分的菌従属植物」とすると、
   菌根を捨てない理由も説明できる。

   この一連の写真が示す変化は、他の「菌根菌」のAV菌根菌、エリコイド菌根菌では説明できない。
   そういう菌根菌を共生させてブルーベリーでは、写真のような姿にはならない!
   光合成の足りない分をを補完出来ない菌だからである。
   
   これまで、菌根植物の研究は、必ず「内生菌根菌」「外生菌根菌」という観点から行われてきたが、
   地表の枯れ落ち葉内に構築されている木材腐朽菌の菌糸、菌糸ネットワークという、
   エネルギー生産基地とエネルギー供給システムが取り上げられなかった。
   本当にVA菌根菌の炭素源は、他の植物の光合成で作られた澱粉を根からのみ調達しているのか。
   そういう疑問が残る。
   なぜなら、AV菌の近くにブドウ糖を作っている木材腐朽菌の菌糸があれば、
   その菌とも共生するのが・・・・当然と考えられるからである。
   つまり、菌のネットワークを一つの社会として、植物と共生していると考える。
   これまでは、個々菌根菌と植物の関係を研究してきたが、説明が付かない・・・・。
   菌従属植物の炭素調達が説明できない。
   AV菌根菌、エリコイド菌・・・・炭素と関係する菌ではないからである。


 なぜ??? 逆に高温になるにしたがって元気になったのか???

   それが炭素循環の自然界の法則である!
   木材腐朽菌の活動温度範囲。
   低温では活動が緩やかで・・・分解速度が遅い!
   高山、北欧・・・。
   7月、8月は熱帯のボルネオ島、アマゾン・・・。
   木材腐朽菌が生息しているペレポスト オーロラ1号では・・・
   温度が高くなるにしたがって、木材腐朽菌の活動、繁殖が活発になり、
   ペレポスト オーロラ1号のリグニン、セルロースの分解速度が速くなり。
   ブドウ糖、エネルギー生産が多くなったからである。
   ブルーベリーの菌根によるエネルギー調達量が多くなり、
   それで葉、枝が・・・堅固な組織になっていった。
   つまり、地温が30℃近くまでは、上昇するにしたがって、分解速度が速くなり、
   ブドウ糖の生産量が増える。
   だから、ほとんどの植物の吸収根は「地表」近くのエリアに伸びている!

   根が養水分のみ吸収しているとすると、写真は説明できない。
   エネルギーも調達していると考えると説明できる。
   屋久島の7000年の大王杉も説明できる。

   温帯地方の樹木の多くは、6月下旬ころまでの新梢の生長を止める。
   この新梢は前年の光合成に蓄積エネルギーと養分で作られる。
   それ以後は・・・・地表で枯れ落ち葉が急速に分解することで生まれるエネルギーを利用して、
   葉を充実させ、秋には枝を充実させる。
   夏の灼熱の高温と、紫外線、乾燥による夏負けを・・・地表で生まれるエネルギーで賄う。
   つまり、森林は木材腐朽菌の菌糸が作っている!
   これが自然界の法則である。
   枯れ落ち葉の地表は、木材腐朽菌によるエネルギー生産工場、基地である。
   農業は、この工場を見捨てた。
   「焼き畑農業」・・・枯れ落ち葉を・・・燃やしてしまう。
   木材腐朽菌の菌ネットワークは無残に破壊され、人間が支配するエリアになる。
   そこに菌根植物のブルーベリーを植える。
   良く育たない。
   ならば・・・・元の自然の枯れ落ち葉と木材腐朽菌の地表に戻せばよい。
   それが木材腐朽菌による炭素循環ブルーベリー栽培法である。
   稲妻の尿素を再現すれば・・・ブルーベリーは喜び元気を取り戻す。
   
   



