ブルーベリーには自家受粉するものと他家受粉、他花受粉するものがあるが、
基本的な性質は「他家受粉」である。自分の花粉でも受粉する品種でも、
他の樹のの花粉ではより多く実らせる。
このような進化はブルーベリーにとって大きな「賭け」であった。
ブルーベリーは「風媒花」ではない。虫媒花である。
つまり、子孫繁栄の最も重要なことを、昆虫の飛来、訪問に「賭け」た。
若し、昆虫がひらしなかったら種子作ることが出来ない。
こういうリスクがあるにも係わらず、虫媒花になることを・・・選択した。
このリスクを緩和するために、自家受粉する個体も温存した。
これが現在のブルーベリーの種族である。
なぜ。虫媒花の道を選んだのか???
その理由は、ブルーベリーは森林の負け組植物であることである。
強い子孫を作るには「雑種強勢」の法則を取る必要がある。
自殖を重ねれば・・・・近親相姦の狭い遺伝子は破滅につながる。
別な花の花粉を運んでくれる・・・・昆虫を利用する。
こういうことを選んだ個体の出現。
この個体の子孫が現在のハイブッシュブルーベリーである。
なぜ強いブルーベリーになる必要があったのか。
それは「氷河に追われて」逃避しなければならなかったからである。
植物は移動できない。
より多くの果実を実らせ、より多くの鳥、小動物から食べてもらう必要がある。
逃避行は・・・北半球から南へ渡る・・・渡り鳥を利用する。
森林の負け組植物は、常に逃避行の間でも、
肥沃な土壌のエリアでは「優占種」になれない。
不毛の地のような劣悪な土壌のエリアで生き延びて南へ移動を続けた。
こういう悪環境でも生きられる特性を身に着けた個体のみ。
南への逃避行を続けた。
一方、ハナバチは、花が無ければ生きられないように進化した昆虫である。
花を追ってハナバチ達も・・・南へ、南へ移動した。
つまり、ブルーベリーの先祖が地球にうまれたとき、既に昆虫世界には、
花と共に生き伸びる「ハナバチ」が生まれていた。
花園にはハナバチが飛び回る姿があった。
花の世界でも・・・より目立つように、より蜜を、花粉を集めやすいように、
激しい進化競争を行った。
同じツツジ科植物に、ツツジの花のように展開ものと、
ブルーベリーのように筒状になるもの別れた。
いづれにも理由があっての進化方向である。
寒冷なエリアに生きる種では、筒状になり冷たい雨水、風から花粉を守り、
日光が当たれば・・・筒状の中は温度が高くなり・・・
ハナバチを呼び寄せる香りを多く揮発させる。
ハナバチの動きも活発になり、密集した花を次々に移動できる・・・
ブルーベリーの密集した房状花は、ハナバチがより効率的に採蜜できるように・・・
この・・・オモテナシの・・・進化は、
氷河に追われる悲しい運命が・・・進化に影響したものである。
大きく強いものが生き残るのではない。
環境に適応したものだけが生き残る。
多くの種類の植物が、氷河に追われ大陸氷河に行く手を阻まれ、
南への逃避の中で死滅したが・・・・
ブルーベリーは・・・渡り鳥を利用し、昆虫を利用することで、
北アメリカの東部、ユーラシア大陸の東部に、南への逃避ルートを見つけた。
このルートは、北から南へ渡る、渡り鳥の飛行ルートである。
このルートにはヒマラヤ、アルプスのような4000から8000の山脈が無い。
渡り鳥は高い山脈を避けて・・・南北に移動した。
一度も大陸と陸続きになったことのない「海洋島」のハワイ島に、
スノキ属植物が一種自生しているが、
これは、南北のわたる「渡り鳥」が、北から運んだ「ブルーベリー」である。
日本に自生するスノキ属17種も・・・・シベリアからわたる渡り鳥が運んだ種である。
植物は移動できない!
