ブルーべりーの土壌PHは・・・・
ブルーベリー自身の枯れ葉と、木材腐朽菌と、雨水で・・・・作り上げたものである。
ブルーベリーの土壌を支配しているのは枯れ葉を分解出来る木材腐朽菌である。
この木材腐朽菌の菌社会に適応するようにブルーベリーの根は進化し、菌根になった。
この菌根・・・本当に強酸性が好きなのか?・・
泣き泣き・・菌糸に助けられて・・・強酸性土壌で生きているのか?。
エリコイド菌根菌の木材腐朽菌が生息している土壌では、PH6,5でも素晴らしい生育する。
ハイブッシュブルーベリーでも。
そういうことでPHよりも、エリコイド菌根菌が生息することが大切である。
日本列島のスノキ属植物自生地のPH。
日本列島にはブルーベリーのスノキ属植物が北海道から九州まで18種自生している。
そこで問題になるのがPHであるが、
日本列島に「アルカリ性土壌」が存在するのか・・・ということである。
スノキ属植物の自生地に「アルカリ性土壌」はあるのか??
ない・・・。
そういうことで、これまで、植物の原種の自生地を調べると、
必ず土壌の「物理的」「化学的」に観察し、測定する。
そういうことで、ブルーベリーの自生地を調べると、砂質土壌、粘質土壌、PH・・・・・が記録される。
これまで、地表に堆積する「枯れ落ち葉」、その枯れ落ち葉をエサにして生きている木材腐朽菌など、
全然調査対象とされなかった!
ツツジ科植物が「菌根植物」であるにも係わらず、
菌根植物に、枯れ落ち葉も木材腐朽菌もカンケイナイということだった。
つまり、木材腐朽菌が枯れ落ち葉、植物死骸のリグニン、セルロースを分解して、
低分子の糖を作るということが視野になかった。
この糖が、木材腐朽菌のネットワークで、植物の根に供給されるというシステムが地表にあること見落としてきた!
植物の全エネルギーが・・・光合成でつくられるという・・・ことが植物学で定説化してきたからである。
本当にブルーベリーが光合成のエネルギーのみで生きる「独立栄養植物」なのかということである。
これまでに栽培法は「独立栄養植物」と勝手に定めて・・・構築されてきた。
ブルーベリーのエネルギー調達を一つのルートのみとして構築してきた。
「菌根植物」であることすら削除してきた。
○○の一つ覚え・・・「バカの壁」という本がベストセラーになったことがあったが・・・・
ブルーベリー栽培では・・・PH・・・PH・・・PHである。
殆どが・・・鵜の真似の記載。
植物学者なら・・・植物に葉を持たない光合成しないで生きる「菌従属植物」が存在することを知っている。
そういう植物は、「変わり者植物」として植物進化の「異端植物」として捉えてきた。
その異端植物にこそ、エネルギー調達の謎を解くカギが秘められていたのであるが・・・
光合成の理論では、ラン科植物の無胚乳種子発芽を説明できないのであるが・・・
そういう植物から、植物の深淵な進化を考えることなく・・・今日まできた。
注目するのは・・・PHである。そんな単純な土壌分析でブルーベリーの進化を説明できるのか。
ブルーベリーの自生地というのは、何100年、何千年とかかって、ブルーベリー自身の枯れ葉と、
木材腐朽菌が・・・土壌改良して作り上げた土壌であり、PHである。
その自生地に人間が踏み込んで、土壌調査したら・・・強酸性土壌だった・・・というもの。
だから、畑を・・・硫黄で、ピートモスで調整すれば・・・というのでは、
あまりに・・・単純、簡単な思考の栽培法ではないか。
土壌調査、土壌分析の項目に・・・ブルーベリーの株元に生息している微生物の項目が無い!
土壌と土質は違う!
土壌調査なら・・・そこに生息している微生物を含めて分析、調査しなければならない。
日本列島の林野で、枯れ落ち葉が堆積している場所で「アルカリ土壌」はない。
アルカリ土壌を自生地にする植物は「好石灰植物」であり、非常に限定された植物群である。
石灰岩が露出している場所でも、石灰岩の窪地、裂け目には、
枯れ落ち葉が吹き溜まりとなって堆積し、そこに植物が自生している場合は、
この場所のPH値は酸性である!