ブルーベリー栽培現場に・・・写真の例を採用する

     日本のブルーベリーの諸問題はほとんど解決する。  
     ペレポスト オーロラ1号で栽培する。
     元気漲る株を作ることが出来る。
     3年後、素晴らしい収穫が出来る。
      果樹栽培は、今年の元気が3年後に現れる。
      逆に今年の夏負けが3年後の大減収につながる。3年後の株の衰弱につながる。
      ピートモス栽培は、どうにか3年は生長する。ところが喜んでいると・・・・
      5年目、6年目・・・株が思わしくない状態になる!
      この時、気付いたのでは手遅れ、後の祭りである。
      今年の作は・・・3年前のエネルギー不足である。 根に問題があれば光合成は減少する。
      ピートモス栽培には、ペレポスト オーロラ1号栽培のようにエネルギー補完が無い。
      エネルギー減少がストレートに3年後現れる。

      逆に、ペレポスト オーロラ1号栽培では、今年の出来が、3年後素晴らしい生育と収穫を約束する。
      夏に負けないブルーベリーになる。
      高い糖度・・・当たり前である。

     そういうことで、これからの日本のブルーベリーは、
     ペレポスト オーロラ1号と、ペレポスト オーロラ源液が標準となる。
     これまでの栽培法は、お蔵入りになる。



     


 実証試験概要

   供試材料
     鉢植えされていた12年のブルーベリー。
     老化してそのままでは再起不能状態の株。

   植え替え
     3月下旬にペレポスト オーロラ1号と赤玉土(中粒)等量ミックス
     PH 5,5 (酸度調整なしで自然とこの酸度になる)
     鉢底 防草シート   鉢 平鉢 高さ約20㎝

   毎日 ペレポスト オーロラ源液 
       1000倍液 葉の上から灌水代わりに与える。

    鉢には「生油粕」を木材腐朽菌のエサとして
         5月、6月、7月の3回、一握りの量を3か所に置く。   
ブルーベリーが「部分的菌従属植物」であることの実証写真
6   8月中旬
5   7月中旬
 4  6月中旬
3  5月下旬
紫外線の洗礼を受けて変色。
この葉で光合成を出来るのか????
2  5月上旬
 屋外に出した初期の葉。
 ほとんどクチクラ層が無い状態
 前年の枝の蓄積エネルギーで伸びた枝葉。
 
 
1 老衰したブルーベリー

  4月下旬の状態 
  温室内のシェード下で展葉。
6月15日
5月23日
5月10日 
木材腐朽菌が生息していない水ゴケ植え。
根が鉢の外に逃げ出す・・・。
パートナーの木材腐朽菌を求めて・・・。

これまでの観察は、カトレアの根は気根だから・・・
空気のある空中に伸びる・・・・という説明

同じ根を観察しても・・・
真逆の見方が出来るのが・・植物栽培の現場。
ここに大きな盲点と、誤りが出てくる。

木材腐朽菌の生きている培養土が開発されたことで、
根は木材腐朽菌のいる所に向かって伸びることが実証され、
空気が好きだから・・・鉢から出るのではないことが解った。
ツツジ科植物には葉を持たない、光合成しないで生きる「菌従属植物」がある。
全てのエネルギーを光合成で賄う「独立栄養植物」もある???
これまでは、農業では「菌従属植物」は見事に無視されてきた。
農業の植物・・・作物は、全て「独立栄養植物」という観点から栽培法が構築されてきた。
光合成の理論である。
植物工場では、こ光合成理論で構成され、実際に植物が生育するので、
光合成が発見されてから今日までの200年、光合成理論が正しいと認識されてきた。
その中で、葉を持たないで、光合成を行うことを放棄した「珍奇」な植物「菌従属植物」の存在が、
近年脚光を浴びて、多く研究されてきた。
しかし、この研究が・・・ほとんど農業とは無関係である。

