この品種の遺伝子構成は、他の品種に比して簡単で、このような交配の中から銘花が生まれたことはSimple is Best を考えてしまう。
lowianumga40%であれば、ステムが弱いのが普通であるが、Doramaの親のDorchesterは
Alexanderi系の4nの著名な交配親で、Doramaを♂に使うことによって、ステムの問題を克服した。3倍体の利点が最高に顕れた個体である。
 Dorama

 Apollo

幻の緑・・・・。
この品種は、Cymbidiumを育種する者のこころに長い間「幻の花」として咲きつづけた。Forty Niner”Alice Anderson”。
米国カリフォルニアに開拓者はエル ドラード(黄金郷)を夢見た。1849年カリフォルニアに金鉱が発見されると、多くの人々がサンフランシスコに殺到した。その人達をForty Ninersと呼ぶ。
米国Californiaはラン栽培の適地で、ランのエル ドラードであった。多くの育種家を輩出したが、彼らの夢に見たCymbidiumは、Califoniaの緑に覆われた大地であった。Cymbidiumの一輪の花の中に緑のエル ドラードを見るのであった。
1973年、Anderson氏によってこの品種がCSAの審査会に出されSilver/CSAが与えられると、世界のラン界に衝撃となってつたえられた。「幻の緑花」として・・・・。専門家の間ではこの花の存在は知られていたのであるが、彼は永い間、門外不出としていたのである。この品種の作出された1962年は、私がラン作り始めた年でもあり、どうしても手に入れたい花の一つとしてこころに刻んだ花である。若い私の胸を焦がしつづけた「幻の花」であった。
この品種は偶然にも♀は米国の夢を乗せたアポロ宇宙船と同じ名前である。そして♂はドラマである。銘花は生まれる運命にあったのである。この品種が世に姿を現わしてから既に40年。未だにこの品種を凌駕する緑濃い花は生まれていない!!

緑花は作り方で色彩の変化が激しいが、この品種は花弁が汚れない鮮緑色で、Cymbidiumで最も困難な問題を克服した花である。
MS−190
 Forty Niner”Alice Anderson”
           Silver/CSA
 花径 12,5cm 3−4月咲き
 大型種
RHS登録 1962年
登録者  Stewart Inc.

フォーティ ナイナー”アリス アンダーソン”

( Apollo  x  Dorama )

garapagosu9