岩盤が石灰岩であっても、この窪地、裂け目の吹き溜まりは、
枯れ落ち葉と、木材腐朽菌と雨が・・・酸性土壌を・・・何10年もかけて酸性土壌に変えている。
こういう場所に自生している植物に「岩百合」「岩菊」ラン科植物の「パフィオ」の一部がある。
中国、雲南は石灰岩。
ここは・・・シャクナゲの宝庫。PH5,5~6,3
ここにスノキ属植物も自生している。
屋久島の大王杉。
この7000年の巨木の幹にはシャクナゲが着生している!
土壌はない。
幹の樹肌は・・・苔の死骸、枯れ落ち葉と木材腐朽菌と・・・
毎日のように降る雨が酸性の樹肌にしている。
ここまで書けば、ブルーベリーの自生地が、長い年月かかって、
枯れ落ち葉と、木材腐朽菌と雨で作られた酸性土壌であることが理解できよう。
突然、畑に、元水田に硫黄、ピートモスを与えてPHを調整することは、
土壌学的に見れば、化学的に見れば正しいかもしれないが、
そこで植物が育つということになれば・・・・菌根植物のブルーベリーが育つということから見れば、
微生物を削除した・・・栽培法というのは、砂上の楼閣のようなもの。
畑の微生物と、スノキ属自生地の微生物が・・・まったく異なるからである。
畑微生物フローラと自生地微生物フローラが異なる!
この微生物フローラという言葉は「微生物ネットワーク」という意味で、
単独の共生菌のVA菌根菌、エリコイド菌根菌という研究とは・・・異なるもの。
これまで、病害菌を探す手法で「菌根菌」を探して研究してきたが、
植物を元気にする菌は「単独」ではなく・・・ネットワークであることが解ってきた。
人間の腸内細菌も腸内フローラ。
これと同じことが・・・自生地にあったということである。
つまり、日本のブルーベリー畑には・・・この微生物フローラが削除されてPH、PHと・・・言っているということ。
これでは、ブルーベリーが良く育ち。甘ーいブルーベリーは生産できない。
「夏負け」を防止することが出来ないからである。
ツツジ科植物、スノキ属 ブルーベリー。
この植物の自生地。自生している株元のPHは、一年、2年で作られたPHではない。
現在の自生地は、ブルーベリーが地球の気候変動に翻弄された末に見つけた場所である。
何10年、何百年、何千年かけて、枯れ落ち葉と木材腐朽菌と雨で、雪で作り上げたPHである。
ブルーベリー栽培のどんな本を見ても
ブルーベリーは「好酸性土壌」と書いてあり、PHを調整すれば、ブルーベリーが育つように撒いてある。
不思議な書き方である、観察の仕方である。
まさに、ブルーベリーに自生地の土壌を測定すると・・・酸性土壌である。
ところが・・・・
そういう酸性土壌が・・・どのようにして形成されたかの説明がない!
第三紀周北極植物が第四紀時代に4万年から10万年間隔で襲来した氷河期に翻弄され、
ようやく現在の生息地に落ち着いて生き続けているが・・・
植物の移動は、動物のように移動できないから、万年単位で移動している。
つまり、ブルーベリーの自生地の株元の地表というのは、
そういう永い年月をかけて、ブルーベリー、その他の植物の枯れ落ち葉、植物死骸と、
これをエサにして生きる木材腐朽菌、木材腐朽菌が作る菌ネットワークが、
現在のPHを作り上げたものである。
このPHを真似て、畑に、水田だったところに「硫黄」「ピートモス」を与えて、PH調整しても、
偽自生地でしかない。
「菌根」の意味が・・・全然ブルーベリー界に理解されていない。
一口に言えば・・・ブルーベリーの土壌、根の張っている場所を・・・どう理解、観察するかの問題。
ブルーベリーは「キリシマツツジ」のように、火山の不毛の地に水先案内のように、
先達植物、パイロット植物として生きる植物ではない。
ブルーベリーが生える前に・・・水ゴケなどの植物が・・・ある程度開拓した後に、
そこに野鳥などが糞を落し・・・その糞に交じっているブルーベリーの種子が芽生える・・・。
そうして・・・北極圏から・・・氷河に追われて・・・アパラチアン山脈を南下し、フロリダまで逃避した。
渡り鳥と「訪花昆虫」と共生して・・・現在の自生まで逃避した植物である。
これは・・・「山ぶどう」「ブナ」も同じルートである。
だからスノキ属植物と山葡萄、ブナの自生地は・・・重なる。
劣悪な環境で生きることは同じであるが、ローブッシュブルーベリーは、
水ゴケ、枯れ落ち葉が永年堆積するが、寒冷地のために木材腐朽菌の活動が鈍いため、
ほとんどは分解されないで堆積する。
そのために有機酸の濃度が高くなるため。PH値は強酸性になる。
こういう場所にワイルドブルーベリーが生きているから、好酸性が好きで好きでたまらない植物のように見られる。
ほんとに、人間の・・・この見方が正しいのか????
