buru- hyouga 1
ワイルドブルーベリーの自生地では、残念ながらワイルドブルーベリーは新参ものである。
パイロット植物の・・・写真のヤナギがエリアを開拓して、
多量の枯れ落ち葉を生産し、その後タイガー地帯ではカラマツなどの針葉樹が優占種となる。
その後、陰樹のワイルドブルーベリーが、木漏れ日を拾って林床で生きるようになる。
つまり、第一植物遷移、第二植物遷移が作った地表で、生きる植物である。
氷河が削った不毛の大地は、当初は強酸性ではない。
第一、第二遷移と進むにしたがって・・・枯れ落ち葉のほとんどは分解されることなく堆積し、
次第に酸性が強くなり、現在のように強酸性になる。
カラマツも、強酸性で生きられる針葉樹である。
ヤナギの次にカラマツも・・・パイロットの役割を担う植物である。
北極に近いエリアのツンドラ地帯では、カラマツも生きることはできない。
ヒースの丘・・・。
このエリアにはオーロラが夜空を彩る。
オーロラが空中窒素を「尿素」に変える。
オーロラが合成したわずかな尿素の窒素が・・・・地衣類、カラマツ、ヤナギ・・・
・ワイルドブルーベリーの窒素源である。
ここに生きる植物が最も困るのが「リン酸」欠乏である。
強酸性土壌では、リン酸固定が起こり、植物はリン酸欠乏になる。
こういう不毛の地に生きる植物は「VA菌根菌」と共生する。
地衣類・・・・の生存方法のパクリなのかもしれない。
氷河が作った不毛の地の面積と・・・・
現在の日本列島の火山が作る不毛の地の面積が違うので・・・・・
キリシマ連山の新燃岳・・・のミヤマキリシマツツジのパイロットの姿とは異なるが、
火山の硫黄が作る強酸性と、有機酸が作る強酸性も・・・・
ツツジ科植物から見れば・・・似ているのかもしれない。
そういう発想から、ブルーベリーに「硫黄」を施して。PH調整するのは、
非常に無謀に見えるが・・・・問題は、これで、菌生態系が構築できるか??・
ミヤマキリシマツツジとブルーベリーの株元の菌ネットワークの違いまで考慮する必要がある。
ブルーベリーの根元の酸性土壌は、枯れ落ち葉と木材腐朽菌が作り上げたもので、
火山の硫黄が作ったものではない。
ワイルドブルーベリーの自生地の林床は、硫黄で作った酸性土壌ではない。
畑に硫黄をまいて酸性にすることが、本当にブルーベリーが喜んでいるのか??・
菌根になっていない苗木を・・・いきなり植えて・・・良く育つわけはない!
そういうことで、初期生育不良で・・・ブルーベリー栽培は挫折する。