日本のラン界は近年非常に盛大のような感じであるが、オリジナルという点から見れば底が浅いともいえる。独創のランが少ないからである。
近頃、下垂シンビではサラ ジェーンがブームになったが、この品種はオーストラリアのValley Orchidで約20年前に創られた品種です。小型シンビ交配の元祖は日本の池田成功先生であることを思うと、サラジェーンのようなシンビが日本で創れなかったことが無念でならない。日本には、サラ ジェーンに似た交配「若草」があるが、日本ではブームを仕掛けないとダメなのか。
日本の洋ラン品種の変遷を見ると、その盛衰は激しく、過去の品種を保存している人は極めて少ない。
今は原種に多くの人が傾斜しているが、その先が何なのか。
1950−1960年代の米国は育種家が繚乱と咲いた時代であった。彼らはオリジナルを競った。その結果として名花が繚乱と続出した。今、彼らのほとんどはこの世にいない。会社も存続しているのは少ない。過去の栄光が語り草になるだけである。
でも、このオーキッド カンファレンスのように、国境を越えて保存し、交配し、子孫を発展させる者もいるのである。花を素晴らしく咲かせるだけなら・・・・他の花でも出来るではないか。ラン作りがラン創りにならないと、日本のラン界の発展はない・・・・。
オーキッド カンファレンス”グリーンライト” Gold/5WOC
Orchid Coference
devonianum
Sola
pumilum
Orchid Coferenceの系譜
Orchid Coferenceは女流育種家Mrs,H,Irelandの交配による下垂種の名交配である。
遺伝子から見ると下垂原種のdevonianumと小型Cymのpumilumで出来ている。RHS登録1966年。米国の多様なCym交配の黄金時代になされた交配で、このような花を見ると米国の自由な、深く高い好奇心をうかがうことが出来る。彼女の素晴らしい情熱を見ることが出来る。この個体は、第五回世界ラン会議でゴールドメダルを獲得した銘花である。大型シンビの展示の中で、小型のこの品種が栄光に輝いた。シンビに新たな分野と可能性を示したのである。現在の下垂ブームの源流にこの品種が存在し、しかも、それを作ったのが女性であった。Mrs,H,Irelanndの名は伝説である。
今、日本では女性のラン栽培が非常に盛んである。各地のラン展でも素晴らしい栽培品を出展している。だが、彼女のように新種作出に向けた情熱を見ることはない。シンビにおいては・・・・・・。
この品種の作出で、以後世界各地でdevonianumの交配が盛んに行われるようになった。
この一株は私(宇井)が彼女より譲り受けたCymの中の一株である。今では持つ人は少なく、幻のコレクションとなった。
Orchid Coference”Greenlight”Gold/5WOC
花径4cm 3−4月咲き 小型下垂種
RHS登録 1966年 登録者 Mrs,H,Ireland
Sola x pumilum
ガラパゴス パビリオン
garapagos3