自生地と大きく異なる日本の畑に、硫黄、ピートモス。鹿沼土をまいて強酸性に調整してるが、
ブルーベリーは、それで喜んでいるのか????
つまり、ワイルドブルーベリーの自生地の酸性は、硫黄で酸性になっているのではない。
ツツジ科植物は多様な進化をしてきた植物だから、
地球の不毛の地も多様であり、そういう場所で生き続けるには、
火山の硫黄が作った酸性土壌、熱帯の泥炭が作った酸性土壌、寒帯の泥炭が作った酸性土壌、
水ゴケが作った酸性土壌、樹の枝に堆積した枯れ葉が作った酸性土壌、
石灰岩の窪地、裂け目に堆積した枯れ葉が作った酸性土壌・・・、
蛇紋岩に堆積した枯れ葉が作った酸性土壌・・・そこにツツジ科植物が自生する。
ピートモスの上部に堆積している・・・比較的新しい水ゴケの死骸と「枯れ落ち葉」のエリアのPHは、
雪解け水と雨水と枯れ葉と木材腐朽菌が作り上げたPHである。
火山の硫黄が作り上げたものではない
この栽培法で、繰り返し記しているが・・・ブルーベリーの自生地で最も重要なものは「枯れ落ち葉」である。
北極周辺から氷河に追われて南へ逃避したブルーベリーには、
そういう不毛の地のみ残されていた。ワイルドブルーベリーは何時も・・・劣悪な場所で生き無ければならない植物。
日本のスノキ属のツルコケモモは・・・水ゴケに自生している。
ツルコケモモの菌根は、生きている水ゴケの中に根を張っている。
下層のピートモス化した・・・強酸性の場所ではなく、それより上層の・・・
生きている水ゴケの中に根を張る。
この生きている水ゴケのPHは5,3~5,5。
ワイルドブルーベリーは、日本では「果樹」として栽培されることはない。
山野草の一種として・・・・クロマメノキ・・・も栽培されている。
PH調整のみの畑では・・・ほとんど失敗する。
寒冷地で何百年かかって、クロマメノキが自ら作り上げた・・・枯れ落ち葉を主体にした植生、
PHで生きており、ここには活動は鈍いが木材腐朽菌のネットワークがあり、
これを利用して生き続けてきた。
そういうことで、ただ単にPHを調整しても・・・ほとんど意味がない。
クロマメノキの根元を観察すれば、クロマメノキは枯れ落ち葉の中に自生していることが解る。
これを畑に再現することは難しい。
自生地においても、十分な光合成が出来ないから「隔年結果」になる。
表年と裏年がある。
果実を実らせるということは、どんな果樹にとっても、
母体のエネルギーを使い果たすほど大変な仕事である。
人間でも年子に年子また年子と・・・子供を産む女は「稀である」。
ハイブッシュブルーベリー。
南への逃避行の途中下車したこのブルーベリーの自生地は、
ワイルドブルーベリーより枯れ落ち葉の分解の早い場所である。
第三紀時代には、熱帯植物が繁茂していた場所である。
日本のスノキ属植物のナツハゼ、スノキの自生地は、第三紀時代は・・・熱帯林であった。
ここには木材腐朽菌が大繁殖して、現在のボルネオ島のような炭素循環で森林を形成していた。
第四紀時代の氷河期には、この熱帯、亜熱帯林は南に追われ、
そこに北極から逃れてきたブナ、ナラ、スノキ属植物が入り代わった。
地球寒冷化による植物遷移である。
当然、この地表には、熱帯、亜熱帯植物と共に生きていた木材腐朽菌が残った。
木材腐朽菌はどんな植物の葉でにもリグニンとセルロースがあるから・・・
枯れ葉であれば・・・生き続けることが出来る菌である。
氷河に覆われたり、現在のような状態になったり、また氷河に覆われたり・・・・
そういう変化があっても、植物が自生していた所であれば、必ず木材腐朽菌が生息している。
キノコが生えるところいなっている。
PHを調整しても「キノコ」が生える畑にならない。
こういう畑では、ブルーベリーは元気に育つことが出来ない。
枯れ落ち葉も、木材腐朽菌も、菌根も考えないで、PH,PHと・・・〇〇の一つ覚え。
現在の日本のブルーベリーは根本から間違っている。
PH調整しても
ブルーベリーの畑にはならない
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