日本再生循環緑化研究所 宇井 清太は50余年ランの栽培を行ってきた。
ランのシンビジュームである。
シンビの中には光合成を放棄した「マヤラン」があることから、菌従属植物に深いかんしんを持ってきた。
その中からラン菌が腐生菌の中の「木材腐朽菌」であることを発見し、
木材腐朽菌が生息している培養土「ペレポスト」を発明した。

このペレポストでブルーベリーを栽培してみると、これまでの知見とは異なることが解った。
ブルーベリーはツツジ科植物。
ツツジ科植物の全てが「菌根植物」である。
ラン科植物26000種も全て「菌根植物」である。
そういうことで、ペレポストは、当初ラン栽培用に開発した培養土であるが、
ブルーベリーその他多くの植物で栽培試験を行ってきた。
その結果、枯れ落ち葉の中に自生するほとんどの植物が、他の培養土に見られない・・・
素晴らしい生育をすることが観察された。
木材腐朽菌が生息する培養土。
こういう培養土は、これまで存在しなかったものである。
ペレポストにランの無胚乳種子を播くと、おおくのランで発芽する。
更に、枯れ落ち葉の中に自生する多年草植物は、ほとんど素晴らしい生育をする。
一年草では、多年草の樹木、草本のように顕著な生育の差は見られない。
この違いについての研究は、ほとんどなされていないようである。
ラン科、ツツジ科植物のほとんどは「多年草植物」である。
菌根植物と多年草植物の関係。
ここに着目した研究はほとんど見当たらない。

多年草植物は芽生えた場所で永年生き続けなければならない宿命を持って進化した。
同じ場所で生きるというのは・・・簡単なことではない。
他の植物の侵入もある。
光環境も大きく変化すこともある・・・・他の植物の枝葉で。
どじょうの劣化・・老廃物蓄積、一部の養分の欠乏。
病害菌、害虫の発生。
・・・・・・
そういう大きなリスクが想定されながら、なぜ多年草に進化したのか?
ハイリスク、ハイリターン?
利点はなに???
大きな樹になれる木なら、光を多く獲得できるという得がある、
しかし、森林の負け組植物の小さな多年草の草本には・・・得するものがあるのか?
ブルーベリーも大きな樹になれなかった「負け組植物」である。
得するものがあるのか?
ある・・・。
生きるために多くのエネルギーを必要としない。
森林の負け組植物というのは、光合成負け組植物である。
常にエネルギー不足状態で生き続けなければならない。
はいぶっしゅブルーベリー、ラビットアイアブルーベリー種は、
第四紀時代の氷河期に、北極周囲のエリアから氷河に追われて、
南へ南へ逃避したスノキ属植物。
アメリカ五大湖より北は大陸氷河の覆われ・・・多くの植物は絶えた。
それより南は氷河が発達しなかった。
ブルーベリー達は、アメリカ東部のアパラチアン山脈を逃避ルートにして南下。
現在のブルーベリーの自生地は、氷河に覆われることが無かったから、
第三紀時代の地表がそのまま残された。
肥沃なエリは他の植物によって占有され、逃避行を続けるブルーベリー達には、
条件の良いエリアは残されていなかった。

ブルーベリーは多年草植物。
劣悪な土壌に芽生えたブルーベリーは、永年そこで生き続けなければならない。
ブルーベリーが群生している場所は、他の植物が生きられないような泥炭、湿地。
点々と生きている場所は、他の植物が優占種となっているエリアの、
疎林になったところとか、林縁、河川の土手などである。
日本のスノキ属のスノキ、ナツハゼ・・・などの自生とほとんど同じ。
そのエリアには・・・第三紀時代から構築された木材腐朽菌による菌ネットワーク構築されている。
湿地の周囲などの高いエリアにも菌ネットワーク構築されている。
こういう場所の土壌の酸度を測定してみると酸性土壌。
PH5.0・・・PH6.0・・・
ブルーベリー果実は、渡り鳥、小動物に食べられやすいようになっている。
バラのように鋭利な棘など備えていない。
花は・・・ハナバチが送粉しやすいように…房状になっている。
これらの形状は・・・常に・・自生地を変えなければ子孫を残せない・・・宿命が作ったもの。
渡り鳥の行動に合わせて・・・種子を完熟させる・・・
北から南へ・・・南から北へ・・渡り鳥は行動する。
東から西へ、西から東へ・・・飛ぶ渡り鳥は・・・ほとんどない。
この行動をブルーベリーは南への逃避行に利用した。
糞が・・・・落される・・・・種子が落される。
その落ちた場所が、他の植物が優占する場所であれば、芽生えても生き残ることはできない。
光合成の負け組植物に生きる術はない。
落下した場所が、たまたま林縁、河川の土手、他の植物が生えない劣悪なエリアであれば、
どうにか芽生え、光を拾って生きられる。
この場面に必要なのが「菌根」である!
ブルーベリーの根と木材腐朽菌、AV菌。エリコイド菌との遭遇。
この遭遇が偶然なのか・・・呼び寄せるのか。
ブルーベリーの根が寄ってゆくのか。
同じ菌根植物であるラン科植物の根は・・・・木材腐朽菌へ根を伸ばしてゆく。
この実証写真を右に掲載する。
おそらく、世界で初めて人工栽培現場でとらえた写真であろう。
なぜなら、木材腐朽菌が生息している培養土でランを栽培している大学、研究機関はないからである。


ブルーベリー栽培では、「菌根」が無視され、削除されている。
そういうことで、地中でブルーベリーの菌根と木材腐朽菌の関係など、
全然カンケイナイ・・・中で栽培法が流布してきた。
木材腐朽菌と共生した菌根ブルーベリー苗木・・・など1本もない。


なぜ、根が木材腐朽菌の住むペレポスト オーロラ1号に向かって伸びるのか。
エネルギーが欲しいからである!
ブルーベリーは光合成の負け組植物。
ラン科植物も光合成負け組植物。
葉で生産する澱粉のみでは足りない。
多年草植物は3年先のことまで想定して、エネルギーを配分するからである。
根、枝(幹)、果実に配分。
一年草とは配分の仕方が異なる。

ブルーベリーは、夏場の高温期などで光合成が減少してエネルギーが足りないとき、
木材腐朽菌が枯れ落ち葉から作るぶどう糖を菌根で調達している。
そのための「菌根」である。
ツツジ科植物には葉を無くした「菌従属植物」・・シャクジョウソウがある。
















 更に、葉を持ちながら一部根からエネルギーを調達する
 「ウメガサソウ」もある。
 ブルーベリーと同じように「菌根」を具備している。
 
  同じツツジ科植物の仲間に、こういうエネルギー調達をしているものがあれば、
  同じように南へ逃避する道行の中で、
  こういう生き方を選択した植物があれば、
  ブルーベリーも、そういうエネルギー調達をして生きてきたと考えるのが自然である。
  そうでなければ「菌根」を具備し、地表近くに根を張っている説明が付かない。
  これまでは。。。外生菌根菌、内生菌根菌・・という固定した知見から、
  ブルーベリーの菌根を研究してきた。
  VA菌は・・・リン酸。養水分吸収。
  エリコイド菌は・・・・有機物から窒素・・・。
  
  菌根菌だけが共生菌ではない。
  ブルーベリーが最も親密に関係している菌は木材腐朽菌である。
  地球の地表で、枯れ落ち葉あるところ、どこにでも生息している地表の支配者である。
  枯れ落ち葉からエネルギーを作ることが出来る唯一の菌である。
  非常に劣悪なエリアで生きるブルーベリーが、
  エネルギーを作り出す菌を見逃す・・・ことは考えにくい。


  ブルーベリーは「菌従属植物」である。
  それを実証した例の写真を添付するので、ご研究ください。
  
















































































































































































































































































































ブルーベリーは部分的菌従属植物である
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