移動手段を見つけ出すのも・・・環境変化への適応脳能力の一つである。
ブルーベリーは難民・・・流浪の植物である。
北で進化したブルーベリー。
南で進化したシャクナゲ。
日本列島は、北から南下したスノキ属植物と、中国雲南、ヒマラヤから北上したシャクナゲ属植物が、
同じエリアに混在している。
山形県の蔵王山には、アズマシャクナゲとスノキ属植物・・・シャシャンボも自生している。
山頂付近にはエゾイソツツジも自生している。
上の写真のエゾイソツツジの花で見られるように、南から北上したシャクナゲ属植物の花は、
花弁が展開する・・・。
しかし、北で進化し南に逃避したスノキ属植物、ドウダンツツジ・・・などは、花は筒状である。
この違いは・・・・温暖な気候と、寒冷な気候の違いが、
昆虫の受粉が、進化に深く影響している。
花粉と、雌蕊を・・・・どうやって寒さから守るか!
寒い日に・・・どうやって昆虫から受粉してもらうか!
筒状にすれば・・・。
ツツジ科植物の花の構造が著しく異なるのは、以上のような理由がある。
水滴が付いた「エゾイソツツジ」の花。
ブルーベリーの筒状の花と、展開して開花する花と、
第三紀の北極周辺は、現在の東京のような温暖な気候であった。
この温暖な気候の下で、北極エリアにはブナ、ナラ、・・・スノキ属植物が繁茂していた。
花の咲く植物も非常に多くあり、多種類の「ハナバチ」「ハナアブ」「ハナバエ」も生息した。
ブルーベリーの氷河に追われた南への南への逃避行は、3000km、5000kmの長い旅であるが、
ブルーベリー単独では移動できない。
植物は移動できない。
移動する手段は、種子を実らせ、この種子が飛散したり、動物が運んだりして移動する。
ブルーベリーの果実は、人間が食べるために、果樹園経営のために実るのではない。
あくまでも、移動手段として花を咲かせ、果実を実らせる。
森林の負け組植物であるブルーベリーは、常に別な植物からも追われる運命である。
新天地を探さなければ生きてゆけない植物である。
それも・・・他の植物が生きることが出来ないような不毛の土地を・・・。
ブルーベリー栽培では、ブルーベリーの・・・この悲しい運命を理解しないと成功しない!
好き好んで酸性土壌の劣悪な土壌で生きているのではない。
木材腐朽菌、その他の共生菌の力を借りて・・・かろうじて生き続けている植物である。
更に、新天地を開拓するためには、多くの果実、種子を実らせる必要がある。
多くの鳥、小動物から食べてもらうためである。
そのためには、多くの昆虫から受粉して頂かなくてはならない。
ハナバチが地球に誕生したのは、顕花植物が地球に現れた3億年前である。
花とハナバチの関係は、永い歴史があり、ブルーベリーが第三紀に北極に繁茂していたころには、
非常に多くのハナバチ、ハナアブ、ハナバエ・・・が花を求めて飛び回っていた。
ブルーベリーはそれらのハナバチを逃避行に利用したのである。
ブルーベリーは風媒花でなく、虫媒花に進化した理由は、
氷河に追われる切実な問題があり、より強い性質を持った個体を作る必要があった。
自家受粉では強い個体を作り出せない・・・。
強い性質を持った個体を生むには「雑種強勢」の法則を用いる必要がある!
この昆虫たちと花達の進化の関係は深く、
花達は、より多くの昆虫を花に呼ぶために、至れり尽くせりの「オモテナシ」を行い、
花の形状、構造も変化させ、巧妙にハナバチ達の行動習性を利用した。
種族を保存し、繁栄させるという目的は、植物も昆虫も同じで、
移動できない植物にとっては、昆虫の訪れる花でなければ、子孫の残すことはできない。
しかし、万が一、昆虫が訪れなくとも・・・受粉できるようにした植物もある。
ブルーベリーの場合は、
自花受粉、自家受粉でも種子が実るハイブッシュ種は、ハナバチ達の生息が少ないエリアに自生している。
ハナバチの多く生息する南のエリアに自生するラビットアイ種は、他家受粉である。
植物から見れば、より強い子孫を残すためには、雑種強勢の方が良いからである。
ハナバチは花が無ければ生きることが出来ない。
氷河に追われたブルーベリーは、花を咲かせることでハナバチを呼び寄せ、
種子を実らせ・・・・これで南へ逃避した。
果実は渡り鳥、小動物によって食べられる。
特に重要なのは、地球の北から南へ渡る・・・・渡り鳥の行動である。
氷河の追われたブルーベリーは、自力では移動できない。
生き残るために・・・
利用できるものは、木材腐朽菌も、ハナバチも、鳥も、小動物も、
利用して生き続けてきた。
ブルーベリーとハナバチ、ミツバチの関係は、
数千万年の関係である。
ブルーベリー果樹園の成否は、そのエリアにミツバチ、ハナバチ、ハナアブ、ハナバエが、
生息して受粉しなければ、多収穫は望めない。
筒状の花の構造は、サクランボ、リンゴのように、人工授粉に望ましいものではない。
この花の形状、構造は、ハナバチの口吻に適合するように進化したもの。
更に、房状に密集して開花するのは、ハナバチ達が、エネルギーをあまり消費しないでも、
遠くの飛ばなくとも・・・蜜、花粉を集められるように・・・・したもの。
ここまでオモテナシをしている。
更に、ハナバチにとって、最も種族を増やさなければならない季節に合わせて、
開花するようにしている!
百花蜜という蜂蜜があるが、ブルーベリーの開花する初夏は、
他の植物にとっても、開花の時期である。
ハナバチの争奪戦が花の間でも激しく行われる。
ハナバチの口吻に合わせた筒状のブルーベリーは、一輪ではハナバチを呼ぶことはできない。
集団で開花すれば・・・・目立ち・・・呼ぶことが出来る!
同じツツジか植物の「ツツジ」のように、大きく派手な花もある。
右写真
東北、北海道の高山に自生する「エゾイソツツジ」。
ブルーベリーの自家受粉の性質は、
小さく質素なブルーベリーの花の不稔リスクの回避手段である。
風で揺れても・・・受粉できるように・・・・筒状にした。
環境の厳しいハイブッシュ種の自生地。
冷たい霧に覆われることもある。
筒の中であれば・・・・冷たい雨も、冷たい風も・・・当たらない。
ブルーベリーの花の構造は、ハナバチに適合するだけではなく、
自生地の環境にも適合するように進化して・・・・
逃避行を続けてきたのである。
そのためには、非常に高い確率で受粉して、多数の果実が実らなければならない。
現在のスノキ属、ブルーベリーは、ハナバチ、ハナアブの口吻の形状を想定して、
それに適合するように花を変化させ生き延びてきた。
こういう植物で経営しようとするなら、ハチとブルーベリーの関係を無視してはならない。
果樹園の周囲に、土着のミツバチ、ハナバチ、ハナアブ、ハナバエが多数生息していて、
はじめてブルーベリー果樹園が成立する。
日本の蜜源植物を見た場合、ブルーベリーが花咲く時期の植物は多くある。
しかし、最も大切な冬期間の食料になる11月に花咲く植物はほとんどない。
餓死寸前で春を迎えることになる。
ブルーベリーの経営を安定させるには、正しい栽培法を行い、
「五体満足」なブルーベリーにするkとは当然である。
それに加えて、ハナバチ、ミツバチが多数生息する環境を作らなければ、
結果不良となって、観光果樹園は成立しない。
11月に開花kする最終蜜源植物は
「菌根イソギク」のみである。
ブルーベリー園の周囲に「菌根イソギク」を栽植すれば、結果不良の問題は一挙に解決する。
アメリカでは、ミツバチの激減で、ブルーベリー産業、アーモンド産業が大打撃をこうむった。
虫媒花の経営を支配しているのは・・・小さなハチと最終蜜源植物である。
菌根イソギク苗のご用命は
日本再生循環緑化研究所まで
FAX 0237-86-3223
、
ブルーベリーの花に通うミツバチ。
ブルーベリーの花の形は、ハナバチの口吻に合わせて進化した。
口吻を中に入れたとき花粉が飛散するして、
ハチの身体に付着。
ブルーベリーの受粉が・・・自家受粉、他家受粉、
自花受粉・・・というのは、
ハナバチの行動に合わせて進化したものである。
アルプスのツツジ科植物の花に通うハナバチ。
ハナバチが花粉を集めやすいように、
雄蕊は外に出ている。
雌蕊も花粉が付着するような構造。
ツツジ科植物の花は、昆虫に合わせて進化した。
ブルーベリーはハナバチの助けを借りて
逃避行を続けることが出来た
buru-